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玉木宏×中村文則 気鋭の作家と実力派俳優のオフとは!? [with]

2018年02月19日(月) 18時00分配信

撮影/柏田テツヲ

俳優の玉木宏さんが今回挑戦したのは、海外でも高い評価を得る芥川賞作家・中村文則さん原作(講談社文庫刊)の映画『悪と仮面のルール』。

この作品で出会ったお二人に、見どころやオフなどについて語ってもらいました!
【玉木宏さん(以下、玉木)】 実はお会いする前は、「あれほどダーティな世界を描く方とは、いったいどんな方なんだろう。さぞかし、不幸せな印象の方に違いない」と思っていたんです(笑)。でも、実際はとても明るい印象で、びっくりしました。

【中村文則さん(以下、中村)】 それ、よく言われます。でも、向上を続けるためには、逆に幸せじゃない方がいいと思うこともあります。

(玉木) それは、すごくわかります。

(中村) 初対面のときは、ラブシーンの撮影中にお邪魔してしまったものだから、「カット」がかかるたびに上半身裸の玉木さんが僕のところにきてくれて、また撮影が始まったら戻って演技して、という状態。「集中してください、僕はすぐ帰りますから」という感じでした(笑)。実際行ってみて、「俳優さんは、いつもこんな緊張感の中で仕事をしているんだなあ」と。

(玉木) 撮影に入る前は、役についてあれこれ考えるんですけど、現場に入ると自然と生まれてくることも多いんです。それに僕は、カットがかかると、すぐに自分に戻れるタイプなんです。中村さんは、オフは何をされていますか?

(中村) いつも、その時書いている小説について考えているので……。オフはないですね。

(玉木) そうなんですね! 僕は作品がひとつ終わると、何も考えない時間をつくります。祖父の住む島に行って、のんびりすることも。それでリセットして、次の現場に入るんです。

(中村) 今回演じたのは、「悪」になりきれない主人公ですよね。その加減を、作中ずっと表現しなきゃいけない。自分で書いておいてなんなのですが、「大変なんだろうなあ」と思って観ていました。

(玉木) でも、悪は誰しも心の中にもっているものですから。それを抑えてくれていたのが、ヒロインへの愛なんですよね。

(中村) 映画のラストはもう泣きそうで。でも、原作者が泣いてたら「自分大好きな人」みたいじゃないですか(笑)。だから「やめて、玉木さん。もうしゃべらないで。泣いちゃうから!」と心の中で実は、祈ってました

(玉木) 悪を描いた映画なのですが、純愛映画なんですよね。誰かを純粋に好きでいることの素晴らしさに、強く気づかせてくれる映画なので、そこらへんを楽しんでほしいですね。

PROFILE

玉木宏
1980年愛知県生まれ、1998年俳優デビュー。2001年公開の映画『ウォーターボーイズ』で注目を集め、NHK連続テレビ小説『こころ』、テレビドラマ『愛し君へ』など次々と話題作に出演する。2006年の『のだめカンタービレ』の千秋真一役で、さらに多くのファンを獲得した。その後も映画『真夏のオリオン』、『探偵ミタライの事件簿』など多くの作品で活躍。2018年『ラブ×ドック』『ラプラスの魔女』が公開予定。

中村文則
1977年愛知県生まれ、福島大学行政社会学部応用社会学科卒。2002年『銃』で新潮新人賞を受賞し、デビューを飾る。2004年『遮光』で野間文芸新人賞、2005年『土の中の子供』で芥川賞など。人気バラエティ番組「アメトーーク!」の「読書大好き芸人」たちからも絶大な支持を得ているほか、海外からの評価も高く、日本人としては初めて米国のデイヴィッド・グーディス賞を受賞している。

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