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専門医が教える、疲れを持ちこさない夜の過ごし方 [おとなスタイル]

2017年01月09日(月) 18時00分配信

疲れを持ち越さず、ぐっすり眠ることを目標にしよう

人は、体内時計に合わせて昼に活動し、夜に休む生き物。自律神経のうち、日中は交感神経が優位になり、心身を活動的にしていますが、夜間は副交感神経が優位になり、休息モードに入ります。

睡眠中は、脳やカラダ、心の疲れを癒やす時間帯。寝入りばなの90分に深い睡眠に入ることができれば、成長ホルモンの分泌が活発になり、脳や肌、筋肉の修復・再生が活発に行われます。
結局は、こうした本来のリズムに沿って過ごすことが、疲れを癒やすことにつながります。

夜は、質のよい眠りを得るため、ゆったりと過ごすのが正解。いくら健康によいメニューでも、夜遅くの食事や激しい運動は、カラダを興奮状態にさせてしまって逆効果です。
「夜遅くのコンビニ通いやスマホ操作なども避けましょう。強い光を浴びると、眠りのためのホルモンであるメラトニンの分泌が妨げられます」(石川さん)

夕食は就寝時間の2~4時間前に。「ゆっくり時間をかけ、よく噛んで食べることを習慣にします。それはまさにマインドフルネスそのもの」(石川さん)

寝る1時間ぐらい前の入浴や軽めのストレッチも効果的。「デスクワーク後の筋肉のコリや疲れが残っていると、翌朝に疲労物質を持ち越すことに。疲れはその日のうちにケアを。股関節まわりや首のストレッチがオススメです。一度カラダを温めておくと、その後深部体温が下がっていくことで、スムーズに眠りに入ることができます」(神崎さん)

夜の過ごし方次第で、疲労はかなり減らせます。ぜひ見直して。

50代からは、“休肝日”が必須

栄養分を代謝したり、アルコールを分解処理したり、有害物質を解毒したりと、肝臓はとにかく働き者。暴飲・暴食などで肝臓の処理能力の限界を超えると、脳が疲労を感じることがわかっています。
また、肝機能障害は女性のほうが重篤になりやすいので要注意。空腹のまま飲まない、度数が強いものは飲み過ぎない、休肝日を作るなどして肝臓をいたわって。それが疲労ケアにもつながります。

運動は就寝の3時間前、夕食は2~4時間前までに

健康のため、仕事の後にジムに通っているという人も多いのでは? ただ、夜に激しい運動をすると、交感神経が優位になりカラダが興奮状態に。かえって深い睡眠が妨げられるという結果になりかねません。快眠を得るには、激しい運動は就寝3時間ぐらい前に、夕食も就寝2~4時間前に済ませておくのがベター。ジョギングなどの有酸素運動は、カラダが本来活動する時間帯である朝や日中に行うほうが、無理がありません。
深い眠りに導く、夜ストレッチ

Process1

深い眠りに導く、夜ストレッチ

左膝を立て、右膝を曲げて座り、左足に体重をかけて20秒キープ×3セット。足を入れ替えて同様に。

Process2

写真のポーズで前傾姿勢をとり20秒キープ×3セット。
太ももを伸ばす。足を入れ替えて同様に。

Process3

足を肩幅より少し広く開き、腰で8の字を描く。逆回転も同様に20回ずつ。続ければ、腰のくびれも復活!
働く脳から眠り脳に導くアロマ

右・夜用アロマ。ラベンダー&オレンジ〈夜〉、左・女性の心を晴れやかに。アロマバス ウーマン/ともにナチュールサンアローム(ナチュールヴィバン)

働く脳から眠り脳に導くアロマ

ぐっすりと眠るには、夜はゆったりと過ごし、カラダを副交感神経優位の状態に整えておくことが大切。しかし、夜遅くまで残業をしたり、ストレスを強く感じたりした日は、夜になっても心とカラダが興奮状態……。そんな日は、快眠に導くアロマを活用しましょう。神崎さんのおすすめは、鎮静作用があり、深いリラックス状態や安眠に導く「ラベンダー」や、不安や緊張をほぐし気分を前向きにしてくれる「オレンジ」。

■お話を伺った専門家

さくら治療院 院長
神崎貴子さん
同院で女性の体の悩みと長年向き合う。鍼灸あん摩マッサージ指圧師。「働く女性の保健室」をテーマに更年期世代を数多く治療。

予防医学研究者 医学博士
石川善樹さん
東京大学医学部を経て米国ハーバード大学公衆衛生大学院修了。Campus for H共同創業者。近著に『疲れない脳をつくる生活習慣』。

『おとなスタイル』Vol.5 2016秋号より
(撮影/浜村達也 武藤 誠)

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