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「カゴ」「布」好き女子必見の丁寧暮らし [おとなスタイル]

2017年03月03日(金) 09時00分配信

「いいもの」にこだわった丁寧な暮らしが美しい

断捨離は相変わらずのブームですが、いらないものを処分した後に、好きなもの、自分にとっての「いいもの」に囲まれることこそ、本当に目指したい豊かな暮らし。“好き”を極めた達人に、そんな素敵な生き方を学びます。
“作り手のスピリットが息づく「かご」や「布」に心ひかれます”

「インテリアもファッションと同じ。その人らしさが大事だと思います」と語る小澤さん。

“作り手のスピリットが息づく「かご」や「布」に心ひかれます”

いつの間にか好きなものに囲まれて暮らしていた、という小澤典代さん。その主役となるのが「かご」を始めとする手工芸品。居心地のいいリビングに並ぶ小物のひとつひとつに小澤さんの愛着と思い出が詰まっています。
“ずっと一緒に暮らしてきたもの、好きなものは変わらない”

和田麻美子さんの壷は色使いが好きで、個展のたびに1つずつ買い足している。

“ずっと一緒に暮らしてきたもの、好きなものは変わらない”

小澤さんのリビングは、10代の頃から現在に至るまで、心ひかれたものがバランスよく詰まっている宝箱。部屋の中をぐるりと見回すと、必ず目に入るのがかご。伝統的な花かごや煮ざるはアートとして壁に、本やCD、手紙の収納にもかごが上手に使われている。

四角いかごには本やCDを収納。

あえて額装をせずポスターのように貼られているドローイングは、西脇一弘さんの作品。

かぶせる布やチャームで季節感や自分らしさを演出。 経年変化を楽しめるのもかごの魅力。

「初めてかごを手にしたのは、幼稚園のとき。親に買ってもらったバスケットが気に入って、色違いを3つも揃えてもらいました」

タイの王宮の伝統的な竹かごは、文様の編み込みレースのような繊細さが素晴らしい。 現在ではコレクターアイテムとして扱われている貴重品。

現在、かごの数は100をくだらない。好きが高じて、かごへの造詣も深めていった。日本の職人の編組(へんそ)技術(かごなどを編む技)は世界でもトップクラスであり、この誇るべき伝統技術をきちんと伝えたいと、各地のかご職人のもとを訪れ、かごの本を上梓した。

「かごを通して手工芸の魅力を改めて知りました。古くから受け継がれてきたものには、そこで暮らす人の知恵や技が息づいています」

韓国に古くから伝わるチョガッポ(パッチワーク)。 陰陽五行の教えでは、縫い目の数は奇数が縁起がいいそう。 かごにかけて使うのが小澤さん流。

中でも小澤さんが大事にしているのが、かごにもかけているチョガッポという韓国のパッチワーク。

「本来は、おばあちゃんたちが着物の端切れを利用して作った素朴なもので、色や縫い目の数で縁起をかつぎます。昔の女性たちは、針仕事が唯一の自己表現。ひと針ひと針にさまざまな思いや願いが込められていたと思います」

小澤さんが19歳のときに初めて買った本棚。現在は食器棚として愛用。 取っ手や布を変えてアレンジを楽しんでいる。 壁に掛けられているのが煮ざる。

小澤さんが心ひかれるのは、そんな作り手のスピリットが感じられるもの。その原点は、やはりかごへとつながっている。

「好きなものはずっと変わりません。特にかごは私にとってファッションであり、インテリアであり、365日、暮らしの中になくてはならないもの。愛すべきものがたくさんあるほど人生は豊かになると思っています」
■Profile
小澤典代さん
おざわ のりよ
スタイリスト・文筆家

インテリアスタイリスト岩立通子氏に師事後独立。スタイリストと女性の目線から、『日本のかご―えらぶ・かう・つかう―』(新潮社)など、暮らしにかかわる著書多数。

 

(写真/蝦名まゆこ)

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