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人気料理インスタグラマーarikoさんが見つけた、ある共通点 [mi-mollet]

2018年03月03日(土) 11時00分配信

旬の時季に何度もリピートしたという「牡蛎のオイル漬け」。インスタでも著書でも人気だ。

数々の女性ファッション誌の表紙やファッション、フード関係の特集記事などを手がけるarikoさん。編集ライターであると同時に妻であり母であり、さらには95000人以上のフォロワーをもつ、インスタグラムの発信者でもある。愛が溢れる料理や信頼できるお店など、おいしいもの好きなら見逃せない写真や情報がいっぱい。レシピをまとめた三冊目の自著を上梓したarikoさんに、好きなことを発信することで、活動の幅が広がっていく、その経緯を伺った。
きっかけはモデルからの一言。 すべては、一枚のランチの写真から始まった!

牡蛎のオイル漬けを柿と合わせてサラダ仕立てにしでアレンジ。 

きっかけはモデルからの一言。 すべては、一枚のランチの写真から始まった!

ファッションを中心とした編集ライターとして、第一線で活躍し続けているarikoさん。インスタグラムを始めたのは4〜5年前。サービスが始まってから半年から1年ほど経ったころだった。今や百花繚乱の「料理インスタグラマー」としては、かなり先駆け的存在といえる。

「最初はモデルさんたちがやり始めて、それを見ているだけだったんです。けれどもあるとき、モデルの一人が『arikoさんも、やればいいんじゃない?』とその場でアカウントを設定してくれて。そこで何気なく、次の休みの日に作ったお昼ご飯をポストしたんです。そうしたら、一緒に働いていたロケバスさんやカメラマンさんたちが、『すっげー、うまそうなんですけど!』と反応してくれた。それで『みんな、こういうのが好きなのかな』と思い、気が向いたときに食べたものを、手料理、外食問わずにアップし始めたんです」

縁があって、アトリエ兼キッチンスタジオを目黒にオープン。家具にもこだわって選んでいる。 撮影/神林環

「インスタは、雑誌作りととても似ている」とarikoさん。編集ライターとしての長いキャリアが、フォロー数アップに大きく寄与しているよう。

「写真を中心に、連動したコメントをつけてもいいし、自由なテキストをつけてもいい。上げるタイミングも雑誌と似ていて、ファッション誌が夏前に水着や浴衣を取り上げるように、『そろそろ食べたいな』というころにちょうどタイミングよくポストすると共感を得ることができるような気がします。例えばイチゴだったら、超高価な11月ごろではなく、3〜4月の巷に溢れている時季でもなく、目に新鮮に映るクリスマスから1月にかけてポストすると、あ、そうそうイチゴが食べたい! と思ってもらえるのかな、と。そろそろ小腹が空いてくる夕方におやつにぴったりなドーナツなどを上げると思いの外いいねをたくさんもらえたり……。それからどんどん、その面白さにハマっていきました」
料理から見える「素敵な家族像」で着々とフォロワー数をアップ

キッチンスタジオには、自宅から運んだカトラリーや器がスタンバイ。 撮影/神林環

料理から見える「素敵な家族像」で着々とフォロワー数をアップ

arikoさんのインスタがスタートしたのは、息子さんが受験勉強真っ最中だった5月のこと。料理を通じての息子さんとのつながりに、多くのフォロワーが共感したという。見事合格したときは、祝福の声が多く寄せられた。

「始めた当初は、仕事は忙しいし、家に帰ったら受験生がいるし、何かと追い詰められていた時期だったんです。そんなときにインスタを始めたことで、『客観的にうちの食卓を人が見たらどう感じるのだろうか』という意識が持てて、自分のバランスも保てたと思います。いいことばかりではなく、ときには落ち込む日もある。でもそういうことはいっさいアップせずに、家族に作ったおいしいものを、ちょっとしたコメントを添えてポストするようにしていました。たとえば母の日の食卓なら、『母の日おめでとう、と息子。おめでとうじゃない、ありがとうだろ』と自らツッコミを入れつつ、コメントを添える感じ。そもそも息子って、母親をウザイと思っている、というのがベースにありますよね。でも、ちょっとありがたいとも思っている。母親は母親で、めんどくさいけどやっぱりやらなくっちゃ、とそのときできることをする。そういう親子関係が、料理を通じて伝わったのかもしれませんね」

arikoさんが息子さんに出す朝食は、どれも季節感を取り入れたおいしそうなものばかり。本業と両立しながら築きあげる食卓は、とても大変そうに見えるが……。

スタジオの飾り棚。モダンさと素朴さをあわせもつ、温かみのある食器が好み。 撮影/神林環

「できる範囲で、自分がやりたいからやっている感じです。だから『やってあげた』と思わずに、楽しくできるんだと思います。ウチの息子がトーストに目玉焼きとコーヒー、という王道が好きじゃないのもありますが、こういう朝食って私にとっては手間がかかるように感じてしまうんです。それよりも、お鍋一個でできるうどんやラーメン、丼、フレンチトーストのほうが作るのも楽だし食べやすい。たとえばうどんなどは、おダシに片栗粉でとろみをつけて、生姜をすって卵を入れて……、あっと言う間にできてしまう。お刺身を漬けにしてご飯にのせて、青シソとネギを散らすだけでもいい。おつゆは即席のものでもいいんです。
とにかく一緒に食卓を囲むのがわが家の決まり。とくに男の子は、頑張っておいしいご飯を作っていればブレなく育つはず! ウチの家族は3階に住んでいるんですが、買い物帰りに『荷物重いから、下まで取りにきてくれる?』と言うと、嫌がったりせず100%『はーい』と返してくる息子に育ちました(笑)」

客観的に自分と家族を見つめ、おいしい料理にのせてその価値観を展開するarikoさん。その根底には、家族への揺るぎない愛情がある。さらに家族だけでなく、一緒に仕事をしているスタッフや友人にも、その愛は注がれているようだ。というのも、撮影用に作った料理はすべてスタッフにも振る舞い、「温かいほうがおいしいから」と何品も作り直してくれた。おいしいものには愛が宿る。そのことを体現し、インスタにのせて発信し続けたarikoさん。そのフィロソフィーは多くのフォロワーを集め、その結果、本業の結果とは別の新しい活動の場が広がっていった。

PROFILE

ariko
『CLASSY.』、『VERY』、『HERS』の表紙やファッション、食関係等の企画を担当する編集ライター。大学生の息子と夫の3人家族。 おいしそうな料理にセンスあふれる器使い、信頼できるお店情報など、おいしいもの好きが注目するインスタグラム「@ariko418」は、現在フォロワー数が95000人を越える人気となっている。 『arikoの食卓』、『arikoの食卓 もっと食べたい』(ともにワニブックス)に続く今回の本は、待望の初レシピ本。

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