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【人生Q&A】 女は若くないと意味がないという社会の空気に折り合いがつけられない [mi-mollet]

2017年12月27日(水) 14時00分配信

magokoさんからの質問
Q. 女は若くないと意味がないという社会の空気に折り合いがつけられません。

40代になりました。気持ちは若いと自分で思っていても、体力も肌も、やっぱり歳はとったなと自分でも感じます。歳なんて関係ない、何事も諦めたら終わりだと思い、自分なりに頑張っています。しかしどうしても会社や世の中はまだまだ男社会。女は若くないと意味がない、みたいな風潮がバカらしい。みんな歳はとるんだよ!と頭では分かっていても、どうしても許せません。だからといってイライラしながら生活するわけにはいかず、モヤモヤしたまま生活してなんだかスッキリしません。やはり世の中は変わらないのでしょうか。(41歳)

特別ゲスト 金子稚子さんの回答
A. 10年前に超高齢社会に突入した日本。そろそろ“若い”ということの基準が変わってくると思います。

magokoさんは「世の中は変わらないのでしょうか」とモヤモヤされていらっしゃるようですが、私は「世の中は変わる」と思っています。なぜなら日本はこれからもっと、超高齢化が進むから。社会の中に「高齢者」がさらに増えてきますから、「若い」の意味合いが変わってくると思うのです。magokoさんはおそらく、今20、30代の人が多い環境にいらっしゃるから、41歳にして若くないと感じているのでしょうが、60、70代が中心の場なら「若い若い」ともてはやされますよ(笑)。

同時に私は、これからの女性たちは歳をとっていくことを楽しむ気持ちを持つことも大切だと思っています。たしかに男社会は、若い女性を良しとする風潮がありますが、そこまで腹を立ててしまわれるのは、私はmagokoさんのほうが若さに執着されているからではないかと感じました。「諦めたら終わりだと自分なりに頑張っている」と書かれていましたが、そんなに頑張らなくてもいいと思うのですよ。私自身、日に日に白髪が増えていっていますが、「いつか真っ白に変わるのかなあ」と変わっていく自分を楽しみにしているところもあります。なぜならそれは、未知の自分ですから。年々足腰も弱ってきていますし、虫刺されも治りにくくなっていますが(笑)、変わることすべてを楽しもうと思っているのです。

そして同じように、magokoさんと同世代の男性も歳をとって苦労が増えているはずです。でも「男性」というメガネだけで見てしまうと、どうしても「若い女性を良しとする」と腹が立ってしまうと思うのですね。けれどもそのメガネを外して、「同世代」というメガネをかけて見たならば、「お互い、白髪が増えたよね」「虫刺されも治りにくくなったよね」などと労り合える友達になれるのではないかと思うのです。

ただし、こと女性のキャリアに関しますと、東京都知事の小池百合子さんも「鉄の天井がある」とおっしゃっていたように、年齢を重ねると厳しいものがあると思います。実際に、50代以降のキャリア形成をどうしたらいいかって、描きにくいですよね? 社会は女性の管理職を増やそうとしている、という話も耳にしますが、現実はまったくといっていいほど進んでいません。だからこそ、そこをmagokoさんの世代に変えていってほしいと思うのです。年齢を重ねたからこそできることがある、と進んでいけば、後輩たちのキャリアモデルになっていける可能性があると思うのですが、そこで諦めてしまうと、「歳だから評価されないんだ」と恨みつらみだけになってしまうと思うのですよ。

先日、学会発表で、1971年生まれの日本人女性の5人に1〜2人は100歳以上生きる、という推計を聴きました。magokoさんの年齢だったら、あと60年あるということ。そうなると、「若いって何?」と思いませんか? これからの時代、「20代が若い」と考えるのは、もうとっても古いかも。だからそんなことを言っている男性は「ふるっ!」と流して、未来のほうを見てください。実際、私が終活ジャーナリストとして見ている限り、会社をリタイアしてからの人生は、男性のほうが前を向けずに苦しそうです。若さにこだわるのは、後ろを向いて生きるということ。長い人生、そんなもったいないことをせず、前に向かって歩いてほしいと思います!
いかがですか?
金子稚子さんの回答、ぜひご参考になさってください。

PROFILE

金子稚子(かねこわかこ)
1967年生まれ。終活ジャーナリスト。終活ナビゲーター。一般社団法人日本医療コーディネーター協会顧問。雑誌、書籍の編集者、広告制作ディレクターの経験を生かし、死の前後に関わるあらゆる情報提供やサポートをおこなう「ライフ・ターミナル・ネットワーク」という活動を創設、代表を務めている。また、医療関係や宗教関係、葬儀関係、生命保険などの各種団体・企業や一般向けにも研修や講演活動もおこなっている。2012年に他界した流通ジャーナリストの金子哲雄氏の妻であり、著書に『金子哲雄の妻の生き方~夫を看取った500日』(小学館文庫)、『死後のプロデュース』(PHP新書)、『アクティブ・エンディング 大人の「終活」新作法』(河出書房新社)など。編集・執筆協力に『大人のおしゃれ手帖特別編集 親の看取り』(宝島社)がある。

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