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地曳いく子×槇村さとる「おとなのお洒落は[更新]がポイント」 [おとなスタイル]

2016年12月12日(月) 09時00分配信

参考になります

「お気に入りの服が似合わなくなった…」

 流行りのファッションに挑戦してみたが「何か違う…」

 「どう変えればいいのかわからない…」

好きなテイストやアイテム、お気に入りの服はあるけれど、年齢とともに変化していく体のラインや雰囲気とのバランスが難しい、そんな悩みに陥りがちなおとな世代。
今回は、お洒落でカッコいいおとな世代の代表、漫画家・槇村さとるさんとスタイリスト・地曳いく子さんに、“今の自分”に合わせたアイテムの選び方、お洒落になるコツを教えていただきました。
地曳 私、最近ハイヒールを5足、処分しました。これからの私のスタイルに必要ないと判断。〈今したいこと〉〈本当に着たいもの〉がはっきりしたら、次は時代に合わせて更新していく作業です。

槇村 好きなテイストやアイテム、店って、じつはさほど変わらない。でも、選ぶものは確かに違ってきてる。身体のタッチというか、質感や肉感は常に変化するので、大好きなボーダーも、地厚のコットン系はもう似合わない。カシミア的なソフトな素材を最近は選んでいます。

地曳 私が必ず更新するのはライダースですが、年齢的にも重くて硬いライダースは無理。ソフトで軽い革素材を選び、見た目だけじゃなく、着心地も必ずアップデートします。また、髪型がボブだった以前はパンツを合わせていたけれど、髪が短い今はスカートで女性らしさを足すなど、着こなしかたも変わりますね。

槇村 でも、更新しなくちゃと思いながらも、やっぱり頭の中には、まだ「古い美しさ」が残っているのよね。

地曳 そこがおとな世代の落とし穴なんです。知らないうちに流行が進み、見慣れない形が登場しますから。

槇村 試着した時に「なんか変だな」って、最初に思っちゃう。

地曳 変な部分ってじつは新しさ。「変」と「似合わない」を勘違いしないことです。まず安い服で慣れること。周りからほめられれば嬉しいし、服が自分に合ってきます。

槇村 そうね。今はいているこのワイドパンツも最初はゆとり感とか不思議だった。でも、これで外出すると周りの反応がすごくいいから、今の正解だってすぐにわかったのよね。

地曳 昔の美しさって音楽に例えるならクラシック、そしてアートでなら印象派。でも今の流行は、現代音楽だし現代アート。それくらい違うので、慣れるのに時間が必要なんです。すべての流行に乗っかる必要はないし、ついていけそうなものだけでいいけれど、「新しさ」に慣れたら、今度は調整して“似合わせていく”のも、お洒落になるコツです。

槇村 地曳さんと同じで、私にとってもライダースは「心の服」と言えるもの。きっと自分から反骨な感じがなくなったら、ずいぶん個性が違っちゃう気がする。

地曳 もちろん、大切にしている部分はこれからも大切にすべき。でも、表現や解釈が時代に合っているか、見直すことがポイントです。

槇村 そうね。更新するのって、結局は大好きなものだしね。

地曳 あとは、センスのいいお友達と一緒に買い物に行くか、素敵な同世代の店員がすすめてくれた服を買って、週に何度も着て、慣れるのも確実にセンスアップする方法です。

槇村 私、病気をしてね、気持ちも体力もなくなって、このまま老いて行くのかと思った時に、嫌だな、もう少し踏みとどまりたいって思ったんです。そして、こんな風に地曳さんと何度も話しているうちに、おとなのお洒落って楽しいな。オバさんっていいなって思うようになってきた(笑)。

地曳 誰でも年は取りたくないけれど、そう思えたら、もう勝ちですよ!

槇村 この先はわかんないけれど、しばらくはこの感じでいきますかね。

地曳 5年後、10年後はわかんない。

槇村 急に、隠居するわ! って言うかもしれないし(笑)。

地曳 世の中も気候もどうなっていくかわからない。だから、まずは自分の気持ちを上げてくれるコトやモノをベースに、それを流行や新しい美しさで更新しましょう。苦手なものを相手にして、四苦八苦している時間って、もったいないですから。
お洒落でカッコいい、ふたりが“選ぶもの”

もう6年以上、愛用しています(槇村)

お洒落でカッコいい、ふたりが“選ぶもの”

身長154cmと小柄な槇村さん。大判ストールは薄手でボリュームも色も満点! 墨色が合わせやすい「ファリエロ サルティ」と上品なアニマル柄の「サンローラン」。

ユニクロのカシミア混ニット(地曳)

とにかくヘビーローテーションで活躍しているスタメンニット。大好きなダークネイビー、凝った編み地のおかげで、一枚でもレイヤードでもサマになります。

新しい形はユニクロでトライ(地曳)

活躍中のパンツは2ブランド。「ジェームスパース」のジョギパンは来年も残したい1本。形が新しい「ユニクロ」は“ 初めての流行”を試して慣れるのに最適です。

パール&ジョーゼットのスヌード(地曳)

自他ともに認める“巻きものスペシャリス ト”の地曳さんが使いやすいと太鼓判!ネックレスとストールを合体させたデザインは、巻くだけでこなれた雰囲気に。

トラッドだけど金具使いが新しい(槇村)

大きなバックルベルトがデザインのポイントにもなっているワンショルダーのバッグ。“デカ付属”は今シーズンのトレンド。「マーク・ジェイコブス」で見つけたそう。

白と黒のベーシックジュエリー(槇村)

黒いカットビーズのロングネックレスは、ファッションブランドのもの。バロックパールのネックレスは、カジュアルで合わせやすく、長さも気に入っているそう。

手元はたっぷり重ね付け(地曳)

ロレックスの時計やターコイズのネイティブジュエリーに「チャンルー」や「リンクス オブ ロンドン」のバングルを重ねて。色のトーンが洗練されています。

眼鏡は常に似合う形をチェック(槇村)

輪郭やパーツの位置もどんどん変化するので、同じようなボストン型を基本に、随時更新中。最近のお気に入りは右の「トム・フォード」と左の「カーニー」だそう。
■Profile
スタイリスト 地曳いく子さん
じびきいくこ
1959年、東京都生まれ。数々の女性誌で活躍し、キャリア30年を超えるベテラン・スタイリスト。“ おとなのおしゃれクライシス”をテーマにした著書が好評。現在はスタイリングのみならず、テレビ、ラジオでもコメンテーターとして活躍中。

漫画家 槇村さとるさん
まきむらさとる
1956年、東京都生まれ。ダンスをテーマにした『愛のアランフェス』『白のファルーカ』など数々のヒット作を連発。テレビドラマ化された作品も多い。また、ファッションや女性の生き方に関するエッセイも多数、刊行している。
(写真)衿にワイヤーが入ったシャツは「ドゥーズィエム クラス」。「エンフォルド」のパンツのボリュームに負けない靴をチョイス。

 

(撮影/清水朝子)

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