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料理家・栗原友さんの人生を変えた、築地場外での魚修行 [mi-mollet]

2016年12月03日(土) 16時00分配信

築地の風景がよく似合う、栗原友さん(写真/笠井爾示)

「魚は大好きなんだけど、さばくのは苦手!」

かつてはそう思っていたという、料理家の栗原友さん。料理研究家の栗原はるみさんの娘で、自らも料理の道に進んだ友さんですが、ある時、料理で苦手だった魚と真正面から取り組むことを決め、片っ端から魚関係の会社に電話。唯一「面接に来ないか?」と連絡をくれた築地場外の斉藤水産で働けることになり、魚修行が始まりました。

 

三枚におろした鯖にベタ塩をして3時間ほど寝かします。

「クリトモのさかな道 築地が教えてくれた魚の楽しみ方」は、朝日新聞デジタル&wの人気連載コラムで、その中から選りすぐって一冊にまとめたのが本書。友さんの魚修行の毎日や築地魚河岸の活気ある様子、旬の魚を解説しながら作る料理の数々が軽快な文章で綴られています。

酢締め用の酢づくり。三重・紀北町の道の駅で入手した限定販売の「みふね酢」と昆布に、みかんを追加。

春は桜エビや産卵期を迎えるホタテ、夏は鰻やお盆明けのサンマ、秋はカレイや実は夏よりもおいしい鱧、冬は松葉蟹やクエ――。大衆魚から高級魚、はたまた聞いたことも見たこともないような珍しいものまで、さまざまな魚介類が登場します。ページをめくるごとに日本近海の魚介類の豊かさが感じられ、それらが料理家の本領発揮とばかりに多彩な料理へと変わる様子にどんどん引き込まれていくこと間違いなし!

届いたばかりのスルメイカ。真っ黒なのは新鮮な証拠だそう。

ちょうどこの時期は、どんな魚が美味しいのでしょうか?
11月に書かれたページをめくると、関鯖と並ぶ高級ブランドとして知られる、三浦半島の松輪で水揚げされた鯖を使った鯖の棒寿司や、友さんが修行していた斉藤水産の社長直伝のイカの塩辛を作っていました。

友さんの楽しそうな鯖寿司づくりの様子を読んでいると、きっと挑戦してみたくなるはず。

皮や吸盤をとって半日干ししたのち塩辛に。

斉藤水産の門をたたいてから約4年。魚修行に飛び込んだことがきっかけで生涯の伴侶に出会い、娘を出産した友さん。今では娘に魚好きになってもらうために食事を工夫したり、魚を使った離乳食講座を開くなど、活動の幅を広げています。この本は、ひとりの女性の人生が大きく変わりゆく様子を描いた一冊でもあるのです。

読んでよし、食べてよし、魚がもっと好きになる、素敵なエッセイ集です。

 

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