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『彼女がその名を知らない鳥たち』蒼井優が初めてした演技とは? [with]

2017年12月03日(日) 20時00分配信

(C)2017映画「彼女がその名を知らない鳥たち」製作委員会

公開中の『彼女がその名を知らない鳥たち』。別れた昔の恋人を引きずる30歳の女子が主人公の恋愛ものでありサスペンス、同世代のwith読者にはぜひぜひ見てもらいたい作品です。宣伝文句には「登場人物が全員共感度0%」という文字があり、すごいなーと思うのですが、特にすごいのは蒼井優さん演じるヒロイン、十和子。冒頭からデパートにすごいたちの悪いクレーム電話を入れていて「え、これ蒼井優?」とびっくりします。

(C)2017映画「彼女がその名を知らない鳥たち」製作委員会

蒼井「結果嫌われてしまう役はやったことがあったんですが、自分から嫌われにいく演技をするのは初めて。そういうことができるのが、この役の魅力でした。勝負は嫌われる勇気をどこまで持てるか。でも実際にやってみると、その『どこまで』の線引きは難しかったですね。ほっておけばどこまでも嫌われてしまう役なので」

映画はこの十和子の恋愛を描いてゆきます。彼女の周りで描かれる男は3人。同居する陣治(阿部サダヲ)と、陣治の陰で逢っている妻のある男・水島(松坂桃李)。そして回想で登場する、イケメン金持ち風の昔の恋人・黒崎(竹野内豊)です。金持ち、おしゃれ、イケメンというタイプにわかりやすく騙されちゃう十和子は、黒崎に手ひどい仕打ちを受けて別れているにもかかわらず、まったく同じタイプの水島に再び引っかかっています。

(C)2017映画「彼女がその名を知らない鳥たち」製作委員会

蒼井:十和子は自分が黒崎に見合う女だと信じて生きていますが、実際はそうじゃない。現実を見ようとせず、夢みたいな未来ばかり追ってしまっているんです。彼女はすごく愚かな上に心があまりに乾ききっていて、水が一滴でも落ちてきたら反射的に吸いついてしまうようなところがあって。なのに、なにひとつ前に進まない黒崎や水島との関係の中で、さらにどんどん乾いていくんです。実のところ悪い男に騙されていることも、誰が自分に合っているのかもわかっているんだけど、そういう思考に全部蓋をしてしまうんです。

さて、残りの男、陣治はどういう男かと言えば、このふたりのイケメンとは正反対の小汚いシケた男で、十和子は彼を常に蔑み、口汚く罵します。でもそういうすべてをひっくるめて、陣治は十和子を愛し守っています。こうして書くと100人中100人が、「十和子を愛しているのは陣治しかいない!」と言うと思うのですが、本当にそうなのか?という思いに陥るのが、この映画の面白さ。
蒼井:陣治の十和子への思いは何なのか。これが愛なのかどうか、私にはわからないし、愛と呼べることが必ずしもいいワケではないとも思いました。この問いについてずっと考えているんですが、たとえ今日はこう思ったとしても、明日にはまた変わっている気がします。愛なんて、その時の気分や心持で変わってしまうもののように思えます。

映画を観た後は「愛って何?」を絶対に語り合いたくなる作品。友達と、恋人と、ぜひぜひご覧くださいませ!
『彼女がその名を知らない鳥たち』絶賛上映中!
文/渥美志保

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