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ひとり時間を楽しむ第一歩「ひとり外ご飯」を楽しむ極意 [おとなスタイル]

2017年06月12日(月) 11時33分配信

気負わず楽しむ、おとなのひとりご飯。

「あなたはひとりで外食しますか?」と周りの女性に尋ねてみると、「寂しい女と見られないかしら」「緊張しちゃう」「ひとりだと間がもたなくて、なんだか楽しめない」……と、意外とハードルが高いのが現実。
ひとりご飯の場面が著書にたくさん登場する、エッセイストの平松洋子さんは、「そういった、“私はひとりだから”と自分を意識しすぎてしまうことがネックになるのでは」ときっぱり。
まずは「私はひとり」という自意識をなくすことから

平松さんが通っている、「ピヨトトシャ」のおふたり。TABASAさん(右)が料理を作り、やまじさん(左)がサービスを担当。

まずは「私はひとり」という自意識をなくすことから

「お店の方は自分が思うほど何も気にしていないですよ。男性がひとりで来ようが女性がひとりで来ようが、お客さんはお客さんですから。自意識からくる緊張感は、かえってお店の方に警戒心を与えてしまいます」
小さい店であればあるほど、客のピリピリモヤモヤした緊張は店の空気を変えてしまう。結果、お店側とギクシャクしてしまって、自分の居心地が悪くなることにもなりかねない。

週替わりのメニューの中から、平松さんが選んだのはロシア料理のボルシチとサラダ、ピロシキのセット

「その店に行く目的があるわけですよね。たとえば、おいしいと噂の料理かもしれない。ひとりなら、それをサラッと食べてサクッと帰る。ただそれだけのこと。そこに自意識が生じる必要はないし、誰もそれを求めていません。そこに気づくと、“な~んだ。考えすぎだったんだな”ってきっと思いますよ。そうなったらひとりがへっちゃらに、もっと楽しめるようになります」

ピロシキは生地から手作り。手で割るとフカフカだ。

とはいえ、ひとりご飯上級者の平松さんでも、ひとりで行く店の選択肢から外れる店があるという。それは、カジュアルでないレストランだ。
「そういったレストランは、みなさんが会話と食事を楽しみにいらっしゃる場所。その空間で、ひとりでポツンとテーブルで座っていると、やはりどこか違和感が生じがち。私は、遠慮するほうですね。ひとりはひとりの、複数は複数の食事の楽しみ方があるから、おのずと訪れる場所も決まってくるかと。結局、“場”というのはお店も含めて、そこにどう自然に違和感なく溶け込めるかが大事だと思うんです。そのほうが自分も居心地がいいし、周りのお客さんもお店の方も負担にならない」

「いつもながらおいしい!」とお店の人との会話も心地よい。「お店との自然な距離感も、長く通いたくなる理由です」と平松さん。

ひとりという時間を楽しむには、

その場にいかに自然に溶け込むか。

違和感がないのは、

自分にとっても人にとっても

心地よいものです。

 

ただ、カウンター席は例外。カウンターはひとり客にとって特等席のようなもの。テーブルをひとりで陣取っているような気まずさも味わわなくてすむし、横並びなので気分的にもラク。
また、大抵のカウンターはキッチンに面しており、店の人と距離が近く、会話に発展することも多い。
「あとはお店の方との相性の問題。店主との会話が“すごく楽しい”と思う人もいれば、“客に構いすぎで疲れちゃう”と感じる人もいますからね。50代以降って、ある程度、“自分はこうしたい”というのが、はっきり個人として確立している年代だと思うんです。ひとりで出かけて、“心地よい”ところを見つけておくと気兼ねがなくていいですよね。そういう店を何軒かもっていると重宝しますよ」

 

「ひとりご飯は無理」と思うのは、

実はつまらない自意識が

ネックになっているのかもしれません。
■Profile
平松洋子さん
ひらまつようこ
1958年生まれ。岡山県倉敷市出身。国内外を旅し、食文化やものづくり、文芸をテーマに執筆活動を行う。最新刊は、50代になって直面した現実を軽妙なエッセイにまとめた『彼女の家出』(文化出版局)。

 

■平松さんの西荻窪の行きつけ
ピヨトトシャ 西荻窪
定員8名の小さなお店。店主のTABASAさんが作るさまざまな国の料理はやさしい味わい。コーヒーも本格的だ。
住所:東京都杉並区西荻南2-24-17

 

『おとなスタイル』Vol.7 2017春号より
撮影/前 康輔

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