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『蛇ピ』が原点?吉高由里子がエキセントリックな殺人鬼を演じる『ユリゴコロ』 [with]

2017年09月29日(金) 12時00分配信

(C)沼田まほかる/双葉社 (C)2017「ユリゴコロ」製作委員会

スプリットタン(先を二股にした蛇みたいな舌!)を持つ身体改造マニアの男と、彼を改造する全身ピアスでサディストの刺青師。そんな二人と奇妙な三角関係を演じながら、生きる実感を探す少女ルイを主人公に描いた『蛇にピアス』は、吉高百合子さんが19歳の時の主演作。映像的にも内容的にも衝撃だらけ、SMを含めた過激な描写もさらりとやってのけた彼女を見たとき、「この若さで、なんて肝の座った女優さんなの!」と、ものすごーく驚いたものです。

(C)沼田まほかる/双葉社 (C)2017「ユリゴコロ」製作委員会

最近は『花子とアン』や『東京タラレバ娘』などのコミカルな演技がデフォルトになっている彼女が、久々に『蛇ピ』の雰囲気を漂わしながら演じているのが、主演最新作の『ユリゴコロ』です。主人公は幼いころから「ユリゴコロ」(これが何かは映画を見てのお楽しみ)を持たず、自分の中に黒い衝動をかかえる女性、美紗子。映画は、ある青年が偶然見つけてしまった彼女の手記に沿って、「ユリゴコロ」を探してさ迷う彼女の人生を描いてゆくのですが、それはまさに美紗子が次々と人を殺してゆく連続殺人の記録なんですね。

(C)沼田まほかる/双葉社 (C)2017「ユリゴコロ」製作委員会

吉高さんって、その思い切りのいい表情の変化が見ているだけで楽しく、特に笑顔はあどけなさが残るほどのかわいらしさなのですが、『ユリゴコロ』で見せる抑えめの表情はクールビューティーそのもの。

(C)沼田まほかる/双葉社 (C)2017「ユリゴコロ」製作委員会

さらに、『蛇ピ』の頃のエキセントリックな雰囲気はそのままに、年齢を重ねたことで滲み出る憂いが、恐ろしい怪物では決してない、冷酷さと表裏一体の悲しみによって、美紗子のキャラクターを浮かび上がらせてゆきます。
「生まれながらの殺人鬼の物語」として、ちょっと怖い雰囲気で始まるこの映画ですが、見終わった後は、多くの人が、「孤独な女の子が、運命の愛情を見つけるまでの物語」だったと感じるはず。手記の中で張り巡らされた伏線が、美佐子の未来へ、そして現在で手記を読む青年へと引き継がれてゆくサスペンス的な面白さもたっぷりです。そのあたりもぜひお楽しみくださいね~。
『ユリゴコロ』 全国ロードショー公開中!
文/渥美志保

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