• > 女優道を突き進む、「前田敦子」のルーツを探る [FRaU]

女優道を突き進む、「前田敦子」のルーツを探る [FRaU]

2018年04月04日(水) 20時00分配信

Photo: Seiji Ishigaki(BLOCKBUSTER)

今回のゲストは女優の前田敦子さん。国民的アイドルグループの中心的存在として激動の思春期を過ごし、現在は女優として新しい境地へ。その眼差しの先には、何が見えていたのか。

前田敦子さんのCHRONOLOGY

1991年
千葉県生まれ

2005年
AKB48 オープニングメンバーオーディションに合格

2007年
市川準監督の映画『あしたの私のつくり方』で女優デビュー

2008年
ドラマ『栞と紙魚子の怪奇事件簿』(日本テレビ)ダブル主演

2009年
AKB48第1回選抜総選挙で1位となる

2010年
ドラマ『マジすか学園』(テレビ東京)で初の単独主演

2011年
映画『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』主演

2012年
AKB48を卒業
映画『苦役列車』

2013年
山下敦弘監督の映画『もらとりあむタマ子』主演

2014年
舞台『太陽2068』(作 / 前川知大・演出 / 蜷川幸雄)

2015年
ドラマ『ど根性ガエル』(日本テレビ)
映画『さよなら歌舞伎町』
舞台『青い瞳』(作・演出 / 岩松了)

2016年
ドラマ『毒島ゆり子のせきらら日記』(TBS)主演
映画『モヒカン故郷に帰る』『シン・ゴジラ』

2017年
映画『武曲 MUKOKU』、『探偵はBARにいる3』、『散歩する侵略者』
ドラマ『就活家族』(テレビ朝日)、『民衆の敵』(フジテレビ)

2018年
映画『素敵なダイナマイトスキャンダル』3月17日公開予定
映画『のみとり侍』5月18日公開予定

 

王道はいってないなって 自分でも思いますよ

出身は千葉県。田舎とも都会ともいえない、郊外の街で育った。

「小さい頃はお姉ちゃんと一緒に魚とかハチとか網で捕まえたりしてました。家が狭かたので、外で遊ぶことのほうが多かったですね」ありふれた日常から、やがて芸能界という特別な世界に興味を持つようになり、その一歩を踏み出す。「小学生の高学年から中学生ぐらいになると、同い年の子たちがティーン雑誌に出るようになるじゃないですか。そういうのを見て、いいなぁって」

14歳でAKB48のオープニングメンバーオーディションに合格。とはいえ、出来たばかりのグループには今のようなブランドや知名度はなく、ゼロから作り上げていかなくてはならない。
「初めの頃は正直やめたいって思うときもありました。もちろん、やる気はものすごくありましたし、どうしたらいいのかってずっと考えてました。私がAKB48にいたのは約7年間。みなさんに知られるようになったのはそのうち4年間くらいなんですよね」やがて日本中から注目を集めるアイドルグループの、中心メンバーとして国民的な存在に。その渦中にいてどんな思いを抱いていたのか。「とくに何も思わなかったですね。センターになることも私自身、理解出来ない時期もありましたし、そういう立ち位置になることが多かったというだけで。AKB48はメンバーそれぞれの人気が分散しているんです。ファンの方たちと接する機会がたくさんあるので、メンバーもわかるんですよね」

あまりに状況が突飛ゆえに、かえって平静になってしまうことはあるが、それにしても並外れた度胸ではある。「でも、女の子ってみんな冷静なんですよ。人気も今だけっていうのをちゃんとわかってる。有名になったからって浮かれているような子は、少なくとも私のまわりにはいなかったですね。忙しすぎて冷静じゃないみたいなのはありましたけど」

グループに在籍していたのは14歳から21歳まで。誰にとっても青春期であり、心は思春期の真っただ中。

「AKB48の活動が忙しい時期は、1年間が10年間くらいに感じました。なのでAKBを卒業したときには、もう20年くらいやったような感じで。逆に、すごく楽しかったですし、やりがいもありました。ただ、言葉でも行動でも、自分が発信したことでいろいろな影響が出てしまうこともあったので、そのぶん自分の限界を感じるのも早かったです」
グループ在籍時から、女優の仕事をはじめてはいたが、なかなか思い通りにはいかなかったという。

「オーディションを受けたときから『私がやりたいのはお芝居です』とは言っていました。でもアイドルの活動と並行していると、ほかの女優さんと比べてスケジュールはもちろん、制限がすごく多くて。アイドルが役者の世界に来ちゃってることへの違和感はずっとありましたね。やりたいことをやっているはずなのに。そういう中で、グループにいながら自分の夢を追いかけるのは難しいと思うようになっていたのは覚えています」
アイドルとしての圧倒的な経験値は、お芝居に活かされているだけではなく、いわゆる “役作り” に対する考え方にも影響を与えているようだ。

「お芝居を見るというより、この人はどうしてこんなに魅力的なんだろうって考えながら見るのは、アイドルをやっていたからなのかなと思います。それと、プライベートがない人にお芝居はできないと私は考えていて。普段の自分と仕事上のキャラクターが違うのは、アイドルや役者に限らず、どんな職業の人でも同じですよね」
彼女が演じる市井の人々は、アイドルの持つ特別な華やかさとは一転、人間としての抜群のリアリティがある。

「王道はいってないなって、自分でも思いますよ。アイドルから女優になった場合、キラキラした女性の役を演じることが多いのかなと思うことはありますけど、私はそうならなかった。それは、私を呼んでくれた監督たちが、そういうお芝居を求めてくれたからだと感じています」
最後に今後の展望を聞いてみた。

「女性の監督とお仕事してみたいです。CMなどで西川美和さんや河瀬直美さんとご一緒したことはあるのですが、もっと長い時間現場を一緒に過ごしたいですね」
●情報は、FRaU2018年3月号発売時点のものです。

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