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アパート1棟をマイホームに変えたリノベ [FRaU]
2017年10月13日(金) 14時00分配信
ひとり暮らし。パートナーと。家族で……。住まう人たちのかたちは違えど、みんなが自分らしく暮らしを営むリノベーション。大げさでもなんでもなく“家が変わると人生が変わる!”
今回は、大きな窓から部屋の中へ、陽の光と風がたっぷり入ってくる高草木・舩木邸をご紹介。内と外を分け隔てる壁は限りなく少ない。それはリノベーションされた部屋の話であり、ここで暮らす家族の生き方の話でもある。
今回は、大きな窓から部屋の中へ、陽の光と風がたっぷり入ってくる高草木・舩木邸をご紹介。内と外を分け隔てる壁は限りなく少ない。それはリノベーションされた部屋の話であり、ここで暮らす家族の生き方の話でもある。
高草木・舩木邸
家族構成:5人(夫、妻、息子14歳・8歳・3歳)
平米数・間取り:100㎡/5LDK
施工会社:FACT
築年数:40年
平米数・間取り:100㎡/5LDK
施工会社:FACT
築年数:40年
アパート1棟をマイホームに変えた家
ふたりの間に子供ができたとき、高草木さんと舩木さん夫婦はどちらとも仕事の手綱を緩めることはしなかった。同じ大手広告代理店に勤めているふたり。今の穏やかな表情からはあまり想像がつかないけれど、多忙を極めていたに違いない。
「今でこそワークライフバランスという言葉もよく聞くようになったけど、長男が生まれてから僕らはバランスなんて取っていられなくて“全部一緒にする”しかなかったんですよ」と高草木さんは笑う。
幼い子供を職場にも連れて行き、自宅での打ち合わせを増やした。2階が打ち合わせなども行うリビングで、1階がベッドルームや浴室があるプライベートゾーン。子供たちも慣れっこで、打ち合わせをする片隅で自由に過ごしているそうだ。
元々は、細い廊下の両側に数部屋を抱えるアパートだった。リノベーションで部屋の中央部分を残してできるだけ柱や壁を間引き、オープンなスペースを確保。キッチンに立てば、子供たちがどこにいるか一目で見渡すことができる。
「隣の公園とも視界の高さが同じなので、子供たちが遊んでいてもよく見えますよ。今って、内と外の境に神経質になることが多いけれど、堂々としていれば案外気にならないものです」と舩木さん。
家と職場、敷地の内と外……と色んなことを分けて考えてしまうけど、風通しを良くして解決できることって、意外とたくさんあるのかもしれない。この家と家族を見て、そう勇気付けられた。
「今でこそワークライフバランスという言葉もよく聞くようになったけど、長男が生まれてから僕らはバランスなんて取っていられなくて“全部一緒にする”しかなかったんですよ」と高草木さんは笑う。
幼い子供を職場にも連れて行き、自宅での打ち合わせを増やした。2階が打ち合わせなども行うリビングで、1階がベッドルームや浴室があるプライベートゾーン。子供たちも慣れっこで、打ち合わせをする片隅で自由に過ごしているそうだ。
元々は、細い廊下の両側に数部屋を抱えるアパートだった。リノベーションで部屋の中央部分を残してできるだけ柱や壁を間引き、オープンなスペースを確保。キッチンに立てば、子供たちがどこにいるか一目で見渡すことができる。
「隣の公園とも視界の高さが同じなので、子供たちが遊んでいてもよく見えますよ。今って、内と外の境に神経質になることが多いけれど、堂々としていれば案外気にならないものです」と舩木さん。
家と職場、敷地の内と外……と色んなことを分けて考えてしまうけど、風通しを良くして解決できることって、意外とたくさんあるのかもしれない。この家と家族を見て、そう勇気付けられた。
森の中で暮らすように 公園を借景にする住まい
2階の公園側の一面が、天井までの大きな窓になっているので圧倒的な開放感。リビングからバルコニー、そして隣の公園まで視界がフラットに繫がる。
部屋中を見渡せる、キッチンが司令塔
過ごす時間が長くなるキッチンからは、部屋中を見渡せる設計に。「打ち合わせなどで人が来たときは、ちょっと中座してここで軽食を用意することもあるんですけど、話の輪からは外れないで済むんですよね」(舩木さん)大きなレンジフードやコンロは、昔一緒に仕事をしていた栗原はるみさんから譲り受けたものだとか。
子供の成長に合わせて 変化自在なオープン空間
大人の腰ほどの高さの棚で緩やかにスペースを区切ってあるだけで、基本的に視界を遮るような壁はない。「ダイニングテーブルで打ち合わせをしている声も通るので、子供たちは僕らがどんな仕事をしているかだいたいわかっていますね。働く姿を見せるのも、親子の関係に良い影響があると思っています」(高草木さん)
中央のロフトスペースは 子供達の秘密基地
建築構造上、重要な部屋中央の小部屋は、ストックルームとトイレになっている。小部屋の2階部分はロフトとして使用され、子供達の隠れ家に(安全を考慮して、ここには5歳以上しか上がれないというルールが設けられている)。梁がむき出しの天井は、経年変化した木材の趣を生かしあえてそのままにしてある。
環境は変えられないけれど 自分の気持ちは変えられる
内から外が見えるということは、逆も然り。「家は選べても環境はどうにもできないように、元々周りに住んでいた人からしたらずっと空いていた家に急に工事が入って、どんな人が引っ越してくるのか不安だったはずです。僕らがあまり閉ざさずに暮らしていることで、“普通の家族だ”って安心してもらえた部分はあるかも」(高草木さん)
日曜大工に井戸端会議 多目的に使える土間玄関
リノベーション工事を担った、高草木さんの10代の頃からの友人である鎌田裕次郎さんの実家が、広い土間玄関のある家だったそう。
「お客さんが帰る前にちょっと話ができたり、休みの日にはここで工作をしたり、何に使ったって良いんです。『土間のある暮らしって楽しいな』ってあの頃思っていたのを、ここで再現しました」(高草木さん)
高草木&舩木邸の リノベが完成するまで……
物件を決めてから竣工までかかった時間は約1年。リノベーションをするまでは全体を蔦が覆った古いアパートだった。手がけた鎌田裕次郎さん(FACT)は、芸大でデザインを学んだデザイナー。古い物件の良さを見極め、環境と溶け合った新たなスペースをデザインした。
●情報は、FRaU2017年10月号発売時点のものです。