• > 小林聡美もハマった“日本人らしい感性”を大切にするもの [おとなスタイル]

小林聡美もハマった“日本人らしい感性”を大切にするもの [おとなスタイル]

2016年04月02日(土) 09時00分配信

落語を入り口に、句会、吟行(ぎんこう)にまで広がる

いくつになっても色褪せない生き生きとした空気をまとう、女優・小林聡美さん。
好奇心あふれる彼女が始めた数多くの“おとなの初体験”のなかでも、現在最もハマり長く続いているのは、“日本人らしい感性”を大切にするものでした。

「私、落語と俳句を始めまして」 女優・小林聡美さんは、目をくるっと動かして楽しそうにそう言った。好奇心の赴(おもむ)くまま、園芸やクラリネットなど数えきれないほどの“おとなの初体験”を重ねてきたが、今最もハマっていて、かつ長続きしているのが、この落語と俳句。きっかけは6年くらい前、知人に誘われて訪れた柳家小三治の落語独演会だった。
「それまで『落語って本当に面白いの?』という半信半疑の気持ちもあったのですが、小三治さんの予定調和でない話芸に、引き込まれてしまって。観客を『次、どうなるんだろう』とハラハラさせたり、『ああ、よかった』と胸を撫で下ろさせたり。落語ってこんなに面白いものなんだ、と驚きました」
噺家とは、体調が悪くても何があっても、身一つで舞台に立たなくてはいけない大変な仕事だ。
「人に見られながら自分をさらけ出すという、“人”が出る“芸”。その高い精神性にも惹かれます」
落語を入り口にして、興味はさらに思わぬ方向へと広がり始める。「小三治さんをはじめ噺家、作家、俳優の方などが集まる『東京やなぎ句会』というのがありまして、その句会の実況を収録した本があるんです。それを読んだらすごく楽しくてバカバカしくて、でもやっぱり奥が深くて。こういう句会ならやってみたいと思い、声を掛けたら友人たちが集まってくれたんです。『東京やなぎ句会』にリスペクトを表して『日欧ウィローズ句会』と名付け、今年でもう4年目になりました」
月に一度集まり、俳句を詠む。それは何にも代えがたい時間だ。
「それぞれ違う仕事をしているのですが、その人の生活の目線や、価値観が句に表れていて、毎回興味深いんです。旅をしながら俳句を詠む“吟行”も年に何度かあって、これまで鎌倉や熊野、高野山などに出かけました。『東京やなぎ句会』は46年続いている。私たちもこれから何十年も続いていくのかと思うと、すごく楽しみです」
<小林聡美さん プロフィール>
1965年、東京都生まれ。映画、テレビ出演のほか、エッセイの著作も多数。

おとなスタイルVol.2 2015冬号より

【関連記事】

NEWS&TOPICS一覧に戻る

ミモレ
FRaU DWbDG
  • FRaU DWbDG
  • 成熟に向かう大人の女性へ
  • ワーママ
  • Aiプレミアムクラブ会員募集中!

このページのTOPへ戻る