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心が折れそうなとき“自分助け”の技術コーピングとは? [おとなスタイル]

2017年07月01日(土) 10時00分配信

コーピングのスキルを持つとストレス耐性が一気にアップ

怒りも悲しみも孤独感も、あるがままに受け止める。
心が折れそうなときは、自分で自分をケアして守る。
今、そんなストレス対処法が注目を集めています。
「コーピング」はいわば“自分助け”の技術。実践すれば、心が軽くなり、もっと、ずっとラクに生きられます。
ひとりの時間をより充実させるためにもはじめてみませんか?

コーピングとは?

コーピングとは、アメリカの心理学者が考案した「ストレスへの意図的な対処法」。ストレスフルな現代の生活の処方として、アメリカでは以前から、多くの企業や学校がストレスマネジメントにその理論を取り入れていて、効果が実証されています。

「コーピングには、ストレス要因を解決するもの、気晴らし、認知的コーピングなど、いくつかの種類があります。とはいえ、自分助けになることなら、どんなこともコーピングです」と話すのは、臨床心理士の伊藤絵美さん。
多少のストレス対策は、普段、誰もがやっていることですが、コーピングは、“自分助け”という明確な意図を持って行う点が特徴的。
「手順は、自分のストレスをモニターし、ストレスに見合った自分なりの対策を行います。これを意識的、徹底的に繰り返すことが大切。そうすることで、確実にストレス耐性は上がります」

今世界中が注目。 誰でもできる心にやさしいストレス対処法

ストレスから抜け出せないその原因は自動思考にあった


生きている限り、ストレスはつきまとうもの。では、そもそもストレスとは? つらいと感じてしまう原因は、どこにあるのでしょう。

心理学では、ストレスをストレッサー(環境)とストレス反応にわけてとらえます。ストレス反応には認知(自動思考)、気分・感情、身体反応、行動があり、4つは互いに影響し合います。

「例えば、仕事中、上司に叱られ『自分はなんてダメな人間なのだろう』という考え(自動思考)が浮かんだとします。思考と現実は必ずしも一致しないのに、本当にダメだととらえてしまう。ネガティブな自己評価をそのまま受け入れると、どんどんつらくなっていきます。悲しい気持ちになり、胃が痛くなったりして、その人を避けるようになるかもしれません。そして、仕事のたびにイヤな気持ちがぶり返し……。これがグルグル回り続ける、ストレスの悪循環なのです」(伊藤さん)

まずは、誰にでもある“自動思考”という現象を知ることが大切。コーピングには自動思考を客観的に見るワークがあり、「練習すれば、次々と浮かんでくる自動思考からすっと抜け出せるようになりますよ」(伊藤さん)。

グルグル回り続けるストレスの悪循環

ストレス環境にあるとき、4つのストレス反応は互いに反応し合い、グルグルと回り続けます。この中で悪い思考が生まれると、それがどんどん大きくなり状況を悪化させ、新たなストレスを生むという悪循環を繰り返します。
■Profile
臨床心理士 伊藤絵美さん
いとうえみ/洗足ストレスコーピング・サポートオフィス所長。専門は認知行動療法、ストレス心理学。コーピングを用いた心理カウンセリングを行っている。近著に『折れない心がメモ1枚でできる コーピングのやさしい教科書』(宝島社)。

 

『おとなスタイル』Vol.7 2017春号より

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