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【住まいの老い支度】老後のために変えて快適になったこと [おとなスタイル]

2018年02月22日(木) 10時06分配信

日々の片づけがラクになる 「ハレ」と「ケ」の空間づくり

家中スッキリ片づけておきたい気持ちはありますが、年齢とともに体力と集中力が衰えてくると、理想ばかり言ってはいられません。そこで、我が家では空間を「ハレ」と「ケ」に分け、ハレの空間はいつも片づけてきれいに、ケの空間は少しくらい散らかっていてもOKという自分なりのルールをつくりました。

玄関を上がってすぐの部屋は「来客用のリビング=ハレの空間」、その奥は「自分だけが使う日常の部屋=ケの空間」にしています。こうすることで、片づけをハレの空間に集中させることができるので、日ごろの片づけがラクになり、急な来客があっても、すぐにリビングに招き入れることができます。
私にとっての日常とは、食事をする、本を読む、テレビを見る、昼寝をしてくつろぐなどで、ケの空間にあるのは座卓、テレビ、チェストだけ。将来、車いすを使うことになったとしても、不自由なく動けるだけの余裕をもたせるため、これ以上の家具は置かないと決めています。
「なくても平気」がスッキリのもと

阿部絢子さん。

「なくても平気」がスッキリのもと

炊飯器、電子レンジ、トースター、ポット、食器洗浄機……、キッチンには至れり尽くせりの電化製品があります。仕事に追われ、家族の世話が忙しい世代にとって、これらの電化製品は必需品かもしれませんが、少し時間ができた世代なら、例えば炊飯器がなくても構わないのではないでしょうか?

炊飯器と電子レンジがないだけでこんなにスッキリ。

わが家では、土鍋でご飯を炊いているので炊飯器はありません。電子レンジは以前持っていたのですが、壊れてしまってから買い替えることなく過ごしています。キッチンから炊飯器と電子レンジが消えて、本当にスッキリしました。「こんなにスッキリするなら、もっと減らしてみよう」と思い、普段あまり使わないジューサーやホットプレートも次々と手放してみました。
私たちの「あれば便利」は、もしかしたら「なくても平気」につながっていて、スッキリの邪魔をしているのは、「あれば便利」という程度のものなのではないでしょうか?

カバーを外せば手間がかかりません。

「なくても平気」というのでもうひとつ、なくしたものがあります。ランプシェードです。
蛍光灯のカバーを取り外せば、掃除の手間をひとつ省くことができます。蛍光灯の交換や掃除など、高いところの作業は70代にとっては危険をともなうものなので、思い切ってカバーをはずして、気持ちがスッキリしました。

老後の住まいへの不安はどんな人にもあると思いますが、それに対する備えがあるのとないのでは、不安の大きさが違います。「まだ大丈夫」と後回しにせず、数十年後の自分のために、住まいの老い支度をはじめましょう。
<著者プロフィール>
阿部絢子(あべ・あやこ)
生活研究家・消費生活アドバイザー。新潟県生まれ。共立薬科大学卒業。洗剤メーカー勤務を経て、百貨店の消費生活アドバイザーとして30年間勤め、現在に至る。料理をはじめ家事など生活全般にわたる豊富な知識と合理的なアドバイスで、出版・講演など幅広く活躍中。70代になった今も快適な暮らしのノウハウを探求すべく、年に一度海外にホームステイに出かけている。 著書に『老いのシンプルひとり暮らし』『老いの片づけ力』(ともに大和書房)『男子家事 料理・洗濯・掃除の新メソッド』(マガジンハウス)『おひとりさまの老後を楽しむ処方箋』(主婦の友社)など多数。

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