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佐藤浩市インタビュー「僕が『北の桜守』に出演を決めたワケ」 [おとなスタイル]

2018年03月25日(日) 10時00分配信

50歳を過ぎても 人との出会いという “財産”を作れる

photograph by Yosuke Morimoto

50歳を過ぎても 人との出会いという “財産”を作れる

終戦直前から始まった樺太との悲劇を背景に、ある母子の人生を描いた感動巨編『北の桜守』。佐藤浩市さんが本作への出演を決めたのは、初共演の、主人公・てつを演じる吉永小百合さんの存在だった。
「最近の吉永さんは制作の段階から作品に携わることも多く、今回、僕の名前を出してくださったそうなんです。まさか吉永さんに呼んでいただけるとは思わなかったので。現場の吉永小百合さんを見られる! と、もうその想いだけですね(笑)」

佐藤さんが演じたのは、樺太から引き揚げてきた、てつ達親子の生活の手助けをし、気丈なてつにいつしか惹かれていく男、菅原信治。てつもまた信治に愛情を抱いていたであろうと素直に思える、彼の頼もしさ、不器用な優しさが、表情や言葉のひとつひとつからにじみ出ている。
「こんなことを僕が言ってはおこがましいんだけれど、吉永さんは本当に可愛らしい女性なんですよ。現場では意外にも、けっこういっぱい、いっぱいで(笑)。あれだけの大女優さんなのに、撮影時はシーンごとに『これで大丈夫ですか?』って、監督によく聞いていて。とにかく一生懸命。その姿がすごく新鮮でした」
俳優歴40年のベテラン、佐藤さんをも感動させる吉永さんのひたむきさ。いくつになっても吉永さんが輝き続けている理由のひとつだろう。
「僕らの仕事というのは、50歳を過ぎても“人と出会えるという財産”が作れるんだなと思ったら、嬉しくなりました。それは決して大先輩や大スターだけじゃなく、逆に19~20歳くらいの若い子と共演しても、新しい発見が得られることがあるしね。そのことを、この年になってようやく自覚できるようになったかな」

切っても切れない親子の深い絆をテーマにした本作。三國連太郎さんを父に持つ佐藤さんに続き、佐藤さんの息子である寛一郎さんも昨年、俳優デビューを果たした。
「親子って不思議なもんだなぁと思いますね。そんな姿、見せていたつもりもないのに、かように似たような態度を取るものかと。それは三國と自分もそうだったし、ふとした瞬間の居ずまいが近かったりするんですよ。でも母親は、息子と旦那が似ていることが、どこか許せないんでしょうね(笑)。そこに自分がいないっていう感覚。だから、世の母親はそれを補うように、息子に対する情愛がより深くなるのかもしれない」
『北の桜守』

●全国で上映中

『北の桜守』

太平洋戦争末期から約30年間にわたる母子のドラマ。夫を戦地へ見送った女性てつ(吉永小百合)は、菅原信治(佐藤浩市)ら様々な人たちに支えられながら、激動の時代を生き抜いていく。
佐藤さんの“心の一作”は?

DVD/私物

佐藤さんの“心の一作”は?

『ロング・グッドバイ』
レイモンド・チャンドラーの原作『長いお別れ』をロバート・アルトマン監督が映画化した名作。「1973 年の公開当時、中学生だった僕は夢中になって何度も観ました。主人公の探偵フィリップ・マーロウを演じたエリオット・グールドのくたびれた雰囲気が何とも魅力的で。達観した人の孤高さに惹かれましたね」
■Profile
佐藤浩市
さとうこういち
1960年、東京都生まれ。’81年『青春の門』で映画初出演。以降、多くの作品で活躍。’94年『忠臣蔵外伝 四谷怪談』、2016年『64‐ロクヨン‐前編』で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞。近年の映画出演作に’17年『花戦さ』がある。

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