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悪魔の容疑者・役所広司が、福山雅治を陥れる『三度目の殺人』 [with]

2017年09月19日(火) 12時00分配信

(C)2017フジテレビジョン アミューズ ギャガ

以前、ある理由から裁判の傍聴をしていたことがあります。マスコミで取り上げられる有名な事件とかではなく、裁判所に行き適当に選んで見るだけなんですが、不謹慎ながら、これがめちゃめちゃ面白い。「反省してますもうしません」と口では言いながら、キレキレの検事に問い詰められてボロが出まくる違法DVD売りのおっさんとか、介護疲れで夫を殺してしまった妻と、「彼女を助けてやれなかった」と泣き崩れる情状証人とか、それはある時はばかばかしいコメディだったり、ある時はこちらがもらい泣きするほどの悲劇だったり。

(C)2017フジテレビジョン アミューズ ギャガ

もちろん一番高い位置の裁判官も参加者で、犯罪者のあまりのだらしなさにあきれて説教することもあれば、苦しみに共感して切々と「がんばりなさい」と人生を説いたりする。こうした流れは事前に確認されているわけですから、ある種の生のドラマを演じているようなものだなーと感じた覚えがあります。

(C)2017フジテレビジョン アミューズ ギャガ

さて公開中の『三度目の殺人』は、まさにそんな裁判を負った作品。ある強盗殺人事件をめぐる、弁護士(福山雅治)、容疑者(役所広司)、被害者の娘(広瀬すず)の物語なのですが、この容疑者の証言が二転三転し、そうするうちに被害者側の秘密が明るみに出てきて、裁判がどんどんあらぬ方向に向かってゆく――というお話です。
先日開催されたヴェネチア映画祭でも大好評だったというこの作品、監督の是枝裕和さんの着想のきっかけは、取材した弁護士さんが口を揃えて「法廷は真実を解明する場所ではない」と言ったことだったとか。確かに「真実」っていうより「ドラマ」めいている裁判ですが、これ「他人事」でなく「自分事」として関わったら、これほど怖いことはありません~。映画の見どころはまさにそこ。クールな弁護士・福山雅治が、悪魔のような二転三転容疑者・役所広司に、そんな闇へとずるずる引きずり込まれ崩れ落ちてゆく様を、どうぞお楽しみくださいませ。
『三度目の殺人』 全国ロードショー公開中!
文/渥美志保

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