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モデル今宿麻美夫妻「ファミリーになったストリート世代が着たい服は?」 [mi-mollet]

2018年03月15日(木) 11時00分配信

撮影/森山将人

昨年末、第2子を出産したばかりの今宿麻美さん。今もなおモデルとして活躍し続け、ストリートファッション世代から絶大な支持を集める彼女とその夫でありスタイリストのMASAHさんが今回のゲスト。家族を持った今だからこそのファッションに対するスタンスと想いを語っていただきました。
スタイリスト MASAH
1977年、東京都生まれ。ファッション誌からアーティストのスタイリングまで幅広く活躍。類稀なるセンスとユーモア溢れるキャラクターでファッション業界を牽引する存在。

モデル 今宿麻美
1978年、宮崎県生まれ。18歳でモデルデビューを果たし、ストリートモデルとして圧倒的な人気を誇る。2013年にスタイリストのMASAH氏と結婚し、2人の男の子の母に。出産後は妻・母親としての私生活も注目を集める。書籍「今宿麻美のママライフ 39 Thank you」(祥伝社)も好評発売中。
「ピンク」と「黒」のベビーカーなら私たちは迷わず「黒」を選ぶ

撮影/森山将人

「ピンク」と「黒」のベビーカーなら私たちは迷わず「黒」を選ぶ

MASAH(以下、M):僕たち夫婦は、ストリートファッション世代ど真ん中なんですね。今も毎日パーカにスウェットパンツを合わせて履いていて、変化があるといえば、時々スウェットがジーンズに変わるくらいのもの。

今宿(以下、今):私がストリート誌でモデルをしていていた頃から今も変わらず、そのスタイルはすでに私たちにとって日常の一部になっているんですよね。

M:呼吸をするようにストリートファッションを身にまとっている(笑)。そんな僕らが、30代後半で長男の青馬を授かり、人の親になったわけで。僕は、あーちゃん(今宿さん)の妊娠中の定期検診にも結構ついて行ったりしてたんですが、待合室には想像以上に同世代の方が多くいらしたんです。それで、いざ子どもが生まれるってなって、「ベビーカーどれにする?」って話にあーちゃんとなったとき、子どもが乗るからといって女のコならピンク、男のコならブルーみたいな選択肢になることに違和感があったんですよ。

今:実際、メーカーの方から黒いベビーカーの需要が年々上がってきているというお話も耳にしたよね。

M:ファッションと同じで、子どもの身の回りのものにしても、自分たちの感覚に無理をしないプロダクトがあればいいという想いがどんどん膨らんでいきました。そんな中、数年前に“the POOL aoyama”と期間限定のポップアップイベントの企画が持ち上がって、その想いがどんどん形になっていったんです。

今:特に男のコ向けのものはバリエーションがものすごく少ないんですよ。そんな市場を目の当たりにして、頑張りすぎてない雰囲気のモノトーンのアイテムがあったらすごくいいなって思ったりして。

M:まず汚れにくいし、合わせやすいし。

今:MASAHは、主張のあるスニーカーとか、好きだもんね。

M:そうそう。でも、着ているものがモノトーンなら大抵の靴はハマるから、そういう意味でもいいんだよね、モノトーンって。
今:それから、家族は増えてその分ワードローブも増えていくのに、家の中のクローゼットは大きくならないという現実もあったりして。そうすると、どうしてもクローゼットの中に置いておくものが厳選されていくから、そういう意味でもモノトーンは重宝するなって思います。

M:でもさ、青馬も3歳になったら、ファッションに対してきちんと自我が芽生えてきたよね?

今:それはもう。前よりもこういう色が着たいとか主張することが増えました。

M:だから、息子と話していて体感的に、こういう色の洋服もあった方がいいなと思ったら、それを商品にすることを考えてみたりとか。

今:息子が年齢を重ねる分だけ、その年齢相応の新しい価値観に触れる気がしています。この春、伊勢丹さんで復活することが決まった商品ラインナップはそういう意味でかなり、前回よりもカラーバリエーションが増えたよね。

M:再発足が決まった時には、まだ年末に生まれた2人目の子供の性別が決まっていなかっということもあって、女のコが着ても可愛いアイテムもちょっとだけ意識しています(笑)。僕ら家族と一緒に、お店もブランドも成長していく形でやっていけたらそれがベスト。そこはやっぱり、いい意味で肩の力を抜きながら過ごすのがモットーのストリートファッション世代なので。家族でお揃いコーデとか今まで全く興味がなかったけど、テイストを揃えるとかブランドをリンクさせたりすると子どもが「一緒」って喜んでくれたりするのは可愛いなって思ったりして。父親になって、僕の価値観も日進月歩で変わっていったりしています。
”おしゃれ番長”だった今宿がファストファッションを買うようになって僕は正直、切な

撮影/森山将人

”おしゃれ番長”だった今宿がファストファッションを買うようになって僕は正直、切な

M:結婚しても、子どもが生まれても、僕らのベースにはストリートファッションがあったんですけど、あーちゃんがある時期を境に、ファストファッションを取り入れるようになったんですよ。

今:昔も今も変わらずファッションが好きなことに変わりはないんですけど、出産してからは自分が着たい気持ちだけで好きな服を着るのはなかなか難しかったりするじゃないですか。ヒールもまた履けるかなって思ってたけど、抱っこ紐しながら履くのは大変だから、どうしてもスニーカーを選びがちになりますよね。抱っこ紐の話でいうと、装着しやすいようにワンピースやシンプルなパンツスタイルが増えていくわけで。あと、やっぱり育児をしていると汚れるリスクが高くなるんですよ。でも、トレンド感のあるアイテムはやっぱり取り入れたくて。だからと言ってそこにあまりお金をかけすぎるのはもったいない気がするし……。

M:実際、真面目に「僕にとっての今宿麻美はそういうんじゃないんだけど」みたいな話をしたこともあったよね。

今:ありました(笑)。

M:でも僕が熱弁したら、今はそれどころはないし、抱っこしたらシワにもなるし、でもおしゃれも楽しみたいから、10万円の服を1着買うよりも2万円のものを5着買って、それを着替えて楽しみたいって話してくれて。そういうスタンスも一理あるということを理解できて、胸のつっかえが取れた。

今:ファストファッションをうまく活用しつつも、靴やバッグにはきちんとこだわっていたいし、例えばパンツを履くなら細身にしてトップスをビッグシルエットにするとか、子育てというある意味制限のある中でおしゃれを工夫するのって、結構楽しくもあるんですよ。

M:でも、あのフリルのついたワンピースだけはちょっといただけなかったな……。
今:ずっと言ってるよね(笑)。もちろん、ストリートカジュアルが一番好きではあるけれど、女性っていろんなテイストのコーディネートを楽しみたい生き物なんだと思う。いつも同じテイストだと、飽きちゃう瞬間があるんだよね。

M:そうみたいだね(笑)。ファッションは結局、それを着ている本人が楽しむのが一番だと思うから、そう言われたら僕に異論はありません。
今:年齢を重ねるにつれ、時々、おしゃれに迷うという声も周囲からはよく耳にするけれど、やっぱり私はいくつになっても自分が好きなものを着ることが一番大切だと思う。「カジュアルなコーディネートって何歳までしていいですか?」みたいな質問もInstagramによくいただいたりしますが、おしゃれに年齢制限なんてないと、私は思うな。

M:おしゃれって、そんなに頭で考えることでもないしね。考えると面白みに欠けてしまう。極論、服装や持ち物なんて関係なくて、どんな服を着ていても、その人自身が楽しそうに笑っていることがファッションにおいて一番大事なことだと思うんですよ。ストリートファッションって、もともとはスケボーやダンスをやるための服でカルチャーに付随したものだから、その向こう側にそれを着ている人の笑顔がある。それに、ストリートファッションはもともと大人が子どもになろうとしたファッションでもあると思うので、大人になった今こそむしろ昔に戻ったような感覚で楽しめるといいのかなって。

今:あとは、細かいことを気にしないっていうのもストリートファッションの醍醐味だと思いますね。

M:Tシャツがぶかぶかだったり、デニムにダメージがあってもそれが味になったりするわけで。若い頃は、このスニーカーにはあのTシャツを合わせたいとか、細かいこだわりもいっぱいあったけど、この年齢になっておしゃれに対する感覚が一周も二周も回ると、「これがいいじゃん」が「これでいいじゃん」に変わってくると思うんです。きっとファッションなんて、そんな風に気楽に楽しめばいいんですよ。

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