• > 知ってる人は知っている、日本で一番美味しい⁉ ペリカンパンのおはなし [with]

知ってる人は知っている、日本で一番美味しい⁉ ペリカンパンのおはなし [with]

2017年10月16日(月) 20時00分配信

(C)ポルトレ

世の中には美味しいパン屋さんって本当にたくさんありますが、その中で一軒だけ選ぶとしたら。私は幼い頃からずっと食べている、創業74年の「ペリカンパン」を選びます。

(C)ポルトレ

知らない人は知らないけれど、知ってる人はみんな大好きなこのパン屋さん、パリで修行して来た職人!もいない、オシャレなパッケージ!もない、あの美味で有名な発酵バターをふんだんに使っている!わけでもありません。浅草の喧騒から少し離れた場所にある古くて小さいお店は、今どきのパン屋さんとはぜんぜん違う、工房の入り口にカウンターを置いて、たまたま小売りもやっている、みたいな風情。

(C)ポルトレ

でも店内には、こんな狭い店に!?と思うくらいのおじさんおばさんおねえさんがいて、みんながきびきびテキパキと店の奥からパンを運び出しては、袋に詰め、絶えずやってくるお客さんに次々とパンを出してゆきます。

(C)ポルトレ

平日だって朝から行列ができ、お昼過ぎには売り切れてしまう上に、店の右手にある、床から天井近くまでの木製の棚には、予約のパンがぎっしり。それは当然ながら、このお店のパンがめちゃめちゃ美味しいから。

(C)ポルトレ

我が家ではガスの強火で焼くのですが、外側がカリッとして中はもっちり。“我が家的”最高の食べ方は、トーストしてバターを塗り、仕上げにお塩を、パラッとひと振り。サクッとした歯触りをとらえるもちもち生地からバターがジュワッと染み出し、パンの甘さをわずかな塩が引きたてて――これだけでこんなにも美味しく食べられるパンを、私は他には知りません。

(C)ポルトレ

『74歳のペリカンはパンを売る』はそんな「ペリカンパン」の裏側に潜入し、このパンがどんな思いが込められ、どうやって作られ、どれだけ愛されているかを描いたドキュメンタリーです。映画を見ると、知ってる人はよりこのパンが愛しくなり、知らない人は絶対に食べたくなるはず。映画を見たら是非とも浅草へどうぞ。
いやいや、映画の前に浅草に来ないと、パンは買えないかもしれませんが。最近はパン屋さんの先にペリカンさんが営むかわいらしいカフェもオープンしましたが、こちらも混雑必至ですよ。

「『74歳のペリカンはパンを売る』
ユーロスペースにて公開中(以降全国順次公開)

 

文/渥美志保

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