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【親子関係Q&A】興奮したら自制できなくなる娘に冷静に対処できません [mi-mollet]

2017年12月07日(木) 14時00分配信

さえこさんさんからの質問
Q. 興奮すると自制が効かない娘。私は幼少期に虐待を受けてきたせいか、そんな娘に我慢がなりません。

小学校高学年の娘はおそらく発達障害、あるいはグレーゾーンだと、夫も私も思っています。学習面はかなり発達していますが、運動面・身体面はかなり遅れており、強いこだわりをもっています。問題なのは、興奮したときに、自制が効かないことです。そのため、怒ったときはもちろん、嬉しいときにも手が出ます。ただそれは、私に対してだけです。私は幼少期から父親に殴られて育ちました。2階にある自分の部屋に逃げても、父親の力では易々と開けられて、私がベッドの上に転んでも殴られ続けました。1階には母も父方の祖母もいましたが、助けを求めなかったのは、母もまた私に暴言を吐く人だったのと、祖母は弱い人だったため、味方にはなってくれることはないだろうと子どもなりに思ったからです。そういう幼少期があったため、娘が力を込めて腕をつかんできたり叩いてくると、許せない気持ちになります。たとえば娘はピアノがとても上手に弾けたとき、大喜びして私の腕や肩を強く掴んできたため、逆に私は怒ってしまいました。娘は「ごめんなさい」と謝ったのですが、普通の親子なら喜び褒めるところがツラいことになってしまう……。何とかならないかと悩んでおります。私がもし暴力を受けずに育っていたなら、娘から叩かれたりしても冗談ぽく受け流せるのだろうか……、そんな母親ならこの子の習癖もおさまるのだろうか……、とも考えます。ちなみに私は娘に手をあげたことはありません。私と両親の関係も今は修復しており、父母から受けた暴言に対する心の傷も修復していると思っております。(48歳)

特別ゲスト 信田さよ子先生の回答
A. お嬢さんの言動を発達障害や被虐待歴といったことと結びつけず、まずは冷静にたしなめることに集中されてください。

さえこさんにしていただきたいのは、自分が親から受けた虐待と、自分と子供との関係とを、分けて考えられることです。今はごっちゃに捉えられてますが、大事なのはお嬢さんへの対応のみなのです。でもこの二つががごっちゃになると、対応が混乱してしまうのですよ。ですから理想論を申しますと、自分が親から受けた虐待に関しては、それはそれできちんとカウンセリングを受けて話をする。その一方で、毎日お嬢さんとどのように接するかということは、まったく別の問題として考えるのです。

ではどのようにお嬢さんに対応されるのが良いか……。お嬢さんはグレーゾーンの発達障害とのことですが、専門家がどう言ってるかまでは分かりませんでしたから、発達障害だという前提でお答えするのは難しいところがあります。ただ、家の中だけでなく学校でも問題行動があるのだとしたら、すでに学校の先生からそういったことを伝えられているのではないかと思うのですね。でもそのようなことはこちらのお悩みには書かれていませんでしたから、そこまで重症ではないのではないかと推測させていただきました。

ですがお嬢さんは、興奮したときに自制がきかないとのこと。さえこさんを叩いたりもするのですよね。ならば「それは暴力だよ」とか、「嬉しい気持ちは分かるから、言葉で伝えてごらん」とか、そのようなカタチで対応されてみてはいかがでしょうか。お嬢さんの興奮に巻き込まれて、「もしかしたら私の虐待歴が……」という方向に考えすぎず、とりあえず冷静になって言葉で返す、ということをまず繰り返されてほしいと思います。お嬢さんに手をあげられているわけではないですし、ご両親との関係も修復されているとのことですから、発達障害とか自分の被虐待歴などに広げず、ただお嬢さんの言動に冷静に対応する、ということに集中したので良いと思うのですよ。

このようにある方向から親が子供を見ますと、その親のメガネをとおして子供を作ってしまう、ということがあるのですね。「自制がきかない子だ」と思って見ますと、もう、そういう目でしか見られなくなってしまう。そこでお勧めしたいのが、肯定的表現に言い換えることです。これはよく専門家がとる方法なのですが、たとえばこの「興奮すると自制がきかない」ということも、「楽しいと感情が抑えられなくなるんですよね」とか「嬉しいときの表現がすごく豊かなんですよね」とか言い換える。まだ小学生ですから、そういうふうに肯定的に捉えていたので構わないと思うのです。

そして気になるのは、さえこさん自身の不安です。自分の生育歴が子供に影響してやしないか……、という不安をずっと抱えて子育てをされてきたのではないでしょうか。だから子供に手をあげることもなかった。でも、感情の抑制がきかないところを見て、「もしかしたら自分の虐待歴が影響してるのかも」という不安が増してるのでは……。お嬢さんを虐待してないことも、ご両親との関係を修復されたことも、本当に立派なことだと思います。でもその不安は、簡単には拭えないと思うのですね。ですからその不安を、夫に話してみましょう。誰か信頼できる人でもいいですね。そうして「大丈夫だよ」と言ってもらうことで不安を和らげつつ、お嬢さんが中学生になるくらいまでは様子を見られても良いのではないか、と思います。
いかがですか?
信田先生の回答、ぜひご参考になさってください。

PROFILE

信田 さよ子(のぶた さよこ)
1946年岐阜県生まれ。臨床心理士。お茶の水女子大学大学院修士課程修了後、病院や相談室勤務を経て、1995年に原宿カウンセリングセンターを設立。アダルトチルドレン、DV、虐待、アルコール依存症など豊富なカウンセリング経験から、家族の問題に対して提言をおこなっている著書に『母が重くてたまらないー墓守娘の嘆き』(春秋社)、『母からの解放 娘たちの声は届くか』(集英社)、『家族のゆくえは金しだい』(春秋社)など。

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