名医が解説! 意外と知らない高血圧Q&A [おとなスタイル]
2016年07月25日(月) 09時00分配信
血圧やコレステロール値が変化しやすくなる50代。今、血管のケアを始めれば、血管の老化が招く高血圧や動脈硬化を防ぐことができます。若々しい血管づくりの秘訣を学んでいざ実践!
≪Q1≫どれぐらいの値からが高血圧なの?
≪A≫ 家庭計測では135/85mmHgをひとつの目安に
高血圧の診断基準は、最大血圧140mmHg以上、または最小血圧90mmHg以上。ただし家庭で計測する場合、血圧が低めになる傾向があるため、135/85mmHg以上が高血圧の目安です。
≪Q2≫女性といえば低血圧。高血圧は少ないのでは?
≪A≫ 年齢とともに急増します!
血圧が少し高め(130~139/85~89mmHg)の予備軍も含めると、高血圧の人は40代でおよそ4人に1人、50代では2人に1人と急に増えます。(平成25年国民健康・栄養調査)
≪Q3≫どんな人が高血圧になりやすいの?
以下に当てはまる人はご用心。
□更年期である(45歳以降)
□ホットフラッシュなどの更年期症状が強く出ている(または過去に出た)
□体重増加
□冷え性
□BMIが25以上
□不眠傾向である
□喫煙者
※BMI=体重kg÷(身長m)2 標準値は22
ホットフラッシュのある人は、高血圧にご用心
「体の中で起きている血圧の変化を知るためにも、家庭での血圧測定を習慣にしましょう」と苅尾さん。健康診断では正常値でも、家庭で測ると血圧が高くなる人、早朝血圧といって朝の血圧が非常に高い人、イライラや睡眠不足が原因で血圧が上がる人など、高血圧の現れ方には、いろいろなパターンがあるそうです。
「家庭測定は、最大血圧が135/85mmHg以上で高血圧。どんな時間帯であれ、以前より血圧が上がっていたら血管が老化し始めているサイン。特に、朝の高血圧は10年後の高血圧。油断は禁物です」
また最近の研究で、更年期にホットフラッシュのある女性は、血圧が高めになることがわかってきました。「喫煙、睡眠不足、肥満なども高血圧を招くリスク因子です。悪い生活習慣は早めに改善を心がけましょう」
<苅尾七臣さん プロフィール>
自治医科大学付属病院循環器内科主任教授。専門は高血圧、動脈硬化など。特に早朝・夜間血圧に詳しい。更年期女性と高血圧の関係も研究。
おとなスタイルVol.3 2016 春号より
(イラスト/イイダミカ)
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