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パスタもカツも、土鍋で作るとふっくら美味しくなるって本当? [おとなスタイル]

2018年04月04日(水) 10時00分配信

パスタ作りは土鍋に限る!

人の手で生み出される、頑丈で頼もしい土鍋とそれを使って作られる、とびきりおいしいものたち。
数々の文化人を魅了してきた、三重県伊賀の窯元「圡樂(どらく)」。
八代目の陶芸家・福森道歩さんは料理家でもあり、もちろん土鍋使いの達人だ。
「じんわりと熱の入る土鍋で作ると、パスタも白いごはんも本当においしいんです」
暮らしの道具の目利き、スタイリストの高橋みどりさんも言う。
「土や釉薬がしっかりしている土鍋は、ステーキもおいしく焼けることを道歩さんに教わって土鍋の見方が変わりました。特に圡樂の土鍋は、北欧デザインなどにも通じるモダンさがある。日本の土鍋と、厚手の鋳物鍋の2つがあれば鍋は充分、とすら思っています」

そこで今回は、土鍋ならではの美味しい秘密が詰まったパスタと、鮭のカツ風のレシピを福森道歩さんに教えていただきます。
「きのこのアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ」

にんにくオイルが上手にできる、そのまま食卓に出せる!

「きのこのアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ」

はじめまして、福森道歩です。さあ、土鍋の料理を紹介しますよ!
ルールがひとつだけあります。土鍋は「弱めの中火」から必ずスタートしてください。弱めの中火に5分以上かけて、土鍋が充分に温まったら「強火」にかけてもOKです。
最初はパスタを作ります。「なんで土鍋でパスタ?」って? まあ、見ててください。

■材料:2人分
きのこ(山で採ってきたものを使用。家庭ではしめじ、まいたけ、しいたけなどお好みで)……100g
オリーブオイル……大さじ2
にんにくのみじん切り……2かけ分
赤唐辛子……1本
アンチョビ……2枚
白ワイン(またはパスタのゆで汁)……適量
スパゲティ……160g
塩・パセリのみじん切り……各適量

ポイント1

土鍋にオリーブオイル、にんにく、赤唐辛子を入れて、弱めの中火にかけます。土鍋は温まるのに時間がかかるので、「じっくり炒めて、にんにくの香りをオイルに移す」にんにくオイルのソース作りに最適です。土鍋だとなぜか、にんにくも焦げにくいんですよ。

ポイント2

にんにくが色づいてきた頃(5分後ぐらい)には、土鍋も温まってきています。アンチョビを加えて、きのこをドサッと入れたら強火で炒める。そして、パスタがからみやすいように、白ワインかパスタのゆで汁を少し入れて、土鍋の中でソースを作るんです。

ここにゆでたスパゲティを入れてからめる。土鍋ごと食卓に運んで、取り分けて食べましょう。土鍋の蓄熱効果で冷めにくいのもうれしいですね。

今回は家庭で一般に使いやすい9寸(直径約28cm)の土鍋で作ります。弱めの中火でじわじわとにんにくを炒めて、にんにくオイルを作り、きのこを入れたら強火です。きのこに火が通ったら、ワインやゆで汁を加え、塩で味をととのえてソースの完成。
簡単でしょう!
「鮭のカツ風」

鮭がこんなにふっくらするなんて、土鍋すごい!

「鮭のカツ風」

鮭って、パサつくイメージがありませんか? でも衣をつけて土鍋でバター焼きにすると、ふっくら軟らかいのです。想像以上のおいしさで、食べた人がみんな「これが作れるなら土鍋が欲しい」と言ってくれるんですよ。

■材料:4人分
生鮭……4切れ
塩・こしょう……各少々
バター……60g
薄力粉・溶き卵・パン粉……各適量
レタス・柑橘類(カボスなど)……各適宜

ポイント1

食べやすく切った生鮭に塩、こしょうをふり、薄力粉、溶き卵、パン粉の順に衣をつけます。土鍋を弱めの中火にかけて、バターを入れ、ふたをします。バターが溶けてグツグツしてきたら鮭をひと切れ、真ん中のバターがたまったところへ入れて、スーッと端に寄せます。同様にして、すべての鮭を並べ入れたら、ふたをして中火で焼きます。衣がカリッとしたら、ひっくり返して。今度はふたをしないで、全体をこんがりと焼きます。
衣が硬くなるまで触らないでくださいね。衣がはがれてしまいますから。
鮭の水分を閉じ込めるために、最初はふたをして焼き、カリッと仕上げるために最後はふたをしないで焼く――ここがポイントですよ。

ポイント2

普通の鍋やフライパンでバターを溶かすと、焦げてしまうことがよくあります。でも土鍋だと、バターが焦げにくい。鮭にバターをからめてふたをして焼き、ひっくり返して、ふたをしないで焼く。簡単で、めちゃくちゃおいしいおつまみ&おかずのできあがり。
■Profile
福森道歩(ふくもりみちほ)
三重県の伊賀・丸柱に江戸時代から続く窯元「圡樂」八代目。七代目の陶芸家・福森雅武の四女として生まれ、短大卒業後、料理研究家のもとで3年、辻調理師専門学校で1年料理を学ぶ。2003年に家業に入り、2010年に八代目となる。著書に『スゴイぞ! 土鍋』(講談社)、『土鍋だから、おいしい料理』(PHP)など。

 
撮影/日置武晴

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