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【成長因子って何?】ついに若返りが実現か!? カギを握るのは成長因子! [VOCE]

2018年03月05日(月) 12時00分配信

成長因子で若返る!?

化粧品に配合されたり、美容医療で使われたりと、少しずつ耳にすることが増えてきた美容ワード、「成長因子」。とはいえ実態がよくわからないこのキーワードについて、取材に応じてくれたのは皮膚科専門医の今泉先生!ニューヨークのワイルコーネル医科大学の研究所にて、肌再生に関わるペプチド・タンパク質の研究をしていたという先生にお聞きします。成長因子ってなんですか? これによって本当に若返ることができるんですか!?

成長因子(=グロスファクター)とは?

動物の体内において、特定の細胞や分化を促すタンパク質の総称です。別名「増殖因子」、「細胞増殖因子」などとも呼ばれています。そもそも、細胞や皮膚、骨、筋肉などヒトの体すべては「ヒト成長ホルモン」というホルモンによって成長しています。ヒト成長ホルモンは、脳の脳下垂体前葉でつくられていて、生きていく上で必要不可欠なもの。でも成長に関係しているというだけに、思春期をピークに20代後半から急激に分泌が減少してしまうんです。
これによってさまざまな老化現象が起こるといわれているので、ヒト成長ホルモンを活性化することが、健康面でも美容面でも重要になってきます。そしてそのヒト成長ホルモンを活性化する物質こそが、成長因子なんです。体の細胞の種類によって成長因子の働きは異なり、肌を若々しく保つ成長因子があることもわかってきました。
美肌に関係している成長因子は?

成長因子にも種類があるとは。

美肌に関係している成長因子は?

成長因子にはいろんな種類があります。
肌に関係する成長因子は、代表的なところでEGF、FGF、IGF、TGFの4つ。
その詳細は以下の通りです。

1:EGF
表皮細胞成長因子で、ターンオーバーを司る表皮幹細胞に指示を出し、表皮細胞を増殖させる働きをしています。生まれ変わりを促進するわけですから、シミやくすみ、ゴワつき改善への効果が期待できます。

2:FGF
線維芽細胞成長因子です。真皮の中にある成長因子で、真皮幹細胞に指示を出し、線維芽細胞を増殖させます。肌の弾力を保つのに必要なコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸、SOD(抗酸化物質)などを活性化。その結果、シワやたるみの改善が期待できます。
3:IGF
インスリン様成長因子。損傷を受けた細胞の再生を助け、皮膚を再生させる働きがあります。新しい皮膚の細胞を生み出し、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸の生成を促進するため、肌のハリを回復させ、たるみたシワの予防と解消に効果を発揮します。
4:TGF
線維芽細胞において、コラーゲンとエラスチンを生成するのに必要な因子です。コラーゲンやエラスチンの構造を強化する働きに加えて、肌に潤いを与えて弾力を高める作用もあるんです。抗炎症作用もあるので、敏感に傾きがちな肌の改善効果もあるとされています。

ほかにも美容面で重要な成長因子、ありますか?

「EGFやFGFは、美容好きな方には人気の成長因子様ペプチドですね。同じたとえば目もとの小じわを気にしている人には、アセチルヘキサペプチド‐8、アセチルテトラペプチド-5なども効果的」(今泉先生)
アセチルヘキサペプチドは、おもに化粧品の成分として用いられることが多く、シワを予防したり、保湿力を高めたりするなどの効果があるとされています。
なぜここにアセチルヘキサペプチドという名称が出てくるのかというと、ペプチドつながりだから。そもそもペプチドとは、タンパク質が最終段階のアミノ酸になる直前の物質。
アミノ酸が複数つながっている状態のものです。
化粧品で使用されているペプチドだけでも200種類以上もあるんですが、人の体にとくに有効な働きをするものを「機能性ペプチド」といいます。成長因子も、ある細胞に対して特別な機能を持つペプチドですから、機能性ペプチドなわけです。
EGFは化粧品の成分表示ではヒトオリゴペプチド‐1、FGF-2はヒトオリゴペプチド‐13などと表示されます。アセチルヘキサペプチド‐8、アセチルヘキサペプチド‐5が配合されていると表示された化粧品は、目もとの小じわなどへの効果が期待できるとも言われています。
気になる人はチェックしてみるといいかもしれません。

成長因子は、増やしたもの勝ち…じゃない!?

年齢とともに分泌が低下するものは数多くある。そして足りなくなるほど老化が進むものが多い反面、増やし過ぎても意味がない、女性ホルモンのようなものもある。
成長因子はどっちですか?
「一定量までは、足りないのなら増やした方がいいのですが、こちらも女性ホルモンと同じでバランスが大事です。一部の成長因子は、摂りすぎると脱毛など、悪影響につながると言われているものもあるんです。成長因子が配合されていればいい、というのではなく、量と質、そしてバランスにこだわった、信頼できる化粧品を選ぶべきだと思います」(今泉先生)
なるほど、多ければ多いほどいい、濃ければ濃いほどいいというものでもないんですね。
「医師や専門家の判断なく、自己判断で“原液”と銘打っているものに安易に手を出すと、肌や体に悪影響を及ぼす場合もあります」(今泉先生)

成長因子配合コスメ、その効果は?

たとえばEGF配合の化粧品などは、ここ最近ちらほら見られるようになりました。経費吸収することで、効果はあるんですか?
「医療においては、肌の再生治療に使われる成分です。化粧品で取り入れる場合は、年齢とともに遅くなる、肌のターンオーバー調整補助という考えですね。ハリや弾力がなくなったと感じる人なら、こういったペプチドが配合されている化粧品を選ぶことも一つの選択肢だと思います。もちろん、質やバランスにこだわった化粧品を、という注釈付きですが」(今泉先生)
先生のクリニックでも、成長因子は施術に使われているんですか?
「ノアージュでは、KGFやHGFなどの成長因子をブレンドしたものをHARG療法という育毛治療に使用しています。いま、育毛をはじめ、さまざまな美容の治療で再生医療の研究が進んできていますよね。肌や頭皮が本来持っている“生まれ変わる力”や“再生しようとする力”を引き出してくれる成長因子は、先端美容の大事なカギを握っていると思います」(今泉先生)
今後、さらに研究が進むであろう成長因子。とはいえ、施術は信頼できるクリニックで、化粧品は信頼できるブランドで、というのも大事なポイントのよう。
審美眼を磨きつつ、アンチエイジングケアに取り入れるのが正解と見た!

お話を聞いたのは…

今泉明子先生

医学博士・皮膚科専門医。聖マリアンナ医科大学付属大学院皮膚科、日本赤十字センター皮膚科で勤務後、最先端の美容医療を学ぶために渡米。ニューヨークの医科大学にて勤務後、化粧品の開発にも関与した。帰国後は東京ミッドタウン皮膚科形成外科クリニックNoageの院長に就任。幼少期にアトピーで悩んだ経験から医師を目指したという経緯もあり、肌荒れなどのトラブルを抱えた患者が全国から来院。最新かつ豊富な知識で、美容業界にもファン多数。

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