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日常を忘れて本の世界へ! 読書ステイにぴったりの温泉旅館 [FRaU]

2017年09月07日(木) 12時00分配信

Photo:Masahiro Sanbe 

日々の喧騒を抜け出し、旅に出る。ひとりでも、気の置けない友人やパートナーとでも。ただただゆっくりと温泉につかり、いつか読みたいと思っていた本の世界に浸る。そんな贅沢はいかが?

心も身体もゆるりとほぐれる温泉4宿

トラベルジャーナリスト・寺田直子さんのおすすめ
1年の半分は国内外のホテルに宿泊する寺田さん。そんな彼女が選ぶ、素敵な本読みステイが叶う4軒の温泉旅館をご紹介。夏休みの予定にもまだ間に合う! もちろん秋冬の休暇の予定にも。
読書の合間にはアクティビティ三昧 「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」

Photo:Masahiro Sanbe 

読書の合間にはアクティビティ三昧 「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」

したたるような緑と清流のパワーに癒やされるのがここ。リニューアルされた客室には読書にもってこいの「渓流ごろんとチェア」が。改装された良質な温泉の渓流露天風呂、苔ガールになれる「苔さんぽ」や早朝ストレッチ「奥入瀬ブレス」など充実のゲストアクティビティでリフレッシュも。今年から冬季営業も始まり雪ごもりの読書ステイも期待です。

Photo:Masahiro Sanbe 

星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル
青森県十和田市大字奥瀬字栃久保231
何度も訪れたくなる北欧モードの森のホテル「ホテリ・アアルト」

Photo:Masahiro Sanbe 

何度も訪れたくなる北欧モードの森のホテル「ホテリ・アアルト」

裏磐梯の美しい自然に囲まれたホテル。シンプルかつ心地のいい客室、ライブラリーを兼ねたラウンジ、中庭など、どこも最高の読書スペース。細やかなサービスは滞在をさらに快適にし、男女問わずおひとりさま率が高いのも納得。ほのかな硫黄の香りの温泉は肌をキュキュッと磨きあげるような爽快感。会津の里山の食材を活かした料理を味わう楽しみも。

Photo:Masahiro Sanbe 

ホテリ・アアルト
福島県耶麻郡北塩原村大字檜原字大府平1073-153
文豪ゆかりの名湯初の湯治体験はここで「大沢温泉 自炊部・湯治屋」

Photo:Masahiro Sanbe 

文豪ゆかりの名湯初の湯治体験はここで「大沢温泉 自炊部・湯治屋」

宮沢賢治が愛した岩手を代表する温泉宿。昔ながらの湯治スタイルは料金も安く気ままに過ごせるのが魅力。自炊もいいし食堂で地元の名物を味わうのも楽しい。そして何と言っても温泉。露天風呂大沢の湯(混浴。時間によって女性専用あり)をはじめ、女性専用露天風呂、内風呂、姉妹旅館併設の温泉までさまざまな湯めぐりが満喫でき、飽きさせません。

Photo:Masahiro Sanbe 

大沢温泉 自炊部・湯治屋
岩手県花巻市湯口字大沢181
癒やしの渓流とトロトロの美肌温泉「湯の風 HAZU」

Photo:Masahiro Sanbe 

癒やしの渓流とトロトロの美肌温泉「湯の風 HAZU」

チェックイン&アウトが12時~12時というたっぷり24時間滞在がうれしいお宿。渓谷を望む客室のほかに絶景のテラスも。渓流の瀬音を聞きながらの露天風呂は美容液のようなトロミと湯上がりのさっぱり感が病みつきになりそう。すぐ近くに姉妹宿として温泉旅館では珍しい漢方薬膳料理が楽しめる「はづ木」もあり、こちらも女性リピーターゲストに好評。

Photo:Masahiro Sanbe 

湯の風HAZU
愛知県新城市能登瀬字上谷平4-1

温泉旅館で読みたい至福の3冊

書評家・杉江松恋さんがセレクト
ミステリーなどエンターテインメント作品を中心に文芸評論を行っているプロフェッショナル本読みの杉江さんが、温泉で頁をたぐるにふさわしい3冊を選書。あなたの旅のおともはどの本に?
日本を代表する温泉文学の一つを温泉旅のお供に

岩波文庫

日本を代表する温泉文学の一つを温泉旅のお供に

『猫町』 萩原朔太郎/編・清岡卓行
詩人・萩原朔太郎には奇妙な癖があった。街歩きをしている間に主観と客観の境を飛び越え、自分だけの幻想郷に遊んでしまうのだ。北越のK温泉(草津)に滞在していた彼は、ある日街はずれの集落を訪れ夢のような情景を見る。日本の温泉街を描いた作品の中でも特にお薦めしたいのが本書だ。見知らぬ情景が朔太郎式観察法によってさらに変貌を遂げる。そぞろ歩きのさなかに、あなたも妖しいものを見るかもしれない。表題作以外の掌編も楽しい。
 旅情と一続きの不思議な読み心地

角川文庫

旅情と一続きの不思議な読み心地

『夜は短し歩けよ乙女』 森見登美彦
京都のとある大学に通う学生〈先輩〉は、後輩である黒髪の乙女に恋をしていた。彼女の視界に入り、存在を意識させるため、〈先輩〉は古都の徘徊を開始する。しかし乙女は一向に振り向いてくれず、代わりに得体の知れない魑魅魍魎たちが彼の周囲に出没し始めるのだ。路地に入り込んで迷子になるのも旅の楽しみの一つだが、本書ではその感覚が存分に味わえる。恋愛小説のほのかな甘さとスラップスティックな笑いとが同居した、心地よい一冊。
急いで読むとのぼせそう変で可愛い話たち

講談社文庫

急いで読むとのぼせそう変で可愛い話たち

『おはなしして子ちゃん』 藤野可織
小学校の理科準備室にグロテスクな標本が並べられていたことを記憶する読者も多いだろう。その思い出を刺激される表題作ほか、他にはない十の奇妙な小説を集めた短篇集だ。本を読む速度が遅いことを苦にする男を主人公にした「ある遅読症患者の手記」、タイトルと内容がかけ離れたSF小説「美人は気合い」など、まったく違った色合いの話なので、拾い読みするのに向いている。お湯でほてった体をさましながら、ロビーで読んでみてはいかが。
●情報は、FRaU2017年9月号発売時点のものです。

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