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〈雑貨店主の飾るインテリア〉小さな家でも奥行ある空間を作りだす [おとなスタイル]
2018年03月28日(水) 10時00分配信
家は、広ければ広いほど豊か――、それは過去の話。
今、手と目が行き届く快適さが魅力の“小さな家”に注目が集まっています。
そこで、延床面積100平米未満の家で暮らす人、その住まい方を取材。
見えてきたのは、限られた空間を自分らしく育てる、楽しい工夫の数々でした。
小さな家は収納場所が少なくて、好きなものを飾る余裕がない?
それは大きな誤解です。多くのものとの出会い、別れを経てたどりついたおとな世代の暮らしの賢人たちの知恵で、狭いと思っていた空間が豊かなものに。
「視界に入るのが好きなものばかり」「自由な間取りが楽しい」……
そんな小さい家だからこその贅沢が詰まった暮らし、覗いてみましょう!
今、手と目が行き届く快適さが魅力の“小さな家”に注目が集まっています。
そこで、延床面積100平米未満の家で暮らす人、その住まい方を取材。
見えてきたのは、限られた空間を自分らしく育てる、楽しい工夫の数々でした。
小さな家は収納場所が少なくて、好きなものを飾る余裕がない?
それは大きな誤解です。多くのものとの出会い、別れを経てたどりついたおとな世代の暮らしの賢人たちの知恵で、狭いと思っていた空間が豊かなものに。
「視界に入るのが好きなものばかり」「自由な間取りが楽しい」……
そんな小さい家だからこその贅沢が詰まった暮らし、覗いてみましょう!
素材探しから壁の漆喰塗りまで自分たちでリノベーション
〈小さな暮らしDATA〉78平米
高橋千恵さん
49歳・雑貨店店主
2人+2匹暮らし・2LDK・マンション
設計 郷司邦彦
高橋千恵さんが夫と暮らすこの部屋を買ったのは36歳の頃。引っ越し先を探していた時に、いじりがいのありそうな分譲物件を見つけたのがきっかけだ。以前から「自由に部屋を作ってみたい」と思っていたため、リフォーム前の部屋を急遽、購入することにした。
「まずは独立型のキッチンとリビングダイニング、和室の壁を取り払い、解放感ある空間を作ることに。工事に時間がかかって入居が先に延びれば、その分だけ前の家の家賃もかかるので、設計士さんに無理を言って半年で造作だけ形にしてもらい、自分たちで壁を塗りながら暮らし始めました」
部屋の中には、新しいものとヴィンテージ、工業製品と手仕事のもの、といった、相対するイメージや素材が絶妙なバランスで散らばる。目指したのは“倉庫や工場みたいな空間”だ。
「一般的には使わない面白い素材もすごく探しました。『普通はしない』と言われつつも、天井を抜き、ダクトやコードも見えるようにしてもらって。あんまりキチッとしていない雑な感じがよかったし、自分たちでやるのは失敗もありだけど楽しかった。壁の漆喰を塗り終わる時は本当に寂しくて、最後はわざとゆっくりやったりして(笑)」
「見せる」収納で道具を手の届く所に
キッチン脇の収納庫の壁面には、有孔ボードを取り付けた。「日常的に使う箒、塵取り、鍋敷きなどを下げています」。ボードの一面にものが吊るされたようすが面白く、実用性と見た目を兼ねた収納に。
キッチン脇の収納庫の壁面には、有孔ボードを取り付けた。「日常的に使う箒、塵取り、鍋敷きなどを下げています」。ボードの一面にものが吊るされたようすが面白く、実用性と見た目を兼ねた収納に。
柔軟なアイデアとセンスで部屋の持つ可能性が拡大!
高橋さんの暮らしを聞けば、工夫次第で、多くの部屋はいらないと感じる。
「家具の定位置は決めていなくて。テーブルもあっちにいったり、こっちにいったり。知人が泊まる時などはパーテーションで部屋を区切って使うし、ちゃぶ台を出してご飯を食べることも。同じ部屋でも、カウンター、ダイニングテーブル、ちゃぶ台……場所次第で、食事する時の気分が変わります」
ちなみにパーテーションとちゃぶ台は、使わない時は無造作に壁に立てかけられている。こうした自然な状況―家の中にものが溢れていること自体が、高橋さんの楽しみなのだ。
「若い頃に、部屋の中をすっきり片づけたこともありました。確かに掃除が楽だしカッコいいんですが、ちょっと寂しくて。やっぱり私は、視界が好きなもので埋められているのが心地いい」
面白いのは、そこにメーカーロゴの入った市販品が紛れ、妙な愛嬌や和みを醸し出していることだ。
「昔はそういうものは排除していたんですが、この年齢になって、そこまでピリピリすることもないなと。そういう無理をしてもしょうがないと思うように。だって、他人のための家じゃない、自分たちの家なんだから」
「家具の定位置は決めていなくて。テーブルもあっちにいったり、こっちにいったり。知人が泊まる時などはパーテーションで部屋を区切って使うし、ちゃぶ台を出してご飯を食べることも。同じ部屋でも、カウンター、ダイニングテーブル、ちゃぶ台……場所次第で、食事する時の気分が変わります」
ちなみにパーテーションとちゃぶ台は、使わない時は無造作に壁に立てかけられている。こうした自然な状況―家の中にものが溢れていること自体が、高橋さんの楽しみなのだ。
「若い頃に、部屋の中をすっきり片づけたこともありました。確かに掃除が楽だしカッコいいんですが、ちょっと寂しくて。やっぱり私は、視界が好きなもので埋められているのが心地いい」
面白いのは、そこにメーカーロゴの入った市販品が紛れ、妙な愛嬌や和みを醸し出していることだ。
「昔はそういうものは排除していたんですが、この年齢になって、そこまでピリピリすることもないなと。そういう無理をしてもしょうがないと思うように。だって、他人のための家じゃない、自分たちの家なんだから」
視界に入るのは好きなものだけ
カシワバゴムノキ、カウンターの〈UTA GLASS STUDIO 〉の照明、九州の手作り凧のコレクション、大切にしているイラスト、ローラ・カーリンの動物絵皿など、お気に入りがあちこちに。
カシワバゴムノキ、カウンターの〈UTA GLASS STUDIO 〉の照明、九州の手作り凧のコレクション、大切にしているイラスト、ローラ・カーリンの動物絵皿など、お気に入りがあちこちに。
高橋さんの小さな暮らしの工夫
カーテンは気分に合う布をかけるだけ
ざっくりと窓のサイズに合わせた布を、クリップで固定したものがカーテン代わり。「布一枚で、リビングの雰囲気がガラリと変わるんです」
ざっくりと窓のサイズに合わせた布を、クリップで固定したものがカーテン代わり。「布一枚で、リビングの雰囲気がガラリと変わるんです」
■Profile
高橋千恵
たかはしちえ
1968年生まれ。各地を訪ねて集めた器や生活道具を販売する、東京・国立の「黄色い鳥器店」店主。作家の個展や、ワークショップなども多数開催。
※それぞれの家の延床面積の平米数、敷地面積の坪数は、小数点以下を切り捨てたものです。
高橋千恵
たかはしちえ
1968年生まれ。各地を訪ねて集めた器や生活道具を販売する、東京・国立の「黄色い鳥器店」店主。作家の個展や、ワークショップなども多数開催。
※それぞれの家の延床面積の平米数、敷地面積の坪数は、小数点以下を切り捨てたものです。