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もっと、ずっとラクに生きよう!不安や孤独感が消えていくコーピング [おとなスタイル]

2017年07月30日(日) 10時00分配信

怒りも悲しみも孤独感も、あるがままに受け止める。
心が折れそうなときは、自分で自分をケアして守る。
今、そんなストレス対処法が注目を集めています。
「コーピング」はいわば“自分助け”の技術。実践すれば、心が軽くなり、もっと、ずっとラクに生きられます。ひとりの時間をより充実させるためにもはじめてみませんか?
LESSON 1 ストレスをモニタリングする 

書いてストレスを客観視する気づきは大切な第一歩 

LESSON 1 ストレスをモニタリングする 

コーピングは、自分のストレスを“知る”ことから始まります。
心の動きや体の反応、自分のとった行動などを書き出してみましょう。

コーピングの目的は、ストレスごとに適した気晴らしや対処をしていくこと。その第一歩として、ストレスへの気づき(モニタリング)は欠かせない作業です。具体的には、モニタリングの対象となるストレス体験を選び、ストレッサー(環境)と4つのストレス反応を紙に書き出していきます。
この書き出すという行為がポイント。「自分の中にあるものを外に出すことで、もやもやしていたものが客観的に理解できるようになります。どんな言葉に弱く、どんな反応をしがちかなど、自分のストレスの傾向も見えてきます。重要なのは、今起きていることにリアルタイムで気づき、観察できるようになること。ストレスの正体に気づくだけで、ストレスの悪循環から抜け出せることもよくあります。最初は面倒に感じるかもしれませんが、やるだけの意味があります」と臨床心理士の伊藤さん。

ストレスモニタリングの5つのリスト 

1.強いストレスか、弱いストレスか、どういうストレスかを書き出す
(例)
同窓会に参加。同級生から旦那や子供、孫自慢をたっぷり聞かされた。あげくに「バツイチで今一人なの? それはさみしいわね」と言われた。

2.どんな思いが頭に浮かんだか(自動思考・認知)を観察し書き出す
(例)
「自慢話ばかり」「私の話も聞いたらどうなの」「一人の何が悪いの?」「羨ましいと思う自分がいや」「なぜ素直に喜んであげられないのかな」

3.気分・感情を書き出す(いやな予感、イライラ、げんなり)
(例)
イライラ、うんざり、怒り、嫉妬。それから落ち込んで、孤独感、自己嫌悪、行き詰まり感を感じた。

4.身体反応を書き出す(ドキドキ、汗が出る、吐き気、頭痛)
(例)
頭に血が上って、脈が速くなった。帰宅したら頭が痛くなって、涙がこぼれてきた。胃がもたれた。

5.どんな行動をとったかを書き出す(怒鳴る、不機嫌になる、立ち去る)
(例)
笑顔をつくり会話を楽しんでいるふりをした。帰宅してやけ食い、やけ酒。

あなたも今抱えているストレスを5つの項目に分けて、まずは書き出してみましょう。
LESSON 2 コーピングリストを作る 

たくさんあれば選べる、数を増やすことから始めよう

LESSON 2 コーピングリストを作る 

さあ、いよいよコーピングに入ります。自分なりの気晴らしやストレス対処法を書き出し、試してみましょう。まずは100個を目標に!

「コーピングは、多くあげることが大切です。例えばストレス解消法が、『買い物』や『お酒』だけしかないとなると、そればかりに依存してしまって大変なことに。できるだけ楽しく健康的で、負担の少ないコーピングをたくさん持っておきましょう」と伊藤さん。
行動を伴うものばかりでなく、気持ちを切り替えたり、自分を励ましたりする認知的コーピングも取り入れて。楽しいことをイメージするだけでも、立派なストレス対策になります。

コーピングリストを作るときの基本ルール 

1.できるだけ多くあげる。100個を目標に
2.ローコスト&時間がかからないものを選ぶ
3.楽しく、健康的で、負担の少ないコーピングを選ぶ
4.認知的コーピングと行動的コーピングの両方を取り入れること

【例えばこんなこと】

行動的コーピング
自分にとってストレスを軽減させることができる行動
好きな口紅をつける·掃除に没頭する·美容院にいく·猫をなでる·歯を磨く·大きな声で歌う

認知的コーピング
前向きな気分に変えられる発想や空想、暗示など
好きなアイドルを想う·映画の世界に入り込む·「どうにかなるさ」と受け入れる·憧れの女優になった気持ちになる·「気にしない」と言い聞かせる·「うまくいく!」と暗示をかける·ギュッと自分を抱きしめる·「大丈夫」と声に出してみる

あなたがホッとできる事柄がコーピングです。100個目指して、あなたもリストアップしてみましょう。
LESSON 3 気分が安定するコーピングを加えてみる

不安や孤独感が消えていく3つの万能コーピング

LESSON 3 気分が安定するコーピングを加えてみる

LESSON3では、自分で自分をいたわり、安心させるロールプレイの技法を3つ紹介。早速、コーピングリストに加えて、実践してみましょう。

レッスン2でコーピングリストを作りました。ストレスを感じたら、どんなストレスかを観察して、効果がありそうなコーピングを選んで実践していきましょう。リストは持ち歩いたり、目につく場所に貼るのもよいそう。
「1つ試してまだストレスを感じていたら、別の対策に切り替えるなどします。どんなコーピングが役に立ったか、何度も繰り返し、効果を検証していくことも大切です」(伊藤さん)

ここで紹介するのは、ぜひ習得してほしい、伊藤さんおすすめのコーピング。どれも効果絶大です。
誰にも相談できずひとりで抱えこむと、ストレスの悪循環に落ち入りがちですが、いざとなったら頼れる人がいることに気づいたり、自分で自分を励ましたりすることができれば、心が安定します。もやもやしているとき、安心したいときにも試してみましょう。

1つながりネットワークを可視化する
自分の周りにいる頼れる人・支えてくれている人を書き出します。その際、薄いつながりの人も加えます。
例えば、行きつけの店のスタッフや挨拶をする近所の人でもOK。その人を思うだけで元気になるなら、亡くなった家族やペット、歴史上の人物、漫画のキャラクターなどもつながりネットワークに加えます。

2自分をねぎらう時間をつくる
やさしい言葉をかけられると、心が落ち着き、不安が消えていきます。「頑張ったね」「少しのんびりしようよ」など、ねぎらう言葉を自分に投げかけてあげましょう。自分の手で頭をなでたりするのも効果的。
バカボンのパパなど心が温かくなるような人を思い浮かべ、「これでいいのだ」とセリフを思い浮べるのも効果あり。

3自分のいいところをあげてみる
いつも自信がなくて、自分を否定してしまう人は、 “いいところ探し” を取り入れましょう。自分には悪いところしかないと思う人も、 “いいところ” に変換して紙に書き出します(八方美人→人当たりがいい、頑固→意志が強いなど)。
過去にほめられた言葉を思い出したり、誰かに聞いてみたりするのも、効果的です。

コーピングもすべて、やることが必須ではありません。

「べき」「ねば」ぐせをやめましょう。

「つい人は、ものごとをいい・悪いで評価し、『べき』、『ねば』という考えにとらわれがち。『仕事は完璧を目指すべき』とか『人の前では機嫌よくしないと……』と常に考えていたら、とても苦しくなってしまいます。コーピングも、すべてをきっちりやる必要はありません。
『今、ストレスを感じているなあ』と気づくだけでも、コーピングになっています。『べき』、『ねば』を少しゆるめてみましょう。ずっと楽になるはずです」(伊藤さん)

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