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認知症になりやすい体質・生活習慣とは? [おとなスタイル]

2017年10月30日(月) 10時00分配信

認知症について今から知っておくことが大切。

超高齢社会を迎え、「認知症」への関心はこれまで以上に高まっています。
8年後の2025年には高齢者の約5人に1人が認知症になるという予測もあり、実はとても身近な病気。それなのに、 “認知症になると何もわからなくなる” “何もできなくなる” といった偏見も根強くあります。誤報や誤解も多いからこそ、認知症の治療に長年携わってきた医師たちが語る真実に、ぜひ目を向けてほしいのです。
自分や大切な人をどうしたら守れるか。そして、認知症になっても生きやすい世の中とは?
本当の意味の予防と治療、さらにお金のことまで、50代の今だからこそ、一緒に考えてみませんか。

認知症になるってどういうこと? わからなければ、向き合うことも、対処することもできません。
知っておきたいこと、50代のうちからできることなどを専門医に聞きました。

Q.なりやすい体質や生活習慣ってありますか?

A.生活習慣病は認知症の原因にもなる。さらに、心配しすぎも脳によくない

認知症最大のリスク要因は加齢ですが、ライフスタイルが発症率に影響するというデータもあります。
「同じ遺伝的背景を持つアフリカのヨルバ族の高齢者と、アフリカ系米国人の高齢者との比較研究で、米国在住者のほうが高確率で高血圧、糖尿病、脳卒中になり、アルツハイマー型認知症の有病率も高いことがわかりました。
高血圧、糖尿病、脂質異常症があると、アルツハイマー病の原因である脳のタンパクゴミが溜まりやすいという研究結果が出ています」(山口晴保さん)

また、「高血糖や高血圧の状態が続くと血管が老化し、脳血管障害から脳血管性認知症を起こす確率も高まります」(木之下徹さん)。
運動不足や高脂肪・高カロリーの食事、睡眠不足など、生活習慣病にかかりやすいライフスタイルは要注意。さらに、心配しすぎも悪影響を及ぼします。

「認知症になったらどうしようと悩んでばかりいると、ストレスホルモンが出て、脳の神経細胞を殺してしまうんです。あまり心配しすぎず、笑って暮らしたほうがいいですね」(山口さん)

体を健康にしておくことが大事
血管がキレイなら
認知症にもなりにくい

よく聞く、認知症のウソ・ホント

認知症は遺伝する △
認知症のリスクを高める遺伝子はあるが、確実になるわけではない。遺伝性の家族性認知症は、全体の数%にしかすぎない。

頭を使わないと認知症になる ×
人づきあいだけでも脳を使うので、あえて脳トレをやる必要はなし。心配しすぎると、神経細胞がダメージを受け逆効果。

太っていると認知症になりやすい △
肥満が認知症に直結するとは言い切れない。しかし、高血圧、高血糖、メタボなどが、認知症のリスク要因になるというデータも。

健康に過ごせば認知症にならない ○×
運動することで認知症のリスクを減らせる。でも、健康で長生きすればするほど、認知症になる確率は上がってしまう。
悪しき生活習慣が脳にゴミを溜めてしまう

イラスト/添田あき

悪しき生活習慣が脳にゴミを溜めてしまう

肥満、高血圧、高コレステロールが揃うと、認知症リスクが6倍になるというデータも。欧米型の食事やストレスも影響。

 

■Profile
認知症の専門医 山口晴保さん
認知症介護研究・研修東京センター センター長、日本認知症学会専門医。認知症の病理研究を30年続けた後、臨床研究に転向、認知症の実践医療や予防などにも取り組んでいる。近著に『楽になる認知症ケアのコツ』(技術評論社)、『認知症にならない、負けない生き方』(サンマーク出版)。

認知症の専門医 木之下徹さん
認知症の人の在宅医療に15年携わった後、認知症外来「のぞみメモリークリニック」を開院。認知症に対する偏見と日々向き合いながら、認知症の人やその家族に親身に寄り添う外来診療に尽力している。

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