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今さら聞けない話題の言葉 「レジリエンス」って何? [おとなスタイル]

2017年01月19日(木) 18時20分配信

立ち直る力=レジリエンス

例えば、大事なものを失くしたとき、仕事で失敗してしまったとき、災害に遭ったときなど、しばらくすると元気に立ち直れる人もいれば、心が折れて立ち上がれなくなってしまう人もいます。この違いを生み出すものが、“レジリエンス”。変化する状況に対応できる力のことで、回復力、逆境力などと訳されます。

「以前は、ストレスは減らすもの、解消するものという考え方が主流でした。しかし、誰しもトラブルに巻き込まれることや傷つくことはあるわけです。だからこそ、ストレスをしなやかに受け止め、何があっても折れずに立ち直る力=レジリエンスを身につけることが重要。そんな概念が今、注目され始めています」(海原さん)

レジリエンス・精神的回復力

しなやかな心や柔軟さがストレス耐性を高めます

立ち直る方法は人によって異なります。深呼吸する、趣味に没頭して無心になる、自然と触れ合う、過去の成功体験に学ぶ、考え方やものの見方を変える、繋がりを強めるなどがレジリエンスのもとになります。

「何かあったときに支えてくれる人がいるなどの環境要因も重要。つまり、自ら回復する力に加え、周囲にサポートをしてくれる人がいるかどうか、助け合える社会であるかどうか、この3つの条件が揃い、それらを活用できることがカギになります。さらに、ストレスにもいろいろな状況があります。ここは逃げようとか、相手と交渉してみようとか、忘れてしまおうとか、対処法を選択する力や柔軟性もレジリエンスの一つです」(海原さん)

レジリエンスは、誰にでも本来備わっている力とのこと。普段からその力を育てて、折れない心の備えを! ちょっとしたことですぐに力がつくので試してみましょう。

いつもと逆のことをすることで、自分の可能性を広げよう

人は、人間関係の中で自分の役割を固定しがちです。自分は人に厳しいと思ったら、人を思いやる気持ちを持とうとしたり、気持ちを抑える傾向が強いなら、自己表現をするように心がけたり、頭もカラダも使うように意識したりと、逆の役割もしてみましょう。思考が柔軟になり、レジリエンスを高めるトレーニングになります。両方の役割をしてみる。バランスを調節する

● がまんしている ⇔ 自分を表現する
● 頭を使うことが多い ⇔ カラダを使うことが多い
● してもらう ⇔ してあげる
● 助けている ⇔ 助けを求める(助けてもらう)
● 自己主張が多い ⇔ 相手の話をよく聞く
● 他人に厳しい ⇔ 他人を思いやる

ひとつの自分じゃなくいろんな自分を作ってみる

ひとつの考え、ひとつのやり方しか知らないと、それがうまくいかなかったときに、対応できなくなってしまいます。逆に、仕事での自分、妻としての自分、母としての自分、趣味の世界や地域社会で能力を発揮できる自分など、いろんな自分を持っている人は、何かあったとき、ものの見方を変えることにより自分の力で対処できます。また、大切な人を助ける力も身につきます。椅子は脚の数が多いほど安定するように、いろんな自分を持つことは、生き抜く力になります。

今日からできるレジリエンスを鍛える方法

以下の6つの項目をベースに生活してみましょう。
ストレスもかなり軽減されるはず。これをしていると気持ちいい・楽しいというものが必ずあるはずなので、まずは夢中になれるものを見つけて。心の支えとなる人の存在も、レジリエンスの柱になります。

 

1.カラダを動かす(ヨガ・ストレッチ・水泳など)

カラダを動かすことに没頭すると、仕事のことやネガティブな感情から解放されます。目標を設定し、達成感を得る運動もレジリエンスアップに。自分が心地よいと思う運動を取り入れて。

 

2.気のおけない仲間をつくる

ともに頑張る仲間や気持ちを共有する仲間がいれば、苦しいときも何とか乗り越えることができます。気兼ねせずに、愚痴や悩みを言い合える仲間をつくっておくことはとても大事です。

 

3.動植物や自然と触れ合う

自然の景観を見たり、自然豊かな場所で過ごしたりすることで、ストレスが軽減されることや免疫力が強化されることがわかっています。週末は、森林浴やウォーキングなどを楽しんでみては。

 

4.考え方のクセを直す

考え方のクセは、個性とも偏りともとれます。個性はそのまま大切にして、自分に足りない部分を伸ばしていけば、多様な考え方ができるようになりレジリエンスが鍛えられます。人間的な魅力もアップ。

 

5.熱中できる趣味を持つ

時間を忘れて夢中になれる趣味を持つことは、気分を切り替え、満足感やポジティブ感情を得ることに役立ちます。つらいときこそ、自分が元気になれることをする。これぞレジリエンスです。

 

6.社会と繋がりを持つ

誰かの役に立ったと感じると幸せな気持ちになるもの。世間とのつきあいは面倒なことも多いですが、「頼り・頼られる」関係は、何かあったとき大きな安心感を生み、レジリエンスを高めます。

■お話を伺った専門家

日本医科大学特任教授
海原純子さん
東京慈恵会医科大学卒。医学博士。心療内科医、産業医、エッセイスト。同大健診医療センターに「ストレス予防ドック」を開設。

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