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「認知症に絶対なりたくありません」専門医からのアドバイスは? [おとなスタイル]

2017年09月28日(木) 10時00分配信

かなり気になりますよね。

超高齢社会を迎え、「認知症」への関心はこれまで以上に高まっています。
8年後の2025年には高齢者の約5人に1人が認知症になるという予測もあり、実はとても身近な病気。それなのに、 “認知症になると何もわからなくなる” “何もできなくなる” といった偏見も根強くあります。誤報や誤解も多いからこそ、認知症の治療に長年携わってきた医師たちが語る真実に、ぜひ目を向けてほしいのです。
自分や大切な人をどうしたら守れるか。そして、認知症になっても生きやすい世の中とは?
本当の意味の予防と治療、さらにお金のことまで、50代の今だからこそ、一緒に考えてみませんか。

認知症になるってどういうこと? わからなければ、向き合うことも、対処することもできません。
知っておきたいこと、50代のうちからできることなどを専門医に聞きました。
Q.将来、認知症に絶対なりたくありません

※その年代の人の中で何%が認知症になっているかの数値

Q.将来、認知症に絶対なりたくありません

A.実際には「誰もがなる」と思うべき、認知症は、長生きの勲章ともいえるのです

「認知症は脳の病気と捉えられていますが、正しくは老化現象が密接に関わっています」と山口晴保さん。実際に、認知症有病率は75歳から急増。40代前半では1万人に1人の割合ですが、95歳以上は、なんと8割が認知症に!

認知症有病率(※)は、40歳代から5歳長生きするごとにほぼ倍増する傾向があり、95歳以上の有病率はほぼ8割に達しています。

「ちょっと極端な言い方に聞こえるかもしれませんが、認知症にならない確実な方法は『75歳以上生きないこと』が私の答えです。長寿と認知症はセット販売のようなもの。厳しい言い方ですが、現状ではなりたくなかったら、なる前に寿命を終えるしかありません。
発症を遅らせる方法はあるけれども、その方法で寿命も延びることもあり“先送りすること”ともいえます」

※データの出典:朝田 隆 平成25年6月発表

後期高齢者数が増えるほど、認知症の人も増加します。高齢者の半数は、亡くなるまでに認知症になると試算されています。

誰もが認知症になり得る時代。偏見を捨て、視点を変えていく時期に来ていると、山口さんは提案します。

「なったらどうしようと怯えて暮らすのではなく、認知症は長生きした勲章と、少し気楽に思うほうが健康的です。認知症=すべての機能が奪われること、ではありません。受け入れることで、平穏に生きられる場合もあります。むやみに恐れず、正しい知識を持つこと。それが認知症対策の第一歩です」
■Profile
認知症の専門医 山口晴保さん
認知症介護研究・研修東京センター センター長、日本認知症学会専門医。認知症の病理研究を30年続けた後、臨床研究に転向、認知症の実践医療や予防などにも取り組んでいる。近著に『楽になる認知症ケアのコツ』(技術評論社)、『認知症にならない、負けない生き方』(サンマーク出版)。

 

 

『おとなスタイル』Vol.8 2017夏号より
イラスト/添田あき

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