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伝統芸能に新たな風を吹き込む若手男子に注目! 【精進料理&華道編】 [おとなスタイル]

2016年05月23日(月) 09時00分配信

《精進料理》飯沼康祐さん

旬を感じる精進料理で仏教の心を伝えたい

《精進料理》飯沼康祐さん

いちど外の世界へ飛び出し、伝統芸能に新たな風を吹き込んでいる、若手男性たち。
ジャンルを超えて共闘する、その想いとは。
「『美味しい。今日は来てよかった』と言っていただけるのがうれしいですね」天台宗福昌寺の副住職・飯沼康祐さんは、仏教を伝える方法のひとつに“料理”を選んだ。
「もともと料理が好きなんです。仏教系の大学時代に飲食店でアルバイトをしていて『料理と仏教をつなげるのはどうだろう』と思って。イタリアンのお店でも働き、本腰を入れようと調理師免許も取りました」
現在は、『坐りびと・旬粥』でお粥をふるまい、イタリアンの精進料理の会を主催することもある。
「精進料理のイメージにないオリーブオイルやドライトマトでパスタやリゾットを作ると、よく驚かれます。決まりは守りながら、自由な発想で仏教と料理を結び付けたいですね」
華道の塚越応駿さんとは、坐禅、生け花、精進料理を体験できる『時をみる会』を開催する。
「伝統文化は、どうしても間口が狭くなるもの。他のジャンルの方とコラボレーションをすることで、何か一つをきっかけとして、老若男女問わず、たくさんの人に参加していただけるのではと思っているんです」
精進料理を通じてコラボレーションが広がる

精進料理ではイタリアンの要とも言えるチーズのような乳製品、ニンニクなどの香りが強い野菜はタブー。味噌など発酵食品で応用。

精進料理を通じてコラボレーションが広がる

<飯沼康祐さん プロフィール>
1982年生まれ。天台宗福昌寺副住職。19歳で比叡山延暦寺にて出家得度。大正大学卒業後、料理修業をして調理師免許を取得。現在、お寺を中心に各地で精進料理会を開催。『坐りびと・旬粥』(まちのお寺の学校)など活動多数。
《華道》塚越応駿さん

イギリスに留学をしてフラワーアレンジを学んだ

《華道》塚越応駿さん

「華道の家に生まれ、いつか継ぐだろうと思っていましたが、私にはまだ経験年数がありません。代替わりをしたときに、みなさんがついてきてくださるだろうかと考えました」
いけばな松風副家元(4代目)の塚越応駿さんは、自分の引き出しを増やすため、イギリスへ渡った。
「当時はフラワーアレンジメントの人気が出てきて、そのことに戸惑いと疑問を感じていました。でも、人を惹きつけるには何か理由があるはずだと、学ぶ場として本場イギリスを選択。実際、習ってみたら、いけばなとは違う魅力がありました。帰国後は現場で経験を積もうと、ホテルでウェディング装花などの仕事を7年行いました」
現在は、フラワーアレンジメントの要素を取り入れることも。
「文化が異なり、四季がない国もあります。日本的な自然観は伝えにくく、シンプルに『器の真上に太陽があると考えて、花や葉っぱをそちらに向けましょう』と説明することも。いけたお花を見て、年齢や男女の差を感じることは難しいです。その人自身がそのまま反映されるところも魅力なんですよ」
国内外へとひろがる生け花とフラワーデザインの融合

東日本復興応援いけばな展『つなげよう花の心3』で、松永武士さん所有の器にいけた。「震災で割れずに残った100年以上前のもの。素晴らしい器で緊張しました」

国内外へとひろがる生け花とフラワーデザインの融合

<塚越応駿さん プロフィール>
1977年生まれ。いけばな松風副家元(4代目)。1990年いけばな松風教授取得。イギリスに留学後、外資系ホテルでウェディングやパーティー装花に携わり、フローリストマネジャーを務める。2009年現職。

おとなスタイルVol.1 2015秋号より

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