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伝統芸能に新たな風を吹き込む若手男子に注目! [おとなスタイル]

2016年06月01日(水) 09時00分配信

《茶道》武井宗道さん

流派に属さずに自由な発想で茶を楽しむ

《茶道》武井宗道さん

いちど外の世界へ飛び出し、伝統芸能に新たな風を吹き込んでいる、若手男性たち。
ジャンルを超えて共闘する、その想いとは。

武井宗道さんは、もともとは茶道の家元の生まれではなかった。
「父親が経営しているフレンチレストランに、遠流派のお茶の先生がいらっしゃって、ご紹介を経て直門へ入門することになったのがご縁です。以前より『美味しいものを食すこと』に意味を感じていました。フレンチはお客様がなによりも高い位置にありますが、茶道は、招く側、招かれる側が同じ目線となって喫するところに惹かれたんです」
2014年に独立後、流派には属さず、自由な活動を続けている。
「『室町時代に、お酒を飲みながらお茶の味を見分ける“闘茶”という遊びをした』というお話をしてから、『抹茶カクテル会』を催したこともあります。また、もし海外から客人がいらっしゃれば、お茶に替えてコーヒーや紅茶をお出しするといった、臨機応変のおもてなしもできます」
お茶をやっている人、やっていない人、そして流派も関係なくたくさんの人が集まる場にしたいと話す。
「お客さんもご縁ですし、場所も季節も道具も、すべてご縁だと感じます。いつか、父の西欧料理ともコラボレーションしてみたいですね」

お茶をきっかけにさまざまな人と交流を深める

『佐原茶会~御茶と愛でる伝統文化』は、江戸時代からの街並みが残る千葉県香取市佐原で、日本文化を楽しむイベント。舟上で宗道さんのお茶を味わった。

<武井宗道さん プロフィール>
1988年生まれ。’10年に遠州流茶道宗家直門、’12年遠州流茶道宗家内弟子入門、’13年教授者免状を取得し、家元より宗道の名をいただく。’14年に独立し、鎌倉円覚寺、浅草寺伝法院、陽岳寺など、流派を問わない茶会を催す。
《陶器》松永武士さん

失いかけた福島の相馬焼を世界に売り出していく

《陶器》松永武士さん

馬の絵が左を向き、「右に出るものはいない」という、福島県浪江町の縁起物。300年の歴史があり、福島の家庭ならひとつはあるという「大堀相馬焼」の窯元に生まれた松永武士さん。実は、家を継ぐことはまったく考えていなかったという。
「大学で東京に出てきて、在学中に、中国で日本人向けの事業を進めようとしていました。そのときに、東日本大震災が起こったんです」
相馬焼は、25の窯元が一時すべて廃業。なんとか復活させて世に広められないかと思い立ち、中国の事業が落ち着いたところで売却。24歳のときに奔走をはじめた。
「福島の土や素材が使えなくなったので、代替素材を研究して復元し、全国に売り出すためにたくさんの方のご協力をいただきました」
伝統を活かしつつ、海外のニーズも起こそうと、ヨーロッパやアメリカ、アジアで展示会を行い、最近はオーストラリアでも人気だという。
「日本の職人さんの技は、海外でも受け入れられる手ごたえがあります。今後もひとつひとつチャンスを活かしながら、世界に知られる相馬焼を目指していきたいです」

300年の歴史を重んじながら国内外へと広めていく

パリで行った、福島県主催の展示会。「馬の筆のデザインや、相馬焼独特のひび割れ、二重構造が人気でした。海外の方にも使っていただけるよう、グラスのように下の方をすぼめた形を作ろうかと考え中です」

<松永武士さん プロフィール>
1988年生まれ。大堀相馬焼・窯元4代目。ガッチ株式会社を創業後、伝統工芸品の販売促進事業にシフト。大堀相馬焼の新ブランド「KACHI-UMA」の立ち上げ等に尽力。AERAの「日本を突破する100人 2014」に選出。

おとなスタイルVol.1 2015秋号より

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