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ドミニック・ローホー流「モノに、ヒトに縛られない」暮らしの秘密 [おとなスタイル]

2017年01月05日(木) 18時00分配信

「ものが少ない=貧しい暮らし、ではない」とフランス人著述家で、世界中に多くのファンを持つ、ドミニック・ローホーさん。究極の「ものを持たない」暮らしをする上での秘密を教えていただきました。

ものに縛られたくない。 スプーンのひとつも増やしたくありません

完璧な素材、これが快適さの鍵です。

ものを選ぶときは目を閉じて、

触った感触を味わってください。

生活の道具を最小限にしたくて、たどり着いたのが漆器のボウルのセットです。修行中の禅僧たちが使う入れ子の食器をヒントに、「輪島キリモト」という工房が作ったもので、器はこの1セットだけで充分なのです。形が美しく機能的で、両手で包むとしっとりと感触が気持ちいい。

黒いマットな質感は料理をなんでもおいしく見せてくれます。ごはん、みそ汁はもちろん、オムレツもステーキもサラダも、この漆器でいただきます。中でも小福皿と名付けられたお皿は、特別な重ね塗りで傷つきにくく、金属のスプーンを使っても大丈夫(カレーライスを食べるのに最適)。かなり高価でしたが、ぬるま湯で洗うだけできれいになるし、軽いし、こういうシンプルなものは使うほどに味が出ます。

3つの鍋があれば、なんでも作れます

フライパンをいくつ持っていますか? ひとつあれば充分です。鍋は全部で3つだけ持っています。深いからなんでも作れるラバーゼの鉄のフライパン。煮込み料理がふっくらとできる厚手鍋のストウブ。フィスラーのミルクパンは、丸い形で対流が起こりやすいので料理がおいしくできて、口の構造で一滴もふきこぼれがありません。パスタをゆでるときにも便利。

私にとっての調味料は、ここにはいるだけ

塩、こしょう、ガーリック、しょうゆ(小さなボトルを買います)、ごま油、サラダ油、酢、そしてレモン。料理はしますが、家ではシンプルなものしか食べないので、調味料はこれで充分。友だちが来たら? 外で食事をします。おいしいレストランがたくさんあるのですから。凝ったものやエスニック料理などは家で作らなくても、という考えです。

調理道具は8つあればいい。私を信じて!

細々とした台所道具で、キッチンの引き出しがいっぱいになっていませんか。私が持っているのはこの8つだけ。これで事足ります。包丁はペティナイフを1本。チタン製のしゃもじ(「クロワッサンの店」で購入)は、私の大切な大切な道具。目玉焼きをお皿にのせる、パンケーキを返す、ピザを切り分ける、具材をかき混ぜる……第三の手のような道具です。菜箸として使っているのは韓国のステンレス製の箸。軽くて?みやすく、匂いや汚れもつるんと落ちます。小さなみそこしは、アボカドやゆで卵をつぶすのにも活躍。ワインオープナーのついた栓抜き。調理用のスプーンが1本。キッチンばさみ。スライサー。

植物にも縛られたくない。人間にも。 だから人と約束をしません。 プロミスブルーになりたくないですから

ものを持てば、収納する場所やメンテナンスの面倒があり、自由に引っ越しができなくなったりして、ものに自分が縛られることになる。人間がものに縛られるなんて、本末転倒な生き方です。ものだけでなく、植物や生き物にも縛られたくありません。以前は3つあった盆栽も、今はひとつだけです。ひとつなら、旅行するときマンションの管理人さんに預かってもらえます。私は未来の予定に縛られるのも嫌。だから友だちとも約束はしません。何ヵ月も先のコンサートのチケットを買ったり、飛行機のチケットを買ったりということもない。「明日、食事をしない?」という突然の誘いはウェルカム。自分の時間を自由にしておけば、友だちと何時間でもおしゃべりができるのです。
■Profile
ドミニック・ローホー
著述家。フランスに生まれ、ソルボンヌ大学で修士号を取得。イギリス、アメリカ、日本の大学で教鞭をとる。禅の修行などを通して日本の精神文化への理解を深め、シンプルな暮らしを提案。『シンプルに生きる』(幻冬舎)、『「限りなく少なく」豊かに生きる』(講談社)など累計250万部のベストセラーを持つ。

 
(撮影/大河内 禎)

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