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【家族関係Q&A】幼い頃の虐待を理由に、悪い点を直さない夫。どう接すればいい? [mi-mollet]

2017年11月28日(火) 14時00分配信

ももにゃんこさんからの質問

Q.思いやりのない夫。幼い頃の虐待が原因だと言いますが……。

私の夫は幼い頃両親が離婚し、2歳頃から継母に虐待を受けながら育ったと本人は言います。5歳で弟が生まれると、継母は「この家の長男はこの子だから」と食事も満足に与えてもらえず、いつも神棚にあげていた昨日のご飯を食べさせられたり、食事が終わると団欒に参加させてももらえなかったそうです。小学校高学年以降は、継母が「大きくなったから自分がやられる」と思ったのか、あることないこと父親に言いつけ、毎日木刀を持って子供部屋に来る父親の足音に怯えていたと……。数年前に父親は亡くなりましたが、どんな気持ちで俺を殴っていたのか聞きたかったけど聞けなかったのが悔しい、と言ってました。こんな経験のせいか、付き合ってきた女性からはほぼ全員に「思いやりがない、自己中」と言われたそうです。本人は思いやりが何なのか、どういうものなのか分からないと申します。一度、精神科医を受診しましたが、「何にも異常はないです」と言われただけでした。でも、この人といるとこっちが参ってしまいそうです。風呂に入らない、歯磨きもしない、どんなに嫌だと訴えても絶対に自分がやりたくないことはしません。もう2年から3年くらいセックスレスですが、話し合いに応じてくれませんので理由も全く分かりません。プライドが高く、自分が悪いと思うことは一切話さず、明らかに相手が悪いことだけは話します。そういうことを繰り返されているうちに私は、「本当に虐待だったのか、もしかしたら人のせいにしたくて言ってるだけではないか」と思ってしまったりするほどです。今後どのように接していけばいいのでしょうか? 離婚も考えたりしますが、気づいてほしいし改善する方法があるならと思って相談させていただきました。(53歳)

特別ゲスト 信田さよ子先生の回答

A.夫の被虐待歴とももにゃんこさんが現在困っていることは、分けて考えましょう。

ももにゃんこさんは、夫の自分に対する様々な行為にすごく悩まれているのですね。でも夫からは「自分は継母に虐待されていた」と聞かせられる。そうすると、「虐待だとしたら許してあげないといけないのかな」と思い、苦しまれているのですね。


まずは褒めて差し上げたいなと思ったのですが、ももにゃんこさんはこれまで長い間、夫の虐待された経験を妻として親身に聞いてあげてこられたのですよね。それは本当に大切なことでしたし、夫は妻に感謝しなければいけないことだと思います。世の中には話を聞いてくれない妻(もちろん夫も)も多い中で、ここまで聞いてあげているというのは、本当に優しい妻だったと思います。

もちろん夫の過去にそのことは影響しているかもしれません。でもももにゃんこさんが今困っているのは、現在の夫の行為なんですよね? セックスレスだし、話し合いも応じてくれないし、生活習慣もメチャクチャだし……。ですからまずは、そういったことに本当に困ってるんだ、と伝えてみててください。そのとき夫が、「俺は虐待されていたから」と言ったら、「それはアナタの問題。だからといって、私の毎日の生活の『とても困っている』という思いは変わらないわ」とも伝えてほしいのです。そして、「アナタの虐待された経験は、ちゃんとカウンセリングに行って話を聞いてもらったほうがいいと思うわ」というふうに言ってみましょう。つまり、ももにゃんこさんが今困っていることと、夫の過去の経験と、この2つの問題を分けるということが肝心なのです。

実際に夫は、自分の被虐待歴を妻にとりとめもなく話すだけでなく、今後の人生のためにもきちんと専門家に話して、自分の生育歴を整理することが大切だと思います。その専門家とは、やはりカウンセラー(心理相談)が良いかと思います。夫は精神科にかかられているとのことですが、精神科は心のケアをするというより、病気を見つけて薬を出すことのほうが主体ですから。夫の抱えている問題は、病気ではなく記憶です。そしてそれは、カウンセリングの対象なのです。精神科とカウンセリングはまったく違う、そこはとても重要なポイントなのです。

きちももにゃんこさんが、夫と共同生活していくうえで困ることがいっぱいあるときちんと訴えることは、全くもって間違っていません。勇気がいることだと思いますが、二人の今後のためにも一歩踏み出してみてほしいと思います。

いかがですか?
信田先生の回答、ぜひご参考になさってください。

PROFILE

信田 さよ子(のぶた さよこ)

1946年岐阜県生まれ。臨床心理士。お茶の水女子大学大学院修士課程修了後、病院や相談室勤務を経て、1995年に原宿カウンセリングセンターを設立。アダルトチルドレン、DV、虐待、アルコール依存症など豊富なカウンセリング経験から、家族の問題に対して提言をおこなっている著書に『母が重くてたまらないー墓守娘の嘆き』(春秋社)、『母からの解放 娘たちの声は届くか』(集英社)、『家族のゆくえは金しだい』(春秋社)など。

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