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江戸の人も食いしん坊!? この春のおすすめアート展 [おとなスタイル]

2017年03月18日(土) 09時00分配信

江戸の絶景~雪月花(太田記念美術館)

歌川貞秀「神奈川横浜新湊港崎町遊郭花盛之図真景」後期展示(3/3~26)

江戸の絶景~雪月花(太田記念美術館)

江戸時代後期、人々は旅を楽しむようになっていた。各地の名所、歴史を描き紹介する地誌や浮世絵が多数出版され、中でも「絶景」ものは人気が高かったそう。
渦巻き飛沫を上げる高波、桜が咲き乱れる遊郭と、心を震わす絶景は実にさまざま。
優美な風景、奇観、秘境―。未だ見ぬものへの江戸の人たちの好奇心の高さまでもがこうした浮世絵から伝わってくる。

歌川広重「甲陽猿橋之図」後期展示(3/3~26)

広重の「甲陽猿橋之図」は、この絵師の最高傑作ともされる作品。江戸から甲府へと向かう途中、桂川に架かる猿橋の景観に見とれて、スケッチをしたという広重。日記にも「言語に絶えたり」と感動を綴った言葉が。この道中記には「玉子とじにて飯」などの食の記述もあり、旅の模様が伝わってくる。絶景に名物にと、江戸っ子の旅はやっぱり好奇心に溢れていたようだ。

展覧会には、対馬の空の虹や木曽路の雪景色、青い海に囲まれた江の島など、絶景浮世絵が並ぶ。

●江戸の絶景~雪月花 太田記念美術館
~3月26日(日)
生誕140年 吉田博展

《帆船 朝 瀬戸内海集》 大正15(1926)年 木版・紙 個人蔵

生誕140年 吉田博展

明治、大正、昭和にわたり風景画家として活躍した吉田博の20年ぶりの大回顧展。水辺に浮かぶ船、透明感あふれる光の表現など心動かされる人は少なくないはず。登山を好んだ吉田独自の視点により描かれた山岳風景はとりわけ美しく魅力的だ。

●サントミューゼ 上田市立美術館
4月29日(土)~6月18日(日)
ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展

ピーテル・ブリューゲル1世《バベルの塔》 Museum BVB, Rotterdam, the Netherlands

ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展

現存する油彩画が少ないことでも知られるブリューゲルの代表作「バベルの塔」。その迫力と精密さは息を呑むほど。16世紀ネーデルラント美術の精華を見せる本展では、希少なボスの油彩画2点も初来日。3DCGによるユニークな展示もあり。

16世紀ネーデルラントの至宝 ―ボスを超えて―
●東京都美術館 4月18日(火)~7月2日(日)
フィンランド・デザイン展

椅子《41 アームチェア パイミオ》 アルヴァ・アアルト 1931-1932年 アルテック 個人蔵 c Artek 椅子《パピー》 エーロ・アールニオ 2003年 個人蔵 c Eero Aarnio

フィンランド・デザイン展

フィンランド独立100周年を記念して開かれる本展ではアルヴァ・アアルトやカイ・フランクなどこの国が誇るデザイナーたちによる家具や食器、テキスタイルなどが一堂に並ぶ。「ボールチェア」など名作椅子に座ることができるコーナーもあるのが嬉しい。

●愛知県美術館
4月7日(金)~5月28日(日)

 

 

 

文/選者・林綾野さん[ キュレーター]
はやし・あやの
展覧会の企画、美術書の執筆に携わる。新しい美術との出会いを提案するため画家の人生や食の嗜好を研究、紹介。著書に『画家の食卓』『ゴッホ 旅とレシピ』など。

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