体験型のワイナリー で広がる食体験レポ [FRaU]

2017年09月10日(日) 21時00分配信

富山県氷見市の小さな丘の上にあるワイナリーSAYS FARM。地元の食材を使って食事をつくり、泊まる。3人の女子旅のはじまり。

旅をしたのは……

maaさん
料理人。フランスに憧れ料理の道に。乾物屋である実家の出汁を使った和食が得意。

平野紗季子さん
フードエッセイスト。著書に『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)がある。

小谷実由さん
ファッションモデル。愛称はおみゆ。趣味は純喫茶巡りで、猫をこよなく愛す。
食材求めてあちこちお散歩! 夏氷見のおいしいを収穫

Photo:Koichi Tanoue 

食材求めてあちこちお散歩! 夏氷見のおいしいを収穫

ゲストハウスにはどーんとキッチンがついていて、お料理欲が湧いてくる。というわけで早速買い出しへ。「今日はなにがおいしいですかー?」と聞けば気さくに答えてくれる “与一郎鮮魚店” ではキジハタとハチメを(どっちも初めましてだ!)。“肉の長井”では氷見牛のモモ肉、“ひみ番屋街” ではお野菜をたっぷり調達。

Photo:Koichi Tanoue 

夏の氷見の美味を収穫するような食材探しはそれだけでもこの土地が愛おしくなる時間。

Photo:Koichi Tanoue 

集めた新鮮食材を料理するのはもちろん楽しくて(といっても私はほぼ見てた)。焼いてもさばいても輝かしい食材は惚れ惚れするし、生みたてのアローカナ卵を割った瞬間みんなの目がきらめいた。あの見事に透きとおったレモン色……! ちょっと忘れられない。

Photo:Koichi Tanoue 

料理は食べるだけでも十分幸せ。でも作るところからスタートすれば見える景色は一層鮮やかになる。素材を選び、街の生活に溶け込み、文化に触れて、おいしい味をこしらえる。旅先のキッチンは、土地との接点を格段に増やしてくれるのだ。
つくって食べて土地とつながる愛しい夕ごはんをいただきます

Photo:Koichi Tanoue 

つくって食べて土地とつながる愛しい夕ごはんをいただきます

氷見ブリの生ハムサラダに朝獲れ鮮魚のロースト~庭で摘んだタイムの風味~……。ロングテーブルにごちそうがずらっと並べば、高揚と空腹を抑えきれずにきゅんと冷えたSAYS FARMのワインで早速乾杯。SAYS FARMのシャルドネの澄んだ酸味は、氷見で水揚げされた新鮮なタコのカルパッチョとばっちり。

Photo:Koichi Tanoue 

地元の生産者さんが手塩にかけて育てたという氷見牛のローストビーフは、柔らかいけれど媚びた脂の感じがなく、いくらでも食べれてしまう魔の肉質。赤の断面の誘惑に抗えず何度おかわりしたことか……。

Photo:Koichi Tanoue 

おいしいねえの笑顔は絶えず、誰にも邪魔されない親密な夜はゆっくり過ぎていった。その土地に溶けていくのが旅の醍醐味なら、食べることはそのための近道だと思う。自分たちで食材を調達して、料理して、食事をする。よそいきの観光ではなく、一瞬でもいいから土地の生活を通り過ぎてみる。そこで出会ったリアルな手触りこそが、短い旅のさなかにあって、心の深いところを満たしてくれるような気がした。

SAYS FARM(セイズファーム)

富山県氷見市余川字北山238
東京からはまず北陸新幹線でJR新高岡駅へ(約3時間)。新高岡駅から、今回食材の買い出しをした氷見漁港場外市場「ひみ番屋街」までは車で約30分。そこからセイズファームまでは、さらに車で約30分。電車で向かう場合は、JR氷見駅が最寄りで、そこから車で約20分。

 

●情報は、FRaU2017年9月号発売時点のものです。

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