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まぶたが下がる「眼瞼下垂」メイクオフ・花粉症…目の擦りすぎは要注意! [おとなスタイル]

2017年11月17日(金) 10時00分配信

ただのたるみではない、見えづらさ 知っておきたい「眼瞼下垂(がんけんかすい)」

イラスト/湯屋ナツ児(BOOM media communications inc.)

ただのたるみではない、見えづらさ 知っておきたい「眼瞼下垂(がんけんかすい)」

クマもシワもたるみも、エイジングによる見た目の美容問題ととらえがちですが、まぶたのたるみの先には“ものが見えづらい”とか“目が開きにくい”という『眼瞼下垂』と呼ばれる症状に進む可能性も。
これは視界の機能障害にあたり、診断基準を満たせば保険適用で治療ができます。
「たるみや眼瞼下垂の改善は、美容的な観点からだけでなく、頭痛や肩こり、疲労の改善など、健康面にも有効です」と言うのは形成外科医の中北信昭さん。
眼瞼下垂の治療を受ける人は50代から増加するという調査結果もあります。目もとの変化を知って、美容面だけでなく、視覚機能も含めて、対策を伺いました。

■形成外科医がお答えします!

自由が丘クリニック 総院長 中北信昭さん
美容外科全般を担当する形成外科・美容外科(JSAPS)の専門医。小児先天異常や顎変形症の手術経験が豊富で、顔面骨格形成手術を最も得意としている。カウンセリングはわかりやすく丁寧。
Q.「目もとのたるみ」と「眼瞼下垂」は何が違うの?

右が眼瞼下垂になったまぶたの断面。赤で示した挙筋腱膜の弾力が低下して伸びた状態に。皮膚もハリが低下していると、まぶたが黒目にかかり視界にも問題が。イラスト/湯屋ナツ児(BOOM media communications inc.)

Q.「目もとのたるみ」と「眼瞼下垂」は何が違うの?

A.「たるみ」は皮膚、「眼瞼下垂」は眼瞼挙筋腱膜に原因があります


美容的なまぶたのたるみは皮膚のゆるみで起こりますが、眼瞼下垂は、内部の腱膜組織の機能低下。
「皮膚の下にはまぶたを閉じる筋肉(眼輪筋)、脂肪があり、さらにその奥にまぶたを開く上眼瞼挙筋とそれに繋がっている挙筋腱膜という組織があります。
眼瞼下垂とは挙筋腱膜のゆるみでまぶたが開けにくくなる状態のこと。医学的に言えば、眼瞼下垂=まぶたのたるみ、ではありません。見た目の問題だけでなく、まぶたの下垂によって、視界が狭くなる、頭痛や肩こり、不眠などの不調が現れるなど、生活に支障が出ている場合は、単なるたるみではない可能性もあります」(中北さん)
二重と一重の眼瞼下垂の進行

イラスト/湯屋ナツ児(BOOM media communications inc.)

二重と一重の眼瞼下垂の進行

まぶたが下がり黒目の瞳孔にかぶさると、視界が狭まりものが見えにくくなる。二重の場合は幅が変化したり、三重以上になることも。

眼瞼下垂は体調にも影響します

まぶたが下がると上方向が見にくくなるため、無意識に眉を持ち上げ、アゴも上げるように。それによって、首こり、肩こり、頭痛が起きやすい。我慢や不快感が精神的に影響する可能性も。
・頭痛
・肩こり
・首こり
・眼精疲労
・自律神経失調症
・不眠
・うつ、など

Q.どうして眼瞼下垂になってしまうの?

A.老化による腱膜や筋のゆるみ、まぶたへの刺激も原因

「眼瞼下垂の発症には大きくふたつの原因があります。ひとつは老化によって上眼瞼挙筋や挙筋腱膜の弾力が低下してゆるむこと。もうひとつは、まぶたをこする刺激です」(中北さん)
花粉症などで目がかゆいとき、目をこすっていませんか? また、アイメイクをオフする際にも力を入れてクレンジングしていませんか? 強くこすると上眼瞼挙筋や挙筋腱膜にダメージが……! 目をこするのはご法度です。また、コンタクトレンズを装着、脱着する際やつけまつ毛を外すときに、まぶたを強く引っ張ることも眼瞼下垂を引き起こす一因とされています。

クレンジングは目もとにやさしいものを
落ちにくいアイメイクは、目もとに負担を与えずに落とすことが大切。ウォータープルーフタイプもスルッと落とせるクレンジング力と低刺激性を兼ね備えた製品を選んで、コットンは肌あたりがいいものを使い、まぶたに3秒置いてメイクを浮かせてから、軽くやさしくなでるようにオフを。

こんな症状や習慣はありませんか!?

□ 上方のものが見づらい。下方を見るほうがラク
□ まぶたを開けるとき、額に力が入る
□ ものを見るときにアゴを上げるようになった
□ 額の横ジワが増えた、深くなった
□ 眉の位置が高くなった
□ 眉と目の間が以前より広がった
□ まぶたが下がって、黒目にかかってきた
□ 眉の形が昔と変わってきた
□ 写真の自分は以前より眠そうな目だ
□ ハードコンタクトレンズを長年使用している
□ アレルギーのかゆみで、目をこすることがある
□ つけまつ毛を愛用している
□ 目もとのクレンジングは丁寧ではないかも

チェックが多いほど眼瞼下垂の可能性は大。
でも、皮膚のたるみだけなのか、挙筋腱膜が伸びている眼瞼下垂なのかは医師の診断を受けましょう。

Q.どうやって治療するの?

A.上まぶたを切開して、ゆるんだ腱膜をA引き出して緊張を回復し、縫合します


「眼瞼下垂の場合、内側の腱膜のゆるみが原因なので、オペが唯一の治療法。挙筋腱膜を引き出して縫合することで張りを回復させ、まぶたを開けやすくします。保険治療でのオペでは、腱膜の機能を復活させることに重きを置きます。ですが、眼瞼下垂の方はまぶたのたるみも併存している人が多く、皮膚のたるみを同時に取り除くことも。さらに一重から二重を作る“二重形成”を行うことにより、たるんだ皮膚を折りたたんで仕上げるので、術後のまぶたのたるみ予防にもなると言われています」(中北さん)

イラスト/湯屋ナツ児(BOOM media communications inc.)

1.皮膚と筋肉・脂肪を包む隔膜を切開し赤で示した挙筋腱膜を切離。

イラスト/湯屋ナツ児(BOOM media communications inc.)

2.ゆるんだ挙筋腱膜を引き出し、不要な幅を切除する。

イラスト/湯屋ナツ児(BOOM media communications inc.)

3.挙筋腱膜をまぶたの先端にある瞼板(けんばん)に縫い付ける。

イラスト/湯屋ナツ児(BOOM media communications inc.)

4.必要に応じて皮膚のたるみぶんを切除し、切開部分を縫合。

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