• > 桐島洋子、かれん対談「毎日の暮らしが楽しいのが一番いい家庭」 [おとなスタイル]

桐島洋子、かれん対談「毎日の暮らしが楽しいのが一番いい家庭」 [おとなスタイル]

2018年03月15日(木) 10時00分配信

撮影/桐島ローランド

最新号の特別対談「桐島洋子&かれん 居心地のいい、親子関係の見つけ方」の中から、一部をご紹介いたします。

「いい母親に見られたいとは思ったことがない。
それよりも子どもたちにも、格好いいおとなに思われたかった」
桐島洋子さんは凛として言う。娘のかれんさんも証言する。
「確かに格好よかった。それに楽しそうに生きていた」
母が幼少期を過ごした上海を一緒に旅して、久しぶりに密に語り合うひととき。
50代になってわかる母という人、風通しのよい親子の関係、自分がなぜ“ここ”にいるのか、そして“これから”をどう生きるのか。
かれんさんが今再び、洋子さんから受け取ったメッセージとは。
毎日の暮らしが楽しいのが一番いい家庭

「終戦直前まで住んでいた、第2の故郷・上海に、久しぶりに行ってみたい、と母が言い出して」。 母、娘、息子(写真家の桐島ローランド氏)の水入らずの旅が実現。撮影/桐島ローランド

毎日の暮らしが楽しいのが一番いい家庭

かれん 外から見たら、やっぱり我が家は変わっていたでしょ。私たちは作家の娘で、ハーフで、父親がいなくて……普通じゃなかった。だけど子どもの頃の私は世間体を気にするタイプで、目立ったり、人と違うのがすごく嫌だった。お母様はいつもおしゃれをしていて、元町の輸入品を扱うスーパーマーケットへ買い物に行くときも、アオザイ姿だったりする。それが私は恥ずかしくて、少し離れて歩いたりしていた。友だちの家に遊びに行くと、エプロン姿のお母さんがジュースを出してくれたりするのよ。そういう“普通のお母さん”に憧れたの。

洋子 それは知らなかった。

かれん 私たちの友だちがうちに遊びに来ると、お母様はいつも家で原稿を書いていて。誰かが「おばさーん、喉渇いた」って言うと……。

洋子 「そこに水道があるから、自分で勝手に飲みなさい」と言ったわね。

かれん そのあとで「それと、おばさんではなくて、洋子さんとお呼びなさい」って言うのよ(笑)。友だちはみんな、ポカンとしてた。その頃、私たちが住んでいた横浜のマンションは、部屋の入り口に古い革のスーツケースがあって、その上にお母様がベトナム戦争に従軍記者として同行したときに被った、迷彩色のヘルメットがドンと置いてあった。壁には大きな世界地図。家具は茶色い船家具で統一されていて、アフリカの楽器とか、世界で集めた調度品や絵画があった。ピアノの上にはインドのミラーワークの織物がかかってたわよね。当時、友だちの家のピアノにはたいてい、白いレースがかかっていたから、我が家は変だなって思っていた(笑)。

洋子 衣食住のすべてを、私は自分なりの美意識で彩ってきたつもり。仕事も一生懸命やったし、方々へ旅もしたけれど、家の中のことにも手を抜きたくないのよ。「楽しみ」は外にあるものだと思いがちだけれど、インテリアとか毎日の食卓とか、家の中のことを工夫するのは楽しいわ。普段の暮らしそのものが楽しいというのが、一番いい家庭だと思う。そういう意味では、うちの子どもたちもみんな、暮らしを楽しむおとなになってくれてよかった。中でもあなたは、暮らしそのものを自分の表現として、仕事にもしている。それはなかなか素敵なことだと思うわよ。

【関連記事】

NEWS&TOPICS一覧に戻る

ミモレ
FRaU DWbDG
  • FRaU DWbDG
  • 成熟に向かう大人の女性へ
  • ワーママ
  • Aiプレミアムクラブ会員募集中!

このページのTOPへ戻る