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松田美由紀さんと体験! 贅沢を味わい、自由を感じる静岡旅 [おとなスタイル]

2016年04月19日(火) 09時00分配信

大人こそ、楽しむことに躍起にならなくちゃ

「私もいつも長靴姿なんですよ」自身も小さな畑を耕す松田さん。農園主・平垣正明さん(手前)との野菜談義は尽きず。左ページ/白糸の滝から注ぐ澄んだ水。これを使って育てる野菜は年間100アイテム以上。畑から採れたてを食せる幸せ!

大人こそ、楽しむことに躍起にならなくちゃ

50代、周囲を見回せる余裕を得たのち、自称「健康オタク」である松田さんは環境と人との関わりにとりわけ深い興味を持ち、しぜんと農業や食のあり方に心を寄せていくようになった。
続いて訪れたのは、富士山麓で野菜を育てるオーガニック農園。先のオーベルジュをはじめ、素材を大切にするシェフたちから、愛情を込めた野菜づくりで頼りにされている。ひとつひとつ、手にとって味わっては「こういう暮らしが、いちばん贅沢ですよね」と松田さん、しみじみと漏らす。
「都会に暮らしていても、いつも思い出すようにしているのは『コンクリートの下は土なんだ』ということ。土は、本来、実のなるものを育てられる場所。人間は土地を、地球から一時借りているのに過ぎない存在なのだから……。だから、所有することに躍起になるより、その上で生きることに躍起になるべきなんだと思うんです」

北山農園
「美味しくてワクワクする、夢のある野菜」をコンセプトに、土作りから取り組む。ウェブ通販のほか、自分で収穫した野菜を買う「畑でファーマーズマーケット」(不定期開催)など、土に親しむイベントも。
住所:静岡県富士宮市北山3192
何かと向き合う瞬間の「無心」が心地いい

「作る。演じる。発言する。行動して得たものをずっと発信し続けたい」

何かと向き合う瞬間の「無心」が心地いい

行ってみたい。やってみたい。そして、何でも学びたい。松田さん、この日はさらに、念願だった陶芸を初体験した。伊豆半島の土をこね、かたちを生み出していく。その横顔は、無心そのもの。
「幼稚園の頃から油絵を描いていたんです。できあがった自分の絵自体はそんなに好きじゃなかったけれど、描いている、その瞬間がとにかく気持ちよくて。ただそのことだけを考えていられる時間って、いいものですよね。仕事も同じで、映画でも舞台でも、周りの声や音が一切聞こえず、グーッと役に入っていけて、演じていることすら忘れていられるときが最高。そういえばこれまでも、子育てをしているときは仕事のことを思い出さなかったし、仕事をしているときは子どもの存在を忘れていた(笑)。もともと、そういう性分だったのかもしれません」

ギャラリー ダルシン
中伊豆に窯を開いて45年。陶芸家・山口廣海さんの作品を常設するギャラリーでは、奥様・八千代さんによる陶芸教室を予約制で開催。コーヒーカップや皿などを手びねりで。
住所:静岡県伊豆市上白岩小川山田1573-2
工夫次第で、人生はもっと豊かになるはず

自由、それは夢中になれる瞬間

工夫次第で、人生はもっと豊かになるはず

その意味では、松田さんが今、もっとも集中し、心血を注いでいるのは「おとなになること」なのだろう。ひとりの人間として、この世の中に、自分の考えを、存在する意味を伝えていくこと。「ムヒカ大統領(ホセ・ムヒカ。前ウルグアイ大統領)の言葉に、何を持つかでなく何を残せるかがその人の本当の財産だというような言葉があるんですが、その通りだと思う。精神的な教えでも、芸術作品でも、コミュニティーでも、何かを育ててそれを残すのがおとなの責任じゃないのかなと」
そして何より、そのこと自体を楽しんでいるかどうかが大事だと、松田さんは続ける。自身にも、あらためて問いなおすように。
「年をとったら枯れていくとか、しぼんでいくような寂しいイメージを持ちがちだけど、そうした考え方の傾向を変えていくこと。私は昔から、お金がないならないなりに、家が小さいなら小さいなりに、何か楽しいことを見つけたり、工夫をしていったりするのが好きだったけれど、年齢を重ねた今なら、子どもから手が離れて、精神的にも経済的にもある程度落ち着いている。さあこれからすごく楽しいことが待っているんだということを、もっともっと表現してもいいんじゃないかって」
こんなことができる。こんなふうにも遊べる。ひとりひとりの表現を、もっと松田さんが旅をしながら全身で発信するのは、きっと、そんな自由だ。
「そう! 行動して得たことを皆がどんどん発信していけば、それがいつかきっと、どこかで誰かの役に立つはず。おとなからの人生も世の中もまだまだ豊かになれるはずだと、私は思っています」
<松田美由紀さん プロフィール>
1961年東京都生まれ。モデルとして活動後、『金田一耕助の冒険』で映画初出演。以降、女優としてテレビドラマ、映画、舞台で活躍。写真家としても高い評価を得ている。近年の映画出演作に『2つ目の窓』『ボクは坊さん。』

おとなスタイルVol.2 2015冬号より

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