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『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』女の園に迷い込んだイケメンの運命は? [with]

2018年03月09日(金) 12時00分配信

(C)2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.

ソフィア・コッポラ監督の新作『ビガイルド』は、アメリカの南北戦争時代を背景に描いた物語。南部の森に隠された小さな女子学園に、傷ついた北部兵が転がり込む、そこから始まった事の顛末を描いています。

南北戦争は1850年代に起きたアメリカの内戦で、南部と北部は敵同士。女子学園で自給自足の生活をしている南部の女子たちは、北軍の負傷兵を見つけたら、本来なら味方の軍に引き渡すのが筋です。でも彼女たちはそうはしなかった。理由は、男が「北軍に引き渡されたらどんな目にあうかわからない」と懇願したから、学園長が女所帯に男手があると便利だと思ったから、などなどいろいろありますが、ありていにいえば負傷兵が、紳士的なイケメンだったからです。

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女子ばっかりの集団の中に男子を――それもイケメンをひとりだけ放り込むとどんなことが起こるのか。たとえば「女子高+イケメンのクラス担任」みたいなことだとしたら、それほど大ごとにはならない気がします。というのもみんなが同じ年で等分だから子ども扱いされるのも等分だし、子供ゆえに周囲の牽制を打ち破る勇気も切迫感もなく、結局のところ平和にみんなでキャッキャいうのが楽しい、みたいなことに落ち着くような。

でも、この作品の面白いのは、女子たちの年齢も立場も経験もバラバラであること。ニコール・キッドマン演じる学園長は40代、キルスティン・ダンスト演じる教師は30歳前後、生徒たちはエル・ファニングの17歳を筆頭に、10歳そこそこまでが5人。こうした女子たちが久々に見る男――それも彼女たちを操ろうと、粉をかけまくるイケメン――に、それぞれの反応をしてゆきます。

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例えばキルスティン演じる30歳前後のエドウィナ。終わらない戦争で婚期を逃した感のある彼女が、「この人は私と結婚するために現れたのかも。ためらっている暇はないわ!」と積極的に動くのは、with世代の女子ならすごく理解できるところ。
でももしエル演じるアリシアと同じ17歳だったら、「別にそこまで好きじゃないけど、必死なオバさんから横取りしちゃおうかなー」なんて思うかも。
そしてニコール演じる40代の学園長は「若い子たちに色目を使う男に嫉妬してるわけじゃないわ。ただ私には若い子たちを守る義務があるから」みたいな感じ。

そんな彼女たちの欲望、いたずら心、嫉妬、ライバル意識……が引き寄せる、思わぬ展開とは?女子の無邪気さと怖さに戦慄のラストを、ぜひ劇場で見届けてくださいね~。
『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』
ソフィア・コッポラ監督最新作。本年度カンヌ国際映画祭監督賞受賞!TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国公開中。


文/渥美志保

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