• > 捨てない生き方。それは自分の人生を大切にすることでもある [おとなスタイル]

捨てない生き方。それは自分の人生を大切にすることでもある [おとなスタイル]

2017年03月07日(火) 09時00分配信

気さくで笑顔のたえないケイティーさん。ユーモアも魅力的。

湘南の緑豊かな葉山の自宅で、モノを大切にする英国のライフスタイルを紹介、ギャラリーとして販売もしているケイティー恩田さん。英国の古きよきものがしっとりなじんだ家は、心豊かな暮らしに満ちています。

好きなものとは生涯つきあっていきたい

「骨董家具には、年月を経てきた味があります。手仕事で作り上げていた時代のものだから、質感が温かい。薄っぺらなものでなく飽きるということがありません」

そう話しながら、香り立つ紅茶をブルーイタリアンのカップに注いでくれた、ケイティーさん。

「アンティークは高価で、飾り物というイメージがありますけど、私が好きなのは華美なものではない、生活に役立つ道具としての品。古いもの、壊れてしまったものを何度でも修理して、工夫して、ていねいに長く使い続ける暮らしが好きなんですね。食事をする大テーブルは1900年頃のものですが、すっかり我が家の暮らしになじんでいます」

居間の一角。

壁には大好きなスー マッカートニー・スネープの、ほのぼのした絵が。

棚いっぱいに美しい缶がずらり。

イギリスで買い求めた紅茶の美しい缶をいつもながめたくて、キッチン・シンクの向かい側の棚に並べている。

玄関フロア。

正面のチェストは1930年代のもの。古伊万里の皿との相性は抜群。 「古きよきもの同士は国が違ってもなじむんです」

ぽってりした温かさが◎。

ボタニカル画が好きで器のほとんどはポートメリオン。

洗いざらした麻はお皿をぴかぴかに。

絵柄の可愛いアイリッシュリネンのティータオル。
もともと「古きよきものが好きで」イギリスの骨董家具を愛する暮らしをしていたところ、家を訪れた知人から「自分もこういうアンティーク小物が欲しい」と頼まれて、イギリスに買い付けに行ったことが、この仕事の始まりとなりました。今は年に2回、渡英。
アンティーク・フェアで仕入れてくる家具や食器、小物類などは、2~3日で売り切れてしまう人気だといいます。

「100年、200年も前のものが別の国のどなたかに、また大切に使われて歴史が刻まれる。とても素敵なことだと思いませんか」

「暮らし全体を、ちょっとだけ素敵に変える・彩るヒントをお教えできればと」と語るケイティー恩田さん。

来客に手作りのお菓子をふるまっていたら、こちらも評判に。自宅で欧米の家庭料理を教えるようになり、遠方から長年通ってくる生徒さんたちもいるそうです。

お料理教室では、テーブルを囲んで生徒さんと食事する楽しみも。取材の日、スタッフへ作ってくださった、ピーナツバターとラズベリジャムをはさんだサンドウィッチ、かぼちゃの缶詰をアレンジした、スパイシーパンプキンケーキと卵と野菜のピクルス。ガラスの器のトライフルは、イギリスで親しまれるフルーツを盛ったお菓子。キャンドルを真ん中にした、庭で摘んだ植物や花を使ったフラワーアレンジは、素朴な美しさに心がなごむ。

「家具と同じで、イギリスやアメリカの、田舎の素朴な料理なんですが、私なりにアレンジを加えながら伝えていきたいと思っているんです。ときにはイギリスの生地を使ってピローを皆で作ったり、とても楽しいですよ」

英国からやってきたアンティークの椅子も布地を張り替えてディスプレイしている。クッションやピローの作り方も生徒さんらに教え、家で応用してもらっている。

そんなケイティーさんですが、最近「老後に向けてモノをどんどん処分しましょう」という、世の中の動きが気になると言います。

「もちろん人それぞれの考え方ですが、重い鍋がしんどいなら、腕力を鍛え続ければいいじゃないですか(笑)。私はこれまで共に生きてきたモノたちとは、生涯、ずっと暮らしていくつもりです。それは自分の過ごしてきた人生を大切にすること。そう思っています」

 

■Profile

ケイティー恩田さん
けいてぃーおんだ
トータルライフ・コーディネーター

横浜市生まれ。自宅でKATY'S HAYAMAを主宰。東京、神奈川の百貨店、カルチャー・スクールや自宅などで英国をベースにしたおしゃれな暮らし講座を開講。

 
おとなスタイル(NHK団塊スタイル)より
(写真/井上孝明)

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