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この疲労感はなに? 50代は疲労の“うねり世代”です [おとなスタイル]

2016年12月28日(水) 18時00分配信

50代は疲労の“うねり世代”です

睡眠不足に仕事のストレス、介護疲れ、人間関係など、疲れの原因は人によりさまざまですが、50代では、“更年期特有の疲れ”もあることを知っておきたいもの。
「現代女性の平均閉経年齢は約50.5歳。この年代の疲れは、体力的な衰えのほかに、閉経による女性ホルモン(エストロゲン)激減の影響が大きいと思います。ホットフラッシュ(ほてりや発汗)、肩こり、抑うつ感、意欲の低下など、更年期に現れやすい症状が複数重なって、つらい疲労感を生んでいる可能性があります」と、婦人科医の安江育代さん。

女性ホルモンが減ってくると、自律神経のうちの交感神経が優位になり、睡眠にも影響が出てきます。安江さんの患者の4割近くは更年期世代。不眠の訴えも多いそうです。
「寝つきが悪くなり、夜中に発汗で目が覚めることも。睡眠の質が低下すれば、朝から頭やカラダが重い、肩がこるといった疲労に関係する悩みにつながります」(安江さん)

また、関節のこわばりなども出はじめます。
今までのように、ひと晩寝たらスッキリというわけにはいかない年代なのです。

この時期だけ我慢すれば……と考える人も少なくありませんが、「更年期症状は数ヵ月や数年単位でぱっと治まるものではありません。積極的にケアをして体調をよくしたほうが、快適な生活を送ることができます」(安江さん)

この時期は、食事、運動といったセルフケアに加え、更年期の症状が伴う場合は、エストロゲンを少量補う、ホルモン補充療法(HRT)も有効です。疲れが取れない、やる気がおきないなどの症状は、更年期の診療に詳しい婦人科に相談するのも一つの方法です。
「まずは、治療で意欲を底上げしてから、生活改善に取り組むという流れでもいいですね。エストロゲンは、骨や認知機能の維持にもよい影響を与えます。更年期を快適に過ごせるうえ、将来の健康管理にも役に立ちます。50代をどう過ごすかで、これから先のイキイキ感や前向き感も変わってきます。たかが疲労とそのままにしないことが大切です」(安江さん)

その疲れ、更年期障害ならHRTで治療できます

ホルモン補充療法(HRT)は、更年期障害の症状改善に効果の高い治療法です。
「52歳の女性の例ですが、治療前の簡易更年期指数(ほてり、発汗、寝つき、疲れやすさなどを自己評価/51点以上で治療対象)が79点。それが、HRTを開始して約半年で37点に改善しました。こうした例は多く、よく眠れるようになった、意欲が出てきたという声は多いです」(安江さん)
更年期の不調には、治療法があることを知っておくと、役に立ちます。

■お話を伺った専門家

安江レディースクリニック 院長
安江育代さん
東京慈恵会医科大学卒。
医学博士、日本女性医学学会認定女性ヘルスケア専門医。更年期世代や働く女性を数多く診療。女性が頼れる婦人科医師。

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