• > 桐島かれんが語る、「葉山、夏の一日」 [おとなスタイル]

桐島かれんが語る、「葉山、夏の一日」 [おとなスタイル]

2017年09月06日(水) 10時00分配信

桐島かれんさん 撮影/上田義彦

「今が一番好きな季節」と言うかれんさんは夏休みを、海の見える葉山の家で家族と過ごす。
「夏の葉山は街が賑わっていて、わくわくします。高台にあるわが家にも、海水浴で遊ぶ子どもの声や波の音が風に乗って流れてきて、耳に心地いい。地元の市場で新鮮なシソやミョウガを買って、お昼はみんなでおそうめんを食べて。夜になれば古い日本家屋で、子どもたちと枕を並べて眠る。こんな夏がずっと続いてくれたらいいのに、と思う。そのぐらい、夏の何げない日々が好きです」
夏といえばワンピース、かご、ビーサン!

撮影/上田義彦

夏といえばワンピース、かご、ビーサン!

葉山はゆかりのある土地です。
母(作家・桐島洋子)はその昔、葉山で暮らしたことがあり、ここの海で泳ぎが上達したと言います。10年以上前になりますが、私たちも縁があって、明治時代の政治家、金子堅太郎さんの葉山の家の敷地内にあった別宅を購入しました。
時代も様式も様々に混在していた建物を、京都の宮大工さんを呼び、夫(写真家・上田義彦)が監督をして、2年がかりで元の古い日本家屋に修復。それがこの別荘です。

撮影/上田義彦

夏休みにここに来ると、私はまず家の衣がえをします。木枠のガラスの引き戸に日よけの葦簀(よしず)を掛けて、カーペットをゴザに替えて。
美観を損なうからと、夫は家に冷暖房をつけない主義。だから、この家もクーラーがあるのは居間一ヵ所だけで、寝る部屋は窓を開け放ち、子どもたちとみんなで畳の上に布団を敷いて雑魚寝です。でも、そんな時間も愛おしい。子どもの寝顔を見る機会なんて、だんだんなくなっていますから。

私が子どもの頃も、夏は家族と一緒に過ごすシーズンでした。日本にいるときは母は執筆などで、とにかく忙しい。だから妹と弟と3人で朝はラジオ体操に行き、それが終わると市バスに乗って市民プールへ。朝から夕方まで、ずーっとプールにいるんですよ。ほかに行くところがないので、毎日、毎日ずっとです。

撮影/上田義彦

そして夏休みといえば、母に連れられていく過酷な海外旅行。1ヵ月かけて十何ヵ国をまわる巡礼のような旅です。多忙な母とは、ふだんは顔を合わせられないので、そんなふうに家族でべったり過ごす1ヵ月はとても濃密でした。もちろん楽しみでもあるのですが、「半年前のあのとき、なんだか帰りが遅かったわね」とお小言を言われたりして、あ、ちゃんと見られているんだ、と思ったり。
結局、私も同じことをしているのかもしれません。葉山の家で家族と過ごし、母に倣って、4人の子どもを連れて旅にも出かけるのですから。去年の夏休みはポルトガルとスペインへ、子どもたちと行きました。

撮影/上田義彦

ファッションも、夏が一番好きです。大好きな、ふわっとしたワンピース。
それとストールがあれば、どこへでも行ける。麦わら帽子をかぶる程度で、日焼けも気にせずへっちゃら。そして足元はビーサンです。開放的で大好き。
ハワイアナスの鼻緒の細いビーサンの黒と白が定番で、葉山でも東京でもそれです。職場へも、夏はビーサンで行ってしまいます。

撮影/上田義彦

それからバスケットが大活躍。夏になると東京の家の窓際に、フックのついた白い突っ張り棒を立てて、持っているバスケットをバーッとぶらさげます。たくさん持っているし、バスケットはかさばるので思いついた収納法ですが、これが可愛いんですよ。「今日はどれにしようかな」と出がけに選ぶのも楽しい。

そう、夏は楽しいのです。おとなになっても楽しい。いつまでも終わらないで欲しいと思いながら、暑い毎日を元気に過ごしています。
■Profile
桐島かれん
きりしま かれん
「ハウス オブロータス」クリエイティブディレクター。モデルや女優として活躍し、1993年に写真家の上田義彦氏と結婚。4人の子どもの誕生で、家族が6人になるまでの13年の軌跡をまとめた上田氏の写真集『at Home』 (リトルモア)には、かれんさんの日記も抄録。

 

 

『おとなスタイル』Vol.8 2017夏号より

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