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【人生Q&A】離婚を決意したけど、不安で円形脱毛症になりそうです [mi-mollet]

2018年01月15日(月) 14時00分配信

mcnkさんからの質問
Q. 夫との生活に疲れ果て離婚を決意したものの不安でまた円形脱毛症になりそうです……

40代最後の年に13年連れ添った夫と離婚する決意をしました。子供はいません。私の住まいが決まり次第、10歳の愛猫を連れて出て行きます。夫に対して「好き」という気持ちはなく、セックスレス&会話なしの生活に、昨年から円形脱毛症になるほど苦しんでいたので、この決意は私にとって明るい未来への第一歩だと思っているものの、ふとした時に50歳で独り身になることに不安を感じてしまいます。仕事はここ数年派遣社員としてフルタイムで働いており、幸い、直接雇用をしてくださるとのことでそれなりの収入は得られますが、生活レベルは下がり、いつか愛猫が旅立って独りになってしまったらどうしよう、このまま一生独りなの?と不安に思い始めると胸がズンと苦しくなり、離婚の選択は間違いだったのだろうか、どうして自分だけが不幸なのか、と思ってしまうことも……。夫から慰謝料をもらうわけでもなく、貯蓄もあまりなく、この先、ちゃんと生活をしていけるのか、何を生きがいに生きていけばよいのか、どのようにしたら新しい生活に向けて前向きになれるのか、いろいろ考え始めるとまた円形脱毛症になりそうで怖いです。こんな弱い私にアドバイスをいただけたら幸いです。(49歳)

特別ゲスト 金子稚子さんの回答
A. 長寿時代の今、まだまだ人生は長い。新たに一生付き合える仲間ともたくさん出会えますよ。

私も45歳で夫を亡くし、子供も猫もいませんでしたから、お気持ちはとてもよく分かります。ですが、男性が80.98歳、女性が87.14歳という平均寿命を見ても、多くの女性が配偶者を先に亡くすということが分かります。mcnkさんは50歳を目前にしての離婚とのことですが、もっと年齢がいって、60代70代で夫を亡くす方もたくさんいらっしゃいます。「どうして自分だけが不幸なのか」と書かれていましたが、決してそうではないと思いますから、過剰に不安だけ見つめられることは避けられると良いかもしれませんね。

今や人生100年とも言われる時代。mcnkさんはまだ49歳ですから、これから新たに、一生付き合えるような仲間と出合うことはたくさんあると思いますよ。私は夫の看病で仕事を辞めましたから、夫の死後、仕事の人間関係も妻としての人間関係も、すべて一旦途切れてしまったように感じました。ですから今の人間関係は一から作り直したものと思っていますが、夫との死別後に出会った仲間には、「自分が死ぬときにそばにいてもらいたい」と思えるような友人もいます。苦しい経験をしたからこそ、共有できる仲間を見つけられたと思うのですよ。

ちなみに夫との死別後に出会った人の中には、私が「こんなふうになりたい」と思うような方がいらっしゃいます。彼女は夫の命日が同じ“命日友達”。現在86歳ですが、本当にフラットな方で、30歳以上も下の私の話を目をキラキラさせて聞いてくれます。好奇心旺盛で、海外にもどんどん行かれている。80代にして独り身になられたのですが、「だからこそ残りの人生は私らしく生きていく」と体現されていて、まさに私にとって“明るい未来”のお手本的存在なのです。もちろん、「不安を見るのはやめましょう」と言っても、そんなに簡単なことではないと思います。ですから不安は不安として持ったままで、同時に、不安とは違う“明るい未来”に目を向ける、ということもしてほしいと思うのです。

生き甲斐だって、慌てて見つける必要なんてまったくないと思います。これは私が夫との死別後、抜け殻のようになったときにおこなったことですが、一つ一つ目の前のことを丁寧にしてみてください。風を感じながら歩く、しっかりと噛んで食事をいただく、などと……。ひとつひとつの動作を丁寧におこないながら過ごしていると、それじたいが大切な時間だと感じられることも。私はそうやってゆっくりと自分を取り戻していきました。生き甲斐なんてそこらじゅうにありますから、一歩一歩丁寧に生きているうちに、たくさん見つかると思いますよ!

余談ですが、これからは100歳まで生きることも珍しくないという長寿社会に入っていきます。そんな社会で、たった1人のパートナーと70年80年もやっていくというのは少々無理があるのではないかと、私は思い始めました。もちろん「一生続く関係」もあると思いますよ。でも、子供を育てるパートナーと、老後をともに歩くパートナーとでは、もしかしたら相性が違うかもしれません。そんなときは途中でチェンジしたり、一人に戻ってみたりしても、アリなんじゃないでしょうか。100年という長さは、そういうことを許してくれるようにも思うのです。しかも、人は変わるもの。自分も変わりますし、配偶者も変わります。「死が二人を分かち合うまで」という価値観に縛られて、無理して添い遂げなくても良いのではないかと思う今日この頃です(笑)。
いかがですか?
金子稚子さんの回答、ぜひご参考になさってください。

PROFILE

金子稚子(かねこわかこ)
1967年生まれ。終活ジャーナリスト。終活ナビゲーター。一般社団法人日本医療コーディネーター協会顧問。雑誌、書籍の編集者、広告制作ディレクターの経験を生かし、死の前後に関わるあらゆる情報提供やサポートをおこなう「ライフ・ターミナル・ネットワーク」という活動を創設、代表を務めている。また、医療関係や宗教関係、葬儀関係、生命保険などの各種団体・企業や一般向けにも研修や講演活動もおこなっている。2012年に他界した流通ジャーナリストの金子哲雄氏の妻であり、著書に『金子哲雄の妻の生き方~夫を看取った500日』(小学館文庫)、『死後のプロデュース』(PHP新書)、『アクティブ・エンディング 大人の「終活」新作法』(河出書房新社)など。編集・執筆協力に『大人のおしゃれ手帖特別編集 親の看取り』(宝島社)がある。

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