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【人生Q&A】職場に憎くてたまらない人がいます。どう対処すべき? [mi-mollet]

2018年01月10日(水) 11時00分配信

さとさとさんからの質問

Q. 憎くてたまらない人がいます。対処法について努力していますが、なかなか上手くいきません……。

どうしても、憎しみを消すことのできない、認めることのできない人について悩んでいます。職場の年上の人に、そういう人がいます。もともと相性が悪いのもあると思いますが、私だけでなく他の人にも、話をすべて聞かず自分の勘違いで怒り出します。それを制止できる人はいません。特殊な世界で誰も言えない状況です。数年単位でみんな部署を変わるので、時がたつまで我慢したり、それぞれでその人に対する言い方、接し方を学び対処している状況です。その人がなぜか気に入っている部下もいて、他の人に怒鳴り散らした後、気に入ってる部下にごまをすったり。見ていて耐えられなくなります。いろいろ対策を調べると、「自分の気持ちを切り替える」、「立ち位置を変える」などあり実践しようと思いますが、うまくいきません。本当にまいっています。(41歳)

特別ゲスト 金子稚子さんの回答

A. 理不尽な言動も、良い言動も「今だけの症状」として観察すれば、理由を探さなくなり、少しラクになれるかもしれません。

お悩みを拝見しまして、さとさとさんは「困った性格の人」というふうに書かれていますが、私は一種の病気ではないかと感じました。実は私は、精神科クリニックの顧問も務めさせていただいているのですが、そこでいろいろなことを学んでいく中で、精神疾患についての見方も変わりました。たとえば、私たちが「困った人」と感じている人の中には“パーソナリティ障害”という病気の方が含まれている可能性があることも、その理由の一つです。でもこれは、素人が診断することはできません。できればその方には一度専門の病院で診てもらってほしいくらいですが、そんなお願いもできませんよね。では、どうしたらいいのか。私は精神科クリニックで学ばせていただいているうちに、医療職の方たちが「私たちでも参考にできるのではないか」という行動をしていることに気がつきました。それをお伝えさせていただければと思います。

「困った行動をする人」に対して、私たちはついつい「なぜこんなことをするんだろう?」と理由を探してしまいます。でも精神科のお医者さんや看護師さんは、理由の前に、まずその「言動」を注意深く観察します。それは正確な診断に必要だからなのですが、その“観察する”というアプローチが、さとさとさんのような苦しみを抱える人に役立つかもしれません。観察法を具体的に言いますと、見ること「なるほど、今はこういう行動をしているんだ」とだけ受け止めるのです。たとえば、その困った人が「お前がこうだからこうしているんだ!」などと理由を言ったとしても、何も考えず感じず、ただ「なるほど、そうなんですね」と観察する。場合によっては記録してもいいかもしれません。でも多くの人はここで、探し出してしまう。そうするとその人の困った行動に気持ちが巻き込まれてしまうのです。
また、もしもその困った人の攻撃の対象になってしまった場合の対応もお伝えしたいと思います。

精神科の先生に教えてもらったのは、「苦痛な存在や環境からは、逃げるのが最善の策である」というものでした。ですからさとさとさんがこの方に恐怖を感じているのでしたら、会社を辞めるのがベストだと思います。ですが、ご相談には「会社を辞めたい」ということは書かれていませんでしたから、そこまでは考えられていないのだと思います。ならばせめて部署の異動希望を出してみてはいかがでしょう? あまり我慢してしまうと、さとさとさん自身が体調を崩してしまうかもしれませんから、大変心配です。

私は死に関わる仕事をしていますが、感情に関しては、悲しみより怒りや憎しみを抱えて生きることのほうが辛い、と感じています。憎しみは、それによって自分自身がまいってしまうから持ち続けていられない、と言われるほど強い感情でもあります。さとさとさんも、このまま憎しみを持ち続けてしまうと、いつか自分の毒に自分自身がやられてしまうかもしれません。そんな人のせいで自分が心身を病んでしまうなんて、とてももったいないこと。簡単ではないと思いますが、何とかその憎しみの感情を手放せるよう、できる策をとっていただけたらと思います。

PROFILE

金子稚子(かねこわかこ)
1967年生まれ。終活ジャーナリスト。終活ナビゲーター。一般社団法人日本医療コーディネーター協会顧問。雑誌、書籍の編集者、広告制作ディレクターの経験を生かし、死の前後に関わるあらゆる情報提供やサポートをおこなう「ライフ・ターミナル・ネットワーク」という活動を創設、代表を務めている。また、医療関係や宗教関係、葬儀関係、生命保険などの各種団体・企業や一般向けにも研修や講演活動もおこなっている。2012年に他界した流通ジャーナリストの金子哲雄氏の妻であり、著書に『金子哲雄の妻の生き方~夫を看取った500日』(小学館文庫)、『死後のプロデュース』(PHP新書)、『アクティブ・エンディング 大人の「終活」新作法』(河出書房新社)など。編集・執筆協力に『大人のおしゃれ手帖特別編集 親の看取り』(宝島社)がある。

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