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50代からのおしゃれレッスン「手持ちの服をすべて棚卸ししてみましょう」 [おとなスタイル]

2017年10月21日(土) 10時00分配信

熊倉正子さん。

80~90年代、たくさんの服を買うことがおしゃれだとされていた時代に「ワンシーズンの服はラック1本分で十分」といち早くミニマルなワードローブを提案し、日本の数々の女性誌で旋風を巻き起こした熊倉正子さん。
その後2000年に世界的なカリスマスタイリスト、カリーヌ・ロワトフェルド氏に請われてパリに渡り、仏「VOGUE」、「GUCCIグループ」のディレクターを歴任。卓越したファッションセンスとビジネスの手腕から“伝説のマサコ”と一目置かれる存在に。
そして今回、根強いファンの要望に応え、初めての著書『無駄のないクローゼットの作り方 暮らしも生き方も軽やかに』を書き下ろしました。
これまでの服が似合わなくなってきた、何を着たらいいのかわからない、と”服難民”に陥りがちな大人の女性に向けて、“ちょっと辛口、目からウロコ”のアドバイスを贈ります。

どんな服を持っているのか、隅々まで知ること

「着る服がない!」と嘆いている人は、まずは自分がどんな服を持っているのか、隅々まで知ることから始めてみましょう。
私は、シーズンの初め、クローゼットの中身をすべて出して、ベッドの上から床まで広げ、手持ちの服の“棚卸し”をするのが恒例行事。
もう何十年と毎シーズンやっているから、どんな服を持っているかは把握しているのだけれど、実際に実物を目にして手にとってみると、何年も着ていなかった服が今年のトレンドとしてカムバックしていることに気づいたり、新しいコーディネートが生まれたり。そんな思いがけない発見もあります。
だから実際に目で見て、触って、そして袖を通してみるのって、とても大切なのだと毎回実感します。それに今シーズン買い足すべきものも、はっきりとするから、無駄な買い物もなくなって、いろいろと効率がよいのです。
棚卸しと同時に、体のサイズを測ってしまうのもおすすめ。自分の体型の変化もよくわかるし、サイズの変化で明らかに着られなくなってしまった服などは、それを機にさよならして、すっきりしてしまいましょう。
いつか痩せて着られるようになるから、なんていう思いでとっておく服は、3ヵ月後など期限を決めて、それまでに痩せられなかったら、潔く処分してしまうべし! そうやって、曖昧にしておくと、無駄な服でクローゼットは溢れてしまうから。
クローゼットの棚卸しは半日がかりの大仕事で大変だけれど、これをやっておけば半年間、毎日のコーディネートに悩むこともなくなるし、クローゼットの中も風通しよく、きれいになって、実に合理的な方法なのです。

1シーズンの服はラック1本分で十分

そんなふうに棚卸しをする日は、全身が映る鏡の前で1シーズン分のコーディネートを考えるのが、私の恒例行事。
まず、新たに仲間入りした今シーズンのものと、何年も活用している「マイ ヴィンテージ」とも言えるアイテムの中からそのシーズンに着るものを絞り込んでいく。服だけでなく、靴からバッグ、時計まで、全身のコーディネートパターンをきっちり決め込むのがポイント。
そうして絞り込まれた服は、1シーズン1ラック分。「え? たった1ラックの服で1シーズン耐えられるの?」なんて驚かれそうだが、はい、十分に事足りるのです。実際に私のクローゼットに並んでいる1シーズン分の服は、春夏なら、

◎トップス
●シルクブラウス1枚 ●コットンシャツ1枚 ●コットンTシャツ2枚 ●シルクTシャツ4枚

◎ボトムス
●スラックス1本 ●デニム1本 ●ミモレ丈のスカート1枚 ●チューリップシルエットのタイトスカート1枚

◎上着
●クラシックなテーラードジャケット1枚 ●レザージャケット1枚

◎ドレスアップ用の服
●シャネルのスーツ1着 ●ロングドレス1着 ●カクテルドレス1着

◎靴
●スニーカー1足 ●フラットシューズ1足 ●華奢なハイヒール1足 ●サンダル1足

◎バッグ
●夜のお出かけ用のミニバッグ2つ ●大きなビジネス用バッグが1つ

これは、いろいろなブランドのプレスとして働いていたときからずっと変わらない私のスタイル。

ファッション業界で長年働いていたこともあり、さぞかし大量の服や靴&バッグをクローゼットに並べているのだろうと思われがちなのだけれど、むしろ逆。写真を見せるとクローゼットの中があまりにすっきりしすぎて、びっくりされてしまうほど。
でもたくさんの服を持っているよりも、厳選された素敵な服を少量持っているほうが、ずっとスマートだと思いませんか? そうしたら、いつでも「素敵なスタイル」でいられるのだから。それに大切な服を着ていると、なんだか気持ちが引き締まるし、背中をピンと伸ばしたくなる。きっと知らず知らずのうちに、所作もエレガントになってくるのではないかと思うのです。

ワードローブは定期的なアップデートが必須!

最近ではフランス人のライフスタイルを紹介する本が日本でも大ヒットして、このように少数のワードローブで日々をやりくりしているフランス流スタイルが、日本でも認知され始めているというけれど、ここで理解していただきたいのは、フランス人たちは厳選された10着の同じ服だけを、何年も着続けているわけではない、ということ。
私の知るフランス人も少数の服を1シーズンに着倒している人は多いけれど、彼らは私と同様、クローゼットの中身をシーズンごとに必ず入れ替えている。私のように長年大切にしているヴィンテージコレクションのストックがいくらかあって、新しいシーズンものを加えながら入れ替える人もいれば、常に手持ちの服は少数精鋭で、シーズンごとに役目を終えた服はすぐ売ったり譲ったりして、新しい服に買い換えるという人たちもいる。
パリの女性は、毎シーズンに必要な洋服だけ家に置いて、あとは貸しスペースにキープする人が多い。
そういうふうにワードローブは定期的にアップデート、そして見直していくということも、欠かせないアクションなのです。
熊倉正子(くまくら・まさこ)
1959年生まれ。1987年に日本初のラグジュアリーブランド専門PR会社「KIC」を立ち上げ、「ドリス ヴァン ノッテン」「マルニ」「クリスチャン ルブタン」など数多くのブランドを日本に紹介。2000年、世界的なカリスマスタイリストで、仏「VOGUE」誌編集長だったカリーヌ・ロワトフェルドに請われ、同誌のディレクターに就任し、パリに居を移す。その後グッチグループに移籍し、「ブシュロン」では世界各国での創立150周年イベント、「アレキサンダー マックイーン」社在籍時には、英国キャサリン妃のウェディングドレス制作と契約業務を一任される。2013年よりカリフォルニア在住、2017年アイウエアブランド「mEeyye」設立。世界初のファッションプログレスリーディンググラスのコレクションを発表。

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