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【健康Q&A】病院を転々とする母のドクターショッピングをやめさせたい [mi-mollet]

2017年10月15日(日) 14時00分配信

Kzさんからの質問

Q. 母のドクターショッピングをやめさせたいのですが……。

75歳の母は、検査の結果、のう胞が大きくなっていたので膵臓癌では……と不安がり、病院を転々としています。高齢ですし、お医者様が「3ヶ月経過をみましょう」と言っているのでそうすれば良いと思うのですが……。情報を入手しやすい現在、最新の医療を受けたいという気持ちも理解できますが、病院選びや治療方法の選択をどうやって薦めればよいものでしょうか? お医者様とのコミュニケーションのとり方含め、指針のようなものをアドバイスいただけたらと思います。(45歳)

特別ゲスト 樋野興夫先生の回答

A. 病院ではなく患者会のような場に行かれると良いかもしれません。

お母様の中での病気の優先順位を、下げたいものですよね。おそらく今は、病気のことが8割くらい頭の中を占めているのでしょう。それを4割ぐらいに下げるには、残りの6割を、何か他のもので占められるようになると良いですよね。そうすれば、「完全に安心」という解決はできなくとも、不安の解消はできると思うのです。

そこでご提案ですが、訪ねる先を病院から、がん患者会や、私どもが運営するがん哲学外来カフェにされてみてはいかがでしょう? お母様は病院を転々とされるなど、出かけることはお好きなようですから、人と話をされることも苦手ではないのではないでしょうか。がん患者やその家族が多く集まる場なら、がんに関する情報を持った人たちがたくさんいますから、お母様が不安に思っているのう胞の情報も得られるかもしれません。ですからそういった場で、お悩みを相談されるのが良いのではいかと思うのです。

医師というのは、ただ正確に診断をすることが仕事ですから、現時点で分からないことには答えてくれないでしょう。いくつも病院を回っても、望む答えは得られないと思います。それよりも、同じような経験をされた人が多く集まる場に行かれたほうが、解消に近づけると思うのですよ。

私のいるがん哲学外来にも、担当医の診断に不安を抱き、相談に訪れる方はたくさんいらっしゃいます。そういった場合は、本人が生き方を変えない限り、不安は解消されないのですよ。ですから私は、相手の性格を見て、生き方を変えるきっかけの提案をいたします。お節介そうな方には、ボランティアなど人の世話をすることをお勧めします。反対に家に閉じこもっていたいタイプの人には、本を読む習慣をつけるようお勧めしています。Kzさんのお母様はフットワークがお軽いようですから、患者会などに一度足を運ばれるよう、勧められてみてはいかがでしょうか?

PROFILE

樋野 興夫(ひの おきお)
1954年、島根県生まれ。医学博士。順天堂大学医学部病理・腫瘍学講座教授。一般社団法人がん哲学外来理事長。医療現場と患者の間にある「隙間」を埋めるべく、全国各地で講演をおこなうなど精力的に活動している。著書は『がんばりすぎない、悲しみすぎない。「がん患者の家族」のための言葉の処方箋』(講談社)、『がん哲学外来へようこそ』(新潮新書)など多数。

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